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OLEDパネル業者の8.6世代IT用ライン投資動向、LGディスプレイとBOEの投資遅延

Apple iPad Pro

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サムスンディスプレイとLGディスプレイが中国パネル業者のflexible OLED低価格攻勢とLCD撤収にともなう売上減少を補完するために付加価値の高い8.6世代IT用ライン投資を進めている。

26日に行われたLGディスプレイの第2四半期実績発表カンファレンスコールで、LGディスプレイ関係者は「公示した第6世代IT用関連投資は予定通りに進行しており、来年上半期まで投資が進行されるだろう」と話した。

ただし、8.6世代IT OLED投資の可能性に関しては「まだ確定していない」と立場を明らかにした。 LGディスプレイは「技術発展の可能性と進捗度、市場需要が会社収益に寄与できる水準に発展するかなどを綿密に調べ投資を決めるだろう」と強調した。

LGディスプレイの8.6世代IT用ライン投資は営業赤字による新規ライン投資資金確保の困難によりサムスンディスプレイに比べて遅くなると展望されるが、2026年からはAppleにパネル供給が可能になると予想される。

LGディスプレイだけでなく、中国パネル業者BOEの投資も遅れている。サムスンディスプレイはサムスン電子とApple、LGディスプレイはLG電子とAppleを顧客会社として確保できるが、BOEは顧客会社確保の不確実性からBOEのIT用8.6世代ライン投資には少なくとも2年程度時間がかかるものと予想される。

また、別の中国パネル業者であるVisionoxもIT向け8.6世代ライン投資を準備している。 Visionoxは計30Kキャパの8.6世代ライン投資を9月中に発表する予定だ。

一方、サムスンディスプレイの8.6世代IT向けライン投資はすでに決まっている。サムスンディスプレイは8.6世代IT用ラインのTFTはOxideを適用し、2stack RGB OLEDで構築する予定だ。サムスンディスプレイはこれまでIT用ラインで8.6世代垂直蒸着2stack RGB OLEDを開発してきたが、投資は8.6世代水平蒸着に決定された。サムスンディスプレイのIT用ラインにはキヤノンの露光機が2024年4月に搬入される計画であり、キヤノントキとの蒸着機価格交渉はすでに完了した。

▶ 2023 年中大型OLEDディスプレイ年間レポート のサンプルページ

スマートフォン向けのrigid OLED、年平均12.9%下落して2027年には9,600万台になると予想

UBIリサーチが四半期別発刊する「4Q22 Small OLED Display Market Track」によると、全世界スマートフォン用rigid OLEDの出荷量が持続的に減少するものと予想される。

2022年下半期からサムスンディスプレイのスマートフォン用rigid OLEDの出荷量が大幅に減少し、第3四半期には前年同期対比半分にも満たない1900万台が出荷されたことが調査された。このような流れは第4四半期にも続いており、これに伴いサムスンディスプレイのスマートフォン用rigid OLEDの出荷量は2022年から年平均20.8%下落し、2027年には5千万台にとどまるものと見られる。全世界スマートフォン用のrigid OLED出荷量は年平均12.9%下落し、2027年に9600万台になると予想される。

反面、スマートフォン用flexible OLEDの出荷量は2022年から年平均7.4%成長率で持続的に増加するものと展望される。UBIリサーチはサムスンディスプレイが年平均2.2%成長率で2027年に2.2億台のflexible OLEDを、BOEが年平均13%成長率で2027年に1.4億台のflexible OLEDを出荷するものと予想した。

全世界のfoldable OLED出荷量も持続的に拡大するものと予想される。2022年、全世界のfoldable OLEDの出荷量は1900万台と予想され、2027年には9000万台になるものと予想される。今後、全世界のfoldable OLED市場を主導するのはサムスンディスプレイであり、2027年には全世界のfoldable OLED出荷量のうち89.1%のシェアを占めるものと見られる。

10インチ以下の小型OLED市場の中でfoldable OLEDの占有率は2022年に2.7%と低い水準だが、2027年には9.6%まで拡大し、rigidOLEDと似た水準の占有率を記録するものと展望される。 

スマートフォン用rigid OLED出荷量展望

スマートフォン用rigid OLED出荷量展望

▶4Q22 Small OLED Display Market Track

今年の世界のOLEDの量産能力、基板面積で47.3 百万㎡規模と予測

OLED産業の調査企業であるであるUBIリサーチ(www.ubiresearch.com)が最近に発刊した「2022 OLED部品素材レポート」によると、2022年OLEDの全体量産能力の基板面積は47.3百万㎡と予想される。 2022年にはサムスンディスプレイがA3ラインの遊休キャパを補完するために投資したLTPO TFTラインとETOの6世代rigid OLEDラインが稼動する予定であり、2023年にはLGディスプレイのE6-4ラインとBOEのB12-3ラインが、2024年にはサムスンディスプレイの8.5世代ITラインが稼動すると予測される。

スマートウォッチとスマートフォン用の小型OLEDの基板面積は, 2022年rigid OLED用ラインキャパは5.29百万 ㎡として24.8%の占有率を占めており、今後はRigid OLEDの投資はないと予想される。 2022年flexible OLED用キャパは15.3百万㎡で全体の71.5%であり、2024年からサムスンディスプレイのA3ラインの一部がIT用ラインに転換され量産キャパが縮小されると展望される。 Foldable OLED用ラインキャパは2022年に0.79 百万 ㎡、2023年からは1.52百万㎡に達すると予想される。

サムスンディスプレイのIT用ラインキャパは, 2023年下半期にA3ラインがIT用ラインに転換され2024年には新規で8.5Gラインが稼動すると予想され、2025年までに2.69百万㎡に拡大すると展望される。 2023年下半期からLGディスプレイのキャパはE6-4ラインとBOEのB12-3ラインが稼動し、それぞれ0.75、0.52百万㎡になると展望される。

テレビ用OLEDラインのキャパは、追加投資がない限り、2026年までに変化がないと見られる。

2022年からLGディスプレイの量産キャパは20.3百万m2で全体の85.5%を占めている。 今後、追加顧客会社の確保可否によって、キャパがさらに増加するものと見ている。

サムソンディスプレイのキャパは3.3百万㎡、BOEは0.13百万 ㎡で、それぞれ13.9%と0.6%のシェアを占めると見られる。

一方、今回発刊された「2022 OLED部品素材レポート」は最新OLED産業課題の分析とフォルダブル機器用の部品素材開発と産業現況、OLEDパネルメーカの量産キャパを分析、主要部品素材市場展望などについて扱った。 部品素材関連企業が関連技術を理解し、今後の技術方向と市場を展望するのに役立つものと予想される。

Samsung Display、第1四半期の出荷実績減少、 第2四半期には回復見込み

UBI Researchが発行した第1四半期のディスプレイ「Market Track」によると、Samsung Displayのスマートフォン用OLED出荷量は、前四半期比26.0%、前年比4.7%減少した8,800万個と集計された。

一方、売上高は前四半期比32.4%減少、前年比30.4%増加した53億7,000万米ドルになるという。

<Samsung Displayにおける第1四半期のスマートフォン用OLED実績>

リジッドOLEDは、Samsung Electronicsによる低価格モデルへの継続的なLCD採用と中国セットメーカーによる需要減少で、第1四半期に量産ラインの稼働率が低下した。同様に、フレキシブルOLEDもAppleの需要減少とGalaxy Sシリーズの実績不振で稼働率が低下した。

UBI Researchは「第1四半期にはセットメーカーによる需要減少で実績が下がったが、4月からフルスクリーンリジッドOLEDの需要が増加し、リジッドOLED量産ラインの稼働率も次第に高まり始めた。6月からは前年と同レベルまで回復するとみられる。また、フレキシブルOLEDの量産ラインも、Samsung Electronicsによる次期モデルの早期量産とAppleによる新モデルの量産開始で、再びフル稼働に戻ると期待される」と明らかにした。

OLED全体市場規模は、2018年第1四半期に61億2,000万米ドルと集計され、このうちスマートフォン用OLED市場は91.1%、大面積OLED市場は5.7%を占めた。

2018年のスマートフォン用OLED出荷量は4億4,000万個になる見込みで、Samsung Displayが占める割合は93.4%になると予想される。

<2018年OLED市場展望>

2022年のOLED材料および部品の市場規模、 370億米ドルの見込み

UBI Researchが発刊した『2018 OLED材料および部品産業レポート』と「Market Track」では、OLED材料および部品市場全体が2022年まで年平均29%で成長し、370億米ドルに達すると見込まれた。

<OLED材料および部品市場展望>

本レポートに記載されているOLED材料および部品市場全体の予測は、パネルメーカーによる供給可能量を基準とし、OLEDに採用される全ての材料および部品を含んだ数値である。

 

2017年のOLED材料および部品市場全体は97億9,400万米ドルと集計され、2018年には35%成長した132億6,400万米ドルになる見込みだ。

 

主な成長要因としては、Samsung DisplayとLG Display、中国のパネルメーカーにおける第6世代フレキシブルOLED量産ラインの生産能力拡大が挙げられる。

 

UBI Researchは「Samsung Displayは第1四半期に量産ラインの稼働率が落ちたものの、第2四半期から正常化に向かっており、LG Displayと中国のパネルメーカーも今年中に本格的な量産を目指している。特にSamsung DisplayのA4とLG DisplayのE5・E6、BOEのB7ラインが正常稼働するかどうかが、2018年材料および部品市場全体の成長に大きな影響を与えるとみられる」と明らかにした。

 

今回発行される『2018 OLED材料および部品産業レポート』では、基板用ガラスとキャリアガラス、PI、TFT用有機材料などを始めとするモバイルと大面積OLEDに採用される20種類の主要な材料および部品の市場展望と産業動向、重要事項について取り上げている。また、「Market Track」では、各パネルメーカーの購入額と購入量について展望している。

スマートフォン用OLEDパネル市場の変化

UBI Researchが発刊した『2018年第1四半期AMOLED Display Market Track』によると、スマートフォン用OLEDパネルの出荷量は、2018年の4億7,000万台から2022年に8億5,000万台まで増加し、年平均15.8%の成長を記録するという。この値は、2017年第4四半期に予測した年平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)の25.4%より9.6%下回る結果である。

<スマートフォン用OLEDパネルの出荷量展望>

UBI Researchによるスマートフォン用OLEDパネルの出荷量予測値が減少したのは、最近スマートのトレンドが反映されたからだと言える。スマートフォンの買い替えサイクルが延び、新技術が不足するなどでスマートフォン市場は停滞している。また、予想よりも早く拡大されているスマートフォンの平均サイズは、Foldable OLEDの発売予定などで今後も続くと予想され、様子で市場の成長は鈍化傾向となる見込みだ。

他にもフレキシブルOLEDは、Samsung Displayへの依存度が高いことから供給不足が起こり、ASP(平均販売価格)が上昇し、中国のセットメーカーはフレキシブルOLEDの高い価格で採用をためらっている。ここで、低い価格のフルスクリーンLCDが登場し、中国のセットメーカーはリジッドスマートフォンにOLEDよりLCDを採用しようとする傾向が強まり、リジッドOLEDへの需要は減少すると見られる。

韓国と中国のパネルメーカーは、2016年と2017年に第6世代OLEDラインへ攻撃的な投資を進めた。しかし、今年からはスマートフォンの需要状況を観察しつつ、量産ラインの稼働時期と投資を見直している。スマートフォン用OLEDパネルは、OLEDパネル市場全体の9割以上を占めているため、パネルメーカーの投資動向に重要な要素となる。

一方、『2018年第1四半期AMOLED Display Market Track』は、UBI Researchが過去15年間重ねてきた市場成果および予測システムを基盤に、パネルの販売実績、今後の市場見通し、需要および供給分析、パネル製造メーカーの競争力分析、サプライチェーン分析、パネルの製造コスト分析、投資現況分析、ASPの全8つのモジュールで構成されている。

Visionox、UDCとOLED評価契約締結発表

UDC(Universal Display)はVisionoxがOLED評価契約に署名したと発表した。今回の契約で、UDCはVisionoxにディスプレイアプリケーション用りん光OLED発光材料を供給する予定だ。詳細な契約内容や金額などは公開されていない。

 

2008年中国で初めてPMOLEDを量産したVisionoxは、2015年第2四半期に崑山(Kunshan)市で第5.5世代リジッドOLED量産ラインの稼働を開始した。昨年10月に開催されたIMID 2017ビジネスフォーラムでVisionoxのXiuqi Huang博士は、2018年第2四半期に固安(Guan)県での第6世代フレキシブルOLED量産計画とフレキシブルOLEDの開発ロードマップなどについて説明したことがある。

<VisionoxのOLED生産ライン現況>

Xiuqi Huang博士は「2018年から2020年まで6∼8型相当のスマートフォン用フルスクリーンOLEDと折り畳み型(Foldable)OLEDの開発を目指している。2021年以降は6∼12型相当のスマートフォンやノートパソコン用、車載用フレキシブルOLEDを開発する予定だ」と述べた。

<VisionoxのフレキシブルOLED製品ロードマップ>

CSOT、中国武漢市に第6世代LTPS OLED工場建設完了

先日12月28日に中国武漢市にあるCSOTの第6世代LTPS OLED(T4 fab)の生産ラインが当初計画より4カ月早く完成したことが知られている。CSOTは昨年6月からT4 fabの建設を開始し、199日で約60万坪規模の工場を建設した。総投資額は50億8,000万米ドルという。

<CSOTにおけるT4生産ラインのレンダリング画像、参考:China Daily>

CSOTのT4 fabは中国最初の第6世代フレキシブルLTPS OLED生産ラインとして注目を浴びた。T4 fabは月4万5,000枚の生産能力を保有しており、中小型フレキシブルOLEDと折りたたみ型(Foldable)OLEDを量産する計画であると伝えられている。

 

CSOTは次のステップとしてクリーンルーム構築と装置導入を始めると明らかにし、2019年の量産開始を目指していると述べた。

フレキシブルOLED、2019年を基点にOLEDパネル市場を主導

■ 2019年にフレキシブルOLEDは4億8,000万個出荷、リジッドOLED出荷量を超える見込み

■ フレキシブルOLEDのうち、フルスクリーンOLEDは2022年まで平均78.3%の市場占有率で、市場を主導する見込み

■ Foldable OLEDは2019年から本格的に出荷する見込み

フレキシブルOLEDの出荷量は2019年にリジッドOLEDの出荷量を超える見込みだ。UBI Researchが発刊した「2017 Flexible OLED Annual Report」によると、フレキシブルOLEDは2019年に4億8,000万個出荷され、4億900万個のリジッドOLEDの出荷量を超える見通しとなった。また、フレキシブルOLEDの出荷量は2018年から年平均41%で成長し、2022年には12億8,500万個になり、売上高は594億米ドルを記録すると予想される。

<2018~2022年におけるOLED基板別市場占有率の展望>

最近モバイル機器において、ハードウェア技術の向上が標準化され、プレミアム市場を目指すセットメーカーはOLEDを採用し、製品の差別化に取り組んでいる。特に同一サイズモバイル機器でも、より広い画面を求める消費者のニーズが高まり、セットメーカーはフルスクリーンを実現可能なフレキシブルOLEDの採用を始めた。

 

そのため、パネルメーカーもフレキシブルOLEDの量産に向けた投資を継続的に推進している。特に2018年からBOEとCSOT、Visionoxなど、中国パネルメーカーによる第6世代フレキシブルOLED量産への投資が本格化すると予想され、中国におけるフレキシブルOLEDの出荷量は年平均59%で成長し、2022年には3億5,400万個に達すると見込まれた。

 

本レポートでは、リジッドOLED及びフレキシブルOLEDの構造と工程を比較し、Foldable OLEDを実現するための技術開発動向を層(Layer)別に分析した。また、フルスクリーンOLEDを採用しモバイル機器を発売したSamsung Electronics、Apple、LG ElectronicsにおけるフレキシブルOLEDの採用技術を比較し、2018年から2022年までのフレキシブルOLED市場をフレキシブルタイプと国別、世代別など、様々な観点から分類して予想を行った。

 

フレキシブルOLEDの中でフルスクリーンOLEDは2018年に2億6,500万個出荷され、市場占有率82.1%になり、2022年には10億2,200万個の出荷で79.5%を占め、フレキシブルOLED市場をリードすると見込まれた。また、最近大きな注目を集めているFoldable OLEDは、2019年から500万個出荷され、2022年には5,300万個に拡大することが予想された。

<2018~2022年におけるFoldable OLED出荷量展望>

2017年から2021年までOLEDモバイル機器用検査測定装置市場規模、 66億3,000万米ドルになると期待

モバイル機器のパネル問題による不便を感じる消費者が増加し、最近各パネルメーカー は検査測定の強化に取り組んでいる。

 

検査測定は製品の品質や性能の改善のみならず、顧客満足度を向上することで、ブランドイメージを高めることができる。また、各工程において異常の有無をリアルタイムで点検できるため、工程の安定化による生産性と歩留まり率の向上も実現できると予想される。

 

UBI Researchが発刊した『2017 Inspection and Measuring Equipment Report for OLED Mobile Device』では、OLED装置市場全体における検査測定装置市場規模は、2017年から2021年まで総額66億3,000万米ドル(約7兆3,000億ウォン)になると予想されている。2018年には14億5,000万米ドル(約1兆6,000億ウォン)規模のOLED検査測定装置に対する投資が行われる予定で、2019年には16億米ドル(約1兆8,000億ウォン)の最大規模の投資が行われると予想されている。

 

イ・チュンフン代表によると、韓国のSamsung DisplayはA5の第6世代フレキシブルOLEDラインに対する投資を実施中で、LG DisplayはOLEDの売上高を増加するために大規模投資を行うと発表し、BOEとCSOTなどの中国のOLEDパネルメーカーも、OLEDラインへの投資に積極的に取り組んでいるため、検査測定装置の需要は続くと予想している。

 

本レポートには、2017年から2021年までの検査測定装置市場を様々な観点から分類し、予後を予測した内容が記述されている。2017年から2021年まで全体市場において、基板とTFTに導入される検査測定装置は50.6%と最も大きな割合を占め、セル検査測定装置は29.7%、OLED画素検査測定装置は12.7%、封止検査測定装置は7%を占めると見込んだ。また、検査測定項目別に分類された装置市場は、パターン検査が33.1%、リペア装置が21.3%、点灯検査が16.4%の順になると予想した。

 

最後に検査測定装置の中で最も主要なAOI(Automated Optical Inspection、自動光学検査)装置とレーザーリペア装置は、同期間に23億3,000万米ドルと14億1,000万米ドルになるとの見通しを示した。

<2017~2021年、OLEDモバイル機器用検査測定装置の展望>

超高画質解像度(UHD)のOLEDスマートフォン時代の幕は開くのか

最近スマートフォン機器によるVRコンテンツ体験が増える傾向にあり、高解像度スマートフォンが求められているが、2014年に初めてGalaxy Note4にQHD OLEDが採用されて以来3年間、OLEDスマートフォンの解像度は変わらずQHD程度に留まっている。
OLEDスマートフォンの解像度を決定する鍵は、発光層の蒸着工程である。現在、採用されている上向式蒸着方式は、基板とFMM(Fine Metal Mask)を水平にして蒸着装置の上部に配置した後、下部のリニア蒸発源に有機物を蒸発させてRGB発光層を形成する方式である。

 

UHD以上の高解像度OLEDを製造するためには、厚さ15um以下の薄いFMMが必要となるが、FMMが薄くなるほどパターニング、引張、溶接などの技術的な問題が生じ、量産に採用することは容易ではい。

 

このような問題を改善するために、垂直型蒸着、面蒸発源蒸着、様々なメタルマスクパターニング(Metal Mask Patterning)技術が開発されている。

 

基板とFMMを垂直に配置する垂直型蒸着装置は日本の日立が初めて開発し、キヤノントッキもFinetech Japan 2013で、第6世代垂直蒸着方式の装置を公開したことがあるが、現在量産には採用されていない。

<Finetech Japan 2013で公開したキヤノントッキの第6世代垂直型蒸着装置>

しかし、最近の電子新聞によると、米国Applied Materialsが第6世代フレキシブルOLED用垂直蒸着方式の蒸着装置を開発したことを明らかにし、日本のジャパンディスプレイでテストしている。

 

リニア蒸発源ではなく、面蒸発源を用いた蒸着方式も検討されている。面蒸発源蒸着方式は、まず有機物を金属面に蒸着した上で面蒸発源を製造し、それを再蒸発させて基板に有機物薄膜を形成する原理である。iMiD 2017でOLEDONのファン・チャンフン代表は、面蒸発源蒸着方式を採用することで、2250ppi高解像度のOLEDを実現できると述べた。

 

Metal Mask Patterning技術としては、主に電気鋳造 (Electro Forming)とレーザーパターニング技術が挙げられている。電気鋳造方式は韓国のWave ElectronicsとTGO Technology、日本のアテネなどのメーカーが開発中で、レーザーパターニング技術は韓国AP Systemsが開発している。

 

このように様々な観点から高解像度OLEDを実現するための開発が、現在の問題を改善し、OLEDスマートフォンのUHD解像度の実現に貢献できるかという点に大きな注目が集まっている。

<OLEDONが開発した面蒸発源蒸着技術の原理>

AUO、Touch Taiwan2017で、スマートウォッチ用丸型OLEDとフォルダブル(foldable)OLED展示

AUOは、20日に開催されたTouch Taiwan2017で、スマートウォッチ丸型OLED3種(1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ)と折れるOLEDを公開した。

 

AUOの1.2インチと1.4インチ丸型OLEDは、326ppiを有し、既存の量産製品に比べ、消費電力を30%も減らした。また、AUOは、丸型OLED2種が明るい太陽光の下でもディスプレー画面が正確に見えるように、明るさ調節モード(brightness increase mode)を内蔵し、屋外視認性を向上させた。

 

子供用スマートウォッチをターゲットにした1.3インチOLEDは軽くて、節電モードと直観的なタッチインターフェースを搭載し、ユーザビリティを強化した。

 

AUOは、折ったり、くるくると丸めてつなぐ2つの形態の5インチフレキシブル( flexible)OLEDを展示した。5インチフレキシブルOLED2種には、プラスチック基板と内製で開発した構造(special structural layer)が適用された。

<AUO, 5インチフォルダブルOLEDタッチパネル>

折れる5インチフォルダブルOLEDには独自に開発した柔軟なタッチスクリーンセンサーが内蔵されている。AUOは、「折れる部分の曲率半径が4mm以下である場合にも、優れた画質を提供する。」と言った。

 

5インチローラブル(rollable)OLEDについて、AUOは、「パネルの厚さがわずか0.1mmで、重さは5gである。」と言いながら、「4mmのローリング(rolling)半径を持つこの製品は、広色域を提供する。」と説明した。

 

一方、SID2017でAUOは、フォールデイング時、引張や圧縮強度に耐えるように、 TFT(薄膜トランジスター 、thin film transistor)とTFE(薄膜封止、thin film encapsulation)を中立軸(neutral axis)に位置させる構造を適用したと発表したことがある。

Fraunhofer Institute 、 ISAL 2017で電装用のflexible OLED照明を披露する予定

OLEDモジュールの開発と製作を専門的に行っているFraunhofer Instituteが9月25日から27日までドイツのダルムシュタッとで行われるISAL 2017にて色調節が可能な電装用flexible OLEDを披露する予定であることを明らかにした。Fraunhofer Instituteは去る2015年rigid基板を用いて色調節が可能なOLEDを公開したことがある。

2015年以降、Fraunhofer Instituteはflexible OLED照明を開発し続けてきた。今回のISAL 2017にて披露するflexible OLED照明は黄色と青色2色で色の切換が可能で2色を同時に発現して白色光を表現することもできると知られている。

Fraunhofer Instituteはflexible OLED照明が従来の車の照明を代替することができるだけではなくて天井や屈曲のある部分など設置が難しいところにも適用できると見込んだ。従来の照明はSMPSや放熱板が必要で柔軟な特性が足りなかったため設置の制約があったが、flexible OLED照明は薄くて軽い上にデザイン自律性が優れて車の内部に広範囲にわたって適用されると期待を集めている。Fraunhofer Instituteはflexible OLED用の基板が超薄膜ガラスや金属またはプラスティックフィルムで製造できると説明した。

<Fraunhofer Instituteの電装用flexible OLED照明、 出所: Fraunhofer Institute>

最近のOLED照明は車の室内外に適用されて次世代電装用照明として注目を浴びている。カスタマイズド自動車サービス会社であるChangscustomはOLED照明を車の内部に設置してSeoul Auto 2016に展示し、LG DisplayとOsramなどOLED光源メーカーはMercedes-BenzとBMWなどの完成車メーカーにtail light用のOLED光源を納めた。

一方、ユビ産業リサーチでは最近発刊した2017 OLED Lighting Annual Reportによると電装用OLED 光源は2017年640万ドルから2025年21.1億ドルに年平均107%の成長率を記録すると予想した。とりわけflexible OLEDの光源が2021年まで95%以上の市場占有率を占めて、flexible OLEDの光源がrigid OLEDの光源より積極的に採用されると見込んだ。.

OLEDの光源市場は9月末から本格稼働されるLG DisplayのGen5 OLED光源量産ラインを始めとして本格的な市場開花が期待されている。OLEDの光源市場がOLEDディスプレイ市場ほど刮目に価する成長ぶりを見せるかその成り行きが注目されている。

UBI Research、OLED封止、TFEが主流

■ 全てのエッジタイプとフルスクリーンタイプのフレキシブルOLEDにTFEを採用する見込み

■ プラズマCVD(PECVD)装置、封止装置市場全体の62%を占有

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED封止アニュアルレポート』は、OLED封止技術の中で、薄膜封止(Thin Film Encapsulation:TFE)が2021年にOLEDパネル全体の約70%に採用され、主要封止技術になると予想した。

 

最近のOLEDディスプレイは、エッジタイプからベゼルを最小限にしてフルスクリーンを実現することがトレンドになり、フレキシブルOLEDがフルスクリーンの実現に最適なディスプレイに選ばれている。そのため、韓国のSamsung DisplayとLG Displayを始めとする中国パネルメーカーもリジットではなく、フレキシブルOLED量産ラインへの投資に注力している状況である。

フレキシブルOLEDは、薄くて曲げられる特性を持つため、ガラスを使用するフリット封止は適合しなくなり、TFEやハイブリッド封止(Hybrid Encapsulation)を採用しなければならない。

TFEは薄い有機物と無機物を積層して形成する構造を持っており、開発初期には11層積層構造で、複雑な工程と歩留まり率が低いという欠点があったが、現在は3層積層構造を開発し、生産性、歩留まり率、コストが大きく改善され、多くのフレキシブルOLEDに採用されている。

<TFEの開発履歴、「2017 OLED封止アニュアルレポート」>

一部のフレキシブルOLEDには、バリアフィルムを使用するハイブリッド封止も採用されているが、バリアフィルムの価格が高く、比較的に厚みがあるため、最近は全てTFEを採用している傾向がある。

 

UBI Researchチャン・ヒョンジュン先任研究員は「TFE封止は、エッジタイプとフルスクリーンタイプのフレキシブルOLEDパネルに引き続き採用されることになりそうで、関連装置と材料市場も成長し続ける」と明らかにした。

 

今回のレポートでは、TFEの主要装置は無機物を形成するプラズマCVDと有機物を形成するインクジェットプリンターで、特にプラズマCVDは、TFEだけでなく、ハイブリッド封止の無機膜を形成する際にも用いられる。そのため、プラズマCVD市場は、2017年から2021年まで68億2,000万米ドル規模の市場になり、封止装置市場全体の約62%を占有すると予想した。

<プラズマCVD装置市場規模、2017、「2017 OLED封止アニュアルレポート」>

本レポートは、封止の開発履歴、動向、主要パネルメーカーの動向を始めとする封止関連主要装置と材料市場をテーマにしている。

Samsung Electronics、第2四半期ディスプレイ事業の営業利益、約1,710億円(1兆7,100億ウォン)達成

韓国Samsung Electronicsは、27日に行われた2017年第2四半期カンファレンスコール(電話会議)で、売上高は約6兆1,000億円(61兆ウォン)、営業利益は1兆4,070億円(14兆700億ウォン)となり、このうち、ディスプレイ事業の売上高は約7,710億円(7兆7,100億ウォン)、営業利益は1,710億円(1兆7,100億ウォン)を達成したことを明らかにした。ディスプレイ事業は、2016年第3四半期以来、4四半期連続で約1,000億円(1兆ウォン)を超える黒字となった。

Samsung Electronicsによると、2017年第2四半期には、フレキシブルOLEDパネルの売上高増加と高付加価値LCDの販売増加によって、前四半期実績を上回った。

主要顧客によるフラッグシップモデルの販売拡大で、フレキシブル製品の販売が増加し、OLED部門の売上高は、総売上高の約60%を占めた。また、UHDと大型TVを中心とする高付加価値製品の販売拡大によって、LCD部門の売上高が増加した。

下半期のOLED部門については、フレキシブル製品の供給を拡大し、上半期に比べ売上高が増加すると予想されるものの、中低価格帯市場については、LTPS LCDとの競争が激しくなり、第3四半期には新規ラインの生産能力拡大によるコスト増加のリスクがあると見込まれている。新規ラインで安定的に生産を拡大することで、主要顧客の需要に対応し、製品ミックスを見直して収益率を改善していく方針だ。

下半期のLCD部門については、セットメーカーにおけるパネルの在庫増加とパネルメーカーの供給拡大による需給不均衡が予想されるものの、高解像度と超大型TVなど、プレミアムTV市場での成長が続く見込みだ。そのためには歩留まり率とコストを改善し、UHDや大型など高付加価値製品とフレームレスや曲面など、独自のデザイン製品の販売を拡大し、収益性を向上する計画だ。

Samsung Electronicsは2017年第2四半期にスマートフォン9,300万、タブレット600万台という販売を達成しており、第3四半期の販売は前四半期比で、スマートフォンは小幅増加、タブレットは同様となる見込みだ。LCD TVの販売は900万台を達成し、第3四半期には1桁成長に留まると予想される。

第2四半期に設備投資は、総計約1兆2,700億円(12兆7,000ウォン)規模で、そのうちディスプレイに約4,500億円(4兆5,000億ウォン)の投資が行われた。今年の設備投資計画は、まだ未確定だが、半導体とディスプレイを中心に、前年比投資が大幅増加する見込みだ。ディスプレイについては、フレキシブルOLEDの需要増加に対応するための生産増大に向けた投資が行われると予想される。

Samsung Displayイ・チャンフン常務は「スマートフォンのセットメーカーによるOLED採用増加で、需要も増加すると見込まれている。現在OLEDラインは、市場需要と顧客のニーズによって、弾力的に運営している。今後もOLEDラインの活用や運営は、市場需要と顧客ニーズに合わせ、戦略的に対応する」と明らかにした。しかし、LCDラインをOLEDに切り替える計画は、まだ考えていない と説明した。

今後のOLED市場実績は?

先日の6月に韓国ソウル市汝矣島にある全経連会館で開催されたUBI Researchの「上半期セミナー:OLED市場分析と最新技術セミナー」で、イ・チュンフン代表は、2017年上半期のOLED産業投資と量産状況の分析に基づき、今後の市場見通しについて発表した。

 

イ・チュンフン代表は、中国セットメーカーによるOLEDの需要増加で、2021年には中国がOLED装置市場をリードすると強調した。2021年に中国の装置市場は、装置市場全体の約48%を占めるようになり、約405億米ドル規模の投資が行われる予定だと述べた。

 

また、このような中国の動きは、OLEDスマートフォン市場にも影響を与えると予想される。2019年にはOLEDスマートフォンがLCDスマートフォン市場を追い越し、2021年にはOLEDスマートフォンが同市場全体の80%を占めると見込まれる。

 

フレキシブルOLEDについては、2017年から2019年まで、韓国Samsung Electronicsと米国AppleのフレキシブルOLEDの需要増加に対応するSamsung DisplayとフレキシブルOLED市場で2位を目指している中国BOEによる大規模の投資が行われると見通した。

イ・チュンフン代表、2018年からはBOEの第10.5世代LCD工場で、65型パネルの量産が開始されることにより、今後は、65型以上の製品がプレミアムTV市場を形成すると分析した。この影響で、第10.5世代を保有していないパネルメーカーは、第8世代ラインでMMG(Multi Model on a Glass)方式にて65型パネルを生産すると明らかにした。

 

韓国LG Displayは、第8世代TV用OLED生産を維持し、2020年以降から第10.5世代ラインでOLEDを生産すると予想された。

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED製造装置レポート(2017 OLED Manufacturing Equipment Annual Report)』では、2017年から2021年までOLED製造装置市場の占有率について、TFT装置が45%、OLED画素形成装置が17%、封止(Encapsulation)装置とセル装置が各々13%、モバイル装置が12%になると予想されている。今後フレキシブルOLEDに対する需要が大きく増加する見込みで、セル装置とモジュール装置の市場占有率は、全体の25%まで拡大し、一層重要になると予想される。

UBI Research、OLED製造用装置市場レポート発刊

■ 今後5年間、全体OLED装置市場規模は849億米ドルになる見通し

■ 韓国と中国パネルメーカーによる装置への投資規模は全体の90%を占有

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED製造装置アニュアルレポート』は、全体OLED装置市場規模は、2017年から2021年の二年間で、総849億米ドル(約93兆ウォン)になると見通した。2017年にはOLED装置へ164億米ドル(約18兆ウォン)規模の投資を行うという。

OLED装置市場を分析するために、装置を工程別にTFT、OLED、封止(Encapsulation)、セル(Cell)、モジュールの五つに分類した。各工程別の物流装置と検査装置を含む投資費用を計算し、タッチパネル関連装置は市場分析から除外した。

 

UBI Researchチャン・ヒョンジュン先任研究員は、OLED産業をリードしている韓国パネルメーカーによる継続的な投資を中国の後発パネルメーカーによる大規模投資から、韓国と中国がOLED装置市場をリードすると見込んだ。

本レポートで、国家別OLED装置市場は、2017年から2021年まで中国が全体の48%、韓国が全体の42%を占め、この二国がOLED装置市場をリードすると予想される。韓国と中国は2017年と2018年に、328億米ドル(約36兆ウォン)の大規模投資を行うと予想される。

韓国では、Samsung Displayが、自社のギャラクシーシリーズと米国Appleに採用する中小型OLEDラインへの投資を拡大し、LG Displayは、大型OLEDラインと中小型OLEDラインへ同時に投資している。中国では、BOEとCSOTがOLEDラインへ積極的な投資を行うと見込まれており、特にBOEは2017年から中小型OLEDラインへ毎年3万枚以上投資すると予想される。

<左) 国家別OLED装置市場占有率, 右) 工程別OLED装置市場占有率>

2017年から2021年まで工程別OLED装置の市場占有率は、TFT装置が45%、OLED画素形成装置が17%、封止(Encapsulation)装置とセル装置が各々13%、モバイル装置が12%になると見込んだ。今後フレキシブルOLEDに対する需要は大きく増加すると見られており、セル装置とモジュール装置の市場占有率は、全体の25%まで拡大し、一層重要なると予想される。

UBI Research上半期のセミナー、「OLED市場分析と最新技術セミナー」を開催(2017年6月30日、全経連会館)

■ 2017年上半期OLED産業の技術的重要事項と市場を総合的に分析する

■ 上半期の重要事項に基づき、下半期の市場展望と変化ポイントを予測

 

 

UBI Researchは、2017年上半期OLED市場の重要事項まとめ及び2017年下半期のOLED市場展望と変化ポイントを予測する「上半期セミナー:OLED市場分析と最新技術セミナー」を6月30日(金)韓国ソウル市汝矣島にある全経連会館カンファレンスセンターで開催する。

 

「OLED市場分析と最新技術」をテーマに2017年上半期OLED産業での技術的重要事項と市場を総合的に展望・分析する。また、上半期の重要事項を分析し、下半期のOLED市場展望と変化ポイントを予測できる見込みである。

 

今回のセミナーでは、次世代OLED技術として注目されているTADF OLED、Soluble OLED、フレキシブルOLED技術の開発現況と展望について、関連分野の主要専門家を招聘し、集中的に紹介する予定である。OLEDの最新技術を確認し、未来技術がどのように展開するか予め把握する機会となりそうだ。

 

OLED専門調査機関であるUBI Researchイ・チュンフン代表の「2017年上半期OLED産業への投資と量産状況分析を通じた市場実績予測」をテーマとする講演を始めとし、韓国Dongbu Securitiesクォン・ソンリュルチーム長の「ディスプレイの新しパラダイムOLED」、成均管大学イ・ジュンヨプ教授の「TADF OLED発光材料の最新動向」、漢陽大学キム・ジェフン教授の「OLED発光効率を向上するための新しい方法」、釜山大学チン・ソンホ教授の「Development of Highly Efficient Multi-Functional Emitting Materials for Organic Light-Emitting Diode Application」、漢陽大学イ・キヨン教授の「フレキシブルディスプレイ技術開発の動向及び挑戦課題」、OLEDONと檀国大学ファン・チャンフン教授の「Plane Source Evaporation for Very High ppi AMOLED. It is time to challenge」などをテーマに、ディスプレイ産業を成長させるための最新技術と発展方向について発表する予定だ。

 

今回のセミナーは、OLED産業全体、投資観点、経済観点から市場と技術を総合的に展望する見機会で、韓国主要専門家との情報交流や人的交流、ディスプレイ技術の現況と未来を展望する機会にもなると予想される。

Samsung Display、「SID 2017」で画面を自由に伸縮できるディスプレイなど、最先端の製品を公開

韓国Samsung Displayが世界的権威を持つディスプレイ専門学会SID(The Society for Information Display)が主催する「SID 2017」展示会に参加し、最先端の未来型ディスプレイ製品を公開する。

Samsung Displayは、5月23日(現地時間)米ロサンゼルスコンベンションセンターで開幕する今回の展示会で、画面を自由に伸縮できる(Stretchable)ディスプレイをはじめ、眼鏡不要の3D OLEDなど今まで公開したことのない最先端の未来型ディスプレイ製品を展示する。

今回のSID 2017でSamsung Displayは、最先端製品の公開や優秀な論文の発表を通じて独創的なディスプレイ技術のリーダーシップと自信を見せつける戦略だ。

今回公開した9.1型ストレッチャブル(Stretchable)ディスプレイは、画面が弾力的に伸び縮みする次世代ディスプレイ技術で、ウェアラブル、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、車載用ディスプレイに最も適合した未来技術に挙げられる。

<参考:Samsung Display>

従来のフレキシブルOLEDは、画面を曲げたり折り曲げたり、巻物のように巻くなど、一方向にだけ変形が可能だったが、ストレッチャブルOLEDは二方向以上への変形させることができる特徴を持つ。実現の難易度がものすごく高い技術で、業界ではフレキシブルディスプレイ技術の終着点と呼ばれている。

今回、展示された製品は、画面を上から押し下げるとゴム風船を押したように画面がくぼみ、再び本来の平たい形に戻る。逆に、下から押し上げると画面が上に膨らむように大きくなって回復する伸縮性を持っている。

Samsung Displayは、継続的に研究開発を進めた結果、ディスプレイを押し下げた際に最大12㎜の深さまで画面が伸び縮みしながらも、従来の画質を維持する高いレベルのストレッチャブル技術を世界で最初に実現した。また、立体映像に関する未来の技術である‘眼鏡不要の3D OLED’製品を展示する。5.09型の大きさは、見る人の位置(視点)によって違うように見える実物の姿をディスプレイで実現し、もっとリアルな3次元映像を表現する。特に、OLEDの無限大に近いコントラスト比を特徴に、LCD製品より自然な立体映像を提供する。この技術は今後3Dパップアップブック、3Dゲーム、VRなど、3次元映像技術を必要とする様々な分野で活用できると期待される。

今回の展示会でSamsung Displayは、最新OLED技術を体験できるブースを設置する。3.5型の大きさに858ppiで、VR機器に最適化された製品をはじめ、滑らかな画質を実現するために120Hzで駆動する製品、ウェアラブル、タブレット用OLED製品が展示される。また、OLEDの高画質、HDR(High Dynamic Range)、低消費電力技術なども確認できる。 Samsung Displayは、独自のフレキシブルOLED技術によるスマートフォンディスプレイデザインの発展について紹介する‘デザイン革新’コーナーも設置する。

2013年、世界で最初にフレキシブルOLED量産に成功した以来、初めて スマートフォンに搭載した曲面OLEDをはじめ、最近世界的な画質評価機関である米ディスプレイメート(DisplayMate)から最高画レベルの‘Excellent A+’を獲得したフルスクリーンOLEDまで、今までSamsung Displayが築いてきたフレキシブルOLEDの技術力が一目で分かるようになる。

また、超低反射POL(偏光板)を採用し、画面の反射を最小限に抑え、色表現力を100%(DCI-P3基準)達成した高画質の65型フレームレス曲面LCD TV、情報伝達効率を最大化したアスペクト比21:9の34型QHD+(3440X1440)曲面LCDモニター、144Hzの高速駆動が可能な27型FHD(1920X1080)曲面LCDモニターも革新技術を実現した製品として展示される。

今回の学会では、Samsung Displayホン・ジョンホ研究員の「画面を伸縮できるストレッチャブルOLEDディスプレイ」論文がSID 2017優秀論文(Distinguished Paper)に採択された。

Tianma、中国初の第6世代LTPS AMOLED生産ラインで製造したパネルを公開

中国Tianmaは2017年4月20日、中国湖北省武漢市にある中国初の第6世代LTPS AMOLED生産ラインで製造したAMOLEDパネルを点灯させることに成功した。Tianmaの第6世代ラインは、2016年1月から投資が行われた。

<Tianmaの第6世代LTPS AMOLED生産ラインで製造したAMOLEDパネル、参考:mp.weixin.qq.com>

Tianmaは、中国初の第4.5世代AMOLEDパイロットラインを構築し、上海市には第5.5世代AMOLED生産ラインを構築し、中小型AMOLEDディスプレイを量産している。MWC 2016では、スマートフォン用5.5型HDオン・セル(On-Cell)リジッドAMOLEDパネル、5.5型FHD AMOLEDリジッドパネル、5型FHD AMOLEDパネル、5.46型フレキシブルAMOLEDパネルを公開したことがある。

 

今回Tianmaの第6世代LTPS AMOLED生産ラインで製造されたリジッドOLED用とフレキシブルOLED用LTPS AMOLEDは、VR/AR関連機器、ウェアラブルデバイス、折り畳み式機器に採用される見込みになっている。Tianmaは、今回建設した第6世代LTPS AMOLED生産ラインによって、AMOLEDディスプレイ分野におけるリーディングカンパニーとして位置付けを高めると期待している。

<Tianmaの第6世代LTPS AMOLED生産ライン、参考:mp.weixin.qq.com>

UBI Researchが2017年2月に発刊した『2017 OLED Display Annual Report – Samsung Display’s Share in the Smartphone AMOLED Panel Market Will Reach 70% by 2020』では、2016年に、Tianmaは武漢市で第6世代フレキシブルAMOLEDパネルの量産ラインに導入する装置を30,000台発注し、2018年第2四半期には量産を開始すると予想された。

OLEDの未来

UBI Researchが3月8日から9日の二日間開催した第3回OLED Korea ConferenceでUBI Research李・チュンフン代表は『The Future of OLED』をテーマに講演を行った。

 

李代表は、未来のOLEDは「100型 Rollable Wall TV」まで受け入れられるとした。李代表は「人間の目は視野角が広いので、ディスプレイが壁全面に掛けられていても不便ではない。ガラス基板のOLEDは運びにくいので、カーペットのように巻いて運搬できるRollable Displayが最適だ」と述べた。

 

「Rollable Displayを実現するには、プラスチック基板と値下げ可能なプリンティング方式を採用すると良い。ソリューションプロセスを導入したピクセル製造技術とTFT製造技術が未来の主要技術になると予想される」と説明した。Rollable Displayにスピーカーが内蔵され、画面に映る人物の動きと音が一致する完璧なディスプレイが出来上がると見通した。

 

李代表はOLEDが成功すると確信できる根拠は、モバイル市場にあると述べた。

第一に、今後TVに使用される4Kのコンテンツがスマートフォンにも使用され、スマートフォン自体にも4Kの解像度が適用されると言及した。

 

第二に、Appleが今年発売する予定のiPhoneにOLEDが採用が見込まれている。Samsung Displayは5.5型を基準にOLEDを2億個まで生産可能なApple専用のA3製造ラインを構築しており、今後OLEDの世界にApple効果が表れると説明した。

 

第三に、全世界スマートフォン市場の4割を占めている中国の電機メーカーもOLEDを採用したスマートフォンの発売に拍車をかけていると述べた。

 

第四に、フレキシブルOLEDが実現するフルスクリーン搭載のスマートフォンは、ホームボタンを無くし画面を広め、視覚的機能を向上するだけでなく、指紋とパターンを同時に認識するようアップグレードされた認証システムを採用できると説明した。

 

この4つの根拠に基づき未来のモバイル市場ではOLEDが鍵となると見通した。

 

一方、OLEDパネル市場については、2021年には出荷量は約17億となり、売上高は750億米ドル規模にまで成長すると見通した。2021年になると韓国ディスプレイメーカーは全体市場の8割を占め、中国は全体市場の1~1.5割を占めると述べた。また、ディスプレイパネルメーカーはフレキシブルOLEDを中心に投資を行い、2021年にはフレキシブルOLEDが全体OLED市場の7割を占めると付け加えた。

紙のように柔らかく曲がるOLED照明、‘Roll-to-Roll’生産技術開発

<韓国機械研究院先任研究員クォン・シンと‘Roll-to-Roll’OLED生産装置、参考:韓国機械研究院>

韓国政府未来創造科学部傘下の韓国機械研究院(KIMM、院長:朴・チョンホン)は、中小企業GJM(代表李・ムンヨン)と共同で簡単な工程でフレキシブルOLEDを製造する300㎜規模の‘Roll-to-Roll’生産技術を韓国で初めて開発した。

 

KIMMの先端生産装置研究本部の印刷電子研究室は、既存のRoll-to-Roll印刷電子技術をOLED生産工程に適用することに成功した。Roll-to-Roll真空蒸着装置を導入すればロール状のフィルムにOLED発光有機層と金属電極層を順番に蒸着しながら、一つのチャンバーで柔らかいOLEDを

製造できる。同装置で製造するOLEDは1ナノメートルから数百ナノメートル(㎚)の薄い多層の有機・無機薄膜で構成れており、各層は真空熱蒸着工程を経て製造される。

 

今まで柔らかいOLEDディスプレイを製造するには複雑な工程を経なければならなかった。フィルムを張り付けたガラス基板の上面を蒸着することでOLEDを製造した後、そのガラス基板からフィルムを剥がす方式だった。韓国大手企業が発売した画面の一面が曲がっているスマートフォンのディスプレイも同じ方式で製造されている。段階別に多数の蒸着装置が必要になるだけではなく、更に一度張り付けたフィルムを剥がす作業を行わなければならないため、効率が悪かった。

 

今回開発された技術を導入すれば、真空状態のチャンバー内にロール状に巻かれているフィルムを流し、その上に有機層と無機層を連続的に蒸着する‘多層蒸着’工程でOLEDを製造できる。製造に必要な時間と設備が大幅減少し、大手企業や中小企業でもこの柔らかいOLEDが製造できるようになる。

 

この工程を利用し、まずは照明産業へ適用する。生産されたOLED照明は従来のLED照明と異なり、点ではなく面単位で製造することができる。また柔らかい性質を活かして簡単に必要な形に仕上げられる。

 

KIMMクォン・シン先任研究員は「Roll-to-Roll真空蒸着装置の導入で、次世代ディスプレイとして注目されているフレキシブルOLEDを簡単な工程で連続生産できる。今、韓国ではディスプレイ分野の研究開発が停滞しているが、中国が激しいスピードで迫ってきている。このRoll-to-Roll印刷電子技術は、中国との技術力の差をつけ、さらに先にいくための鍵となる主要技術だ」と述べた。

 

また「実際のディスプレイ製品に使われる赤/緑/青の画素を個別に製造できる微細パターンマスク整列する技術を開発している。この技術が完成したら高解像度のディスプレイに導入し、類似技術を開発しているドイツFraunhofer研究所やコニカミノルタとも格差をつけられる」と付け加えた。

 

今回の開発は、KIMMが自体的に実施している技術事業化支援プログラムACEの支援により先行研究を踏まえ、2015年10月からは産業通商資源部の経済協力圏事業の支援を受け、GJMと共同研究開発を進められているGJMはOLED蒸着源に関する主要技術を保有している強小企業で、最近は台湾、日本、中国企業に蒸着元を納品する実績を積み上げ、‘Roll-to-Roll’OLED生産装置の本格的な普及に取り組んでいる。

OLED市場調査の専門機関であるUBI Researchの2014年のレポートによると、2020年OLED照明市場の規模は45億米ドルまで成長すると見込まれている。ディスプレイ市場調査の専門機関 IDTechEXの2015年のレポートでもプラスチックとフレキシブルディスプレイ市場は2020年に160億米ドルまで成長する見通すなど持続的拡大が予想されている。

[CES2017] Media Day:自動車名門とディスプレイ名門の出会い

CES2017の事前行事であるPre-CES2017 Media Eventでクライスラーは、次世代コンセプトカー「ポータル(POTAL)」を紹介するイベントを開催した。

クライスラーが見る未来で、人間が生活する空間は、家庭と職場、自動車の3つの領域に分類され、自動車を「第3の領域(Third Space)と称した。自律走行が可能となる未来の自動車では、運転者が運転をしないので、車の内部でも、自宅や職場でのように様々な活動ができるからである。

「ポータル」の内部デザインは、とてもシンプルにまとめられた。まず、ハンドルは、ダッシュボード(dash board)に収納できるようになっている。インパネ用ディスプレイは、「ハイマウント(high-mount)」タイプで、ダッシュボード上部に設置され、視認性が非常に高くなるように設計した。このディスプレイは、走行情報をはじめとして、外部環境へ接続することができる「コネクティッド(connected)」技術が融合されている。ダッシュボード(dash board) の下部にもディスプレイが設置されている。

未来の自動車時代を開くために準備した「ポータル(POTAL)」の室内前面にあるディスプレイはすべてAMOLEDで構成されている。「ハイマウント(high-mount)」AMOLEDは、フレキシブル(flexible)OLEDであり、下部はガラスで作られた12インチAMOLEDである。この二つのディスプレイは、すべてサムスン・ディスプレイが供給した。

これまで、様々な自動車ショーで紹介されたコンセプトカーに曲面のディスプレイが装着された製品が多く使われたが、フレキシブル(flexible)OLEDを直接使用し展示されたのは今回が初めてだと思われる。

「ポータル(POTAL)」に使われたフレキシブル(flexible)OLEDは、外部から入ってくる光から情報損失を最小限に抑えるために、反射処理が非常に優れていたし、スクリーンをブラックで処理し、視認性も最高の状態であった。

自動車名門とOLED名門が会って、新技術が誕生している。

モバイルディスプレイで世界最高の技術力を持つサムスン・ディスプレイが提供したフレキシブル(flexible)OLEDは、当分の間は、車には使われないだろうと予想される。AppleがiPhoneにフレキシブル(flexible)OLEDを本格的に使用して、サムスン電子も、次期GalaxyS8にはすべてフレキシブル(flexible)OLEDだけで構成する事が予想されることから、現在進行中のフレキシブル(flexible)OLEDラインとしては、スマートフォン市場対応にもキャパシティが不足している。サムスン・ディスプレイは、フレキシブル(flexible)OLED供給不足が2019年まで続くと分析されることから、世界最高の名品インパネは、2020年頃から見ることができるだろうと予測される。

ミラーレス自動車用ディスプレーの可視化、車両用のOLED displayの青信号

昨7日、国土交通部が「自動車および自動車部品の性能と基準に関する規則」の一部の改定案を立法を予告してからサイドミラー(後写鏡)のない「ミラーリス自動車」に対する興味が高まっている。自動車の前・後方と両サイドの前ドアに超小型カメラを装着し、車内にディスプレー画面を通して視野を確保する方式で、機能エラーとデザイン開発の問題があるが、従来のサイドミラーの問題点だった死角地帯の問題が解決され、燃費とデザインの改善できることが期待される。

これによって、ミラーリス(Mirror-less)自動車用ディスプレーが自動車用ディスプレーのマーケットの新たなマーケットの動力として注目されている。自動車用ディスプレーの分野はモバイルやテレビに比べてより多いcustomizationが必要とされ、高付加価値の創出が期待される産業である。これにLGDやSDCのパネル企業がマーケット攻略のための製品を開発中であり、特に両企業ともFlexible OLEDを中心で日本・台湾の企業とは異なる差別化された戦略を展開する方針を立てたことが知らされている。

Flexible OLEDは薄くて軽い特性と曲がる性質で設置面で自由であり、新たなデザインが要求されるミラーリス自動車に有利である。また、LCDに比べて高い明暗費や早い反応速度、広い視野角で高い視認性を実現することができ、自動車ディスプレーに適合だと評価されている。去年の7月1日、自動車部品の供給企業のContinental corporationは自社のホームページを通して2枚のOLEDが適用されたミラーリス自動車の諸長所を紹介し、暗い状況や雨天時でもより良い視野提供ができると述べた。また、Alfred Eckertの未来開発部の総括担当者は『眩しさや弱い光による影響も解決できるはずだ』と言及した。

2枚のOLEDパネルが適用されたミラーリス・コンセプト・カー> (出展: www.continental-corporation.com)

最近サンスン電子からアメリカの自動車電装企業業のHarmanを引き受けて、自動車電装事業を本格的に推進してあり、業界ではサンスン電子のOLEDと半導体などの力量が電装事業の進入に大きなシナジー効果を出すことができると見られている。また、LG Displayは2018年にはOLED displayを基に車両用ディスプレーで全世界のマーケットシェアの30%を確保し、売上を2兆ウォンを達成することが目標だと述べた。

このように電子/ディスプレーの業界で電装産業での事業拡張にOLED displayが核心役割をすると予想され、ディスプレー産業の成長に新たな原動力ができると期待される。

BOE、Flexible OLEDラインに465億元規模の投資決定

10月28日、中国四川省綿陽市のラジオやTVの情報源によると、BOEが第6世代flexible OLED生産ラインに465億元(約7.8兆円)を投資することを決定した。

2016年12月に着工を開始し、2019年からの量産を目標にしており、capaは月48Kの規模である。これは、中小型ハイエンドのスマートフォンに投入される予定である。BOEは、中国成都にも第6世代flexibleの月45K規模の投資を進めている中で、追加的に増設に乗り出したのである。

最近、中国のOLEDへの投資速度が加速している。 BOEだけでなくVisonox、EDOなどの中国panel企業もGen6 flexible AMOLED panel量産ラインの投資決定や増設が進められている。

現在まで投資が決定されたり、進行中であるBOEのGen6 flexible AMOLED panel量産ラインだけをみても、三星ディスプレーのGen6 flexible AMOLED量産ラインであるA3 lineの総capaの約120kの75%規模である。他の中国panel企業の投資が決定され、capaと検討しているcapaを合わせると、三星ディスプレーとLGディスプレーの追加投資を勘案しても、韓国のflexible AMOLED panel量産capaを超える数値である。

このように、中国の積極的なflexible AMOLED panel量産ラインへの投資が進むにつれて、中国のAMOLED panel市場が急速に成長すると予想される。

様々なスタイリングとデザインが可能なOLEDが車載用照明に最適

最近、スマート・カー(smart-car)、コネクティッド・カー(connected-car)など、自動車産業が発展するとともに、各自動車メーカーたちは自社ブランドだけのユニークなデザインと様々な機能を実現するために、LEDとOLEDなど、様々な照明の適用を拡大している。これに対して、韓国光技術院のジュ・ジェヨンセンター長は「自動車用照明は収益性が期待される事業だが、自動車産業の特性上、進入障壁が高く、後発走者として追撃することが容易ではない。最終的には購買欲求を刺激することができるかが重要である」と、現状況について言及した。また、LEDが従来のハロゲンとHIDに比べて、もっと人気を集めることができた理由は、デザインに強みを持ったためだと言いながら、LED照明の成功要因の一つとして「styling possibilities」を挙げた。

そして、「2013年を起点として、自動車用ランプ市場は、外装が内装市場を追い越したし、2014年から2019年まで年平均11.6%の成長をし、2019年には3.1B USBの市場になるだろう。」と予測しながら、特に「外装市場は毎年15%以上成長するだろうし、DRL(Daytime running lamp)とヘッドランプ(Head lamp)成長率が高く、市場をリードしている。」と言った。

また、ジュ・ジェヨンセンター長は「OLEDが市場に進入するためには、LEDを単純に代替することではなく、新しいデザインで購買欲求を刺激しなければならない。」と言及しながら、「トヨタ(Toyota)のfun-VIIコンセプトカー、または、2013年に公開されたクライスラー(Crysler)の照明のように、感性を刺激するユニークなデザインであれば可能性がある。」と言った。

ToyotaのFun-VII コンセプトカー、出典:トヨタ公式ホームページ

Chryslerで公開したfloating island bezel、出典:www.metrododgedeals.com

このように、OLEDは、薄くて軽く、曲げることができる特性を持っていて、自由なデザインが可能であるという長所があり、車載用照明だけでなく、室内照明など次世代の光源として多くの関心を集めている。ユービー産業リサーチで2016年8月に発刊された2016 OLED lighting annual reportによると、OLED照明は環境に優しく、高いエネルギー効率を持つ照明であり、輝度や寿命などの特性が、R&Dレベルでは、LEDと同等の性能を見せていることが知られているので、各車両メーカーたちが要求する輝度だけ満たすことができたら、車載用ディスプレイとして十分な競争力を持つことと思われる。

折りたたむとスマホ、広げるとタブレット… UBIイ・チュンフン代表 「フレキシブル有機EL、新たなデジタルコンバージェンスを開く」

UBIリサーチのイ・チュンフン代表が基調講演をしている。

フレキシブル有機ELが、スマートフォンやタブレットPCを融合させることで、新しい「デジタルコンバージェンス」時代を開く主役になるものと予想される。

8月23日、済州島ICC済州で開催された「インダストリアル・フォーラム」でUBIリサーチのイ・チュンフン代表は基調演説でフレキシブル有機ELがもたらす産業の変化を提示した。

イ・チュンフン代表は、フレキシブル有機ELの多様な応用分野を見つめながらタブレットPCがスマートフォンに吸収されるデジタルコンバージェンスが起こることを強調した。

彼は「フレキシブル有機ELは、画面を完全に折りたためるフォルダブル時代を開く」とし、「折りたたむと5インチ大のスマートフォンになり、開くとタブレットPCになる革新的な製品が現れる」と説明した。

フレキシブル有機ELは、薄く、軽く、割れにくいという特性と、柔軟でスペース効率の長所を前面に出して多様に活用されるであろうというのが、イ・チュンフン代表の説明である。

彼は「フレキシブル有機ELは、自動車のスクリーンおよび照明、フレキシブルサイネージ、フォルダブルゲーム機だけでなく、スマートヘルメットなどウェアラブル製品のスマートファッションに至るまで、幅広い分野に応用されるだろう」と予想した。

一方、イ代表はUBIリサーチの資料を引用して、「2020年には全体のスマートフォンの60%を有機ELスマートフォンが占め、2021年には有機ELのスマートフォンのうち、70%がフレキシブル有機ELを搭載するであろう」と予想した。

スマートフォン用有機EL出荷量、2016年の3億枚から2019年には10億枚を突破

サムスン電子のflexible 有機EL搭載、Smartphone Galaxy Note 7

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

 

グローバルsmartphone用有機ELパネルの出荷量が、2016年史上初めて3億枚を超え、2019年には10億を超えるとの見込みである。

16日、UBIリサーチは2016年のスマートフォン用に該当する4インチ〜6インチの有機ELパネルの世界出荷量が、2015年比で約27%増の3億1,880万枚になるものと予想した。続いて2017年5億530万枚、2018年9億250万枚、2019年には11億7,020万枚を経て、2020年には13億7900万枚に達すると予測した。

UBIリサーチは、特にスマートフォン市場でflexible 有機ELの急成長が全体のスマートフォン有機EL出荷量の急増を主導するものと見込んでいる。

UBIリサーチの調査によると、スマートフォン用有機ELのうち、rigidタイプの出荷量は2016年全体のスマートフォン用有機EL出荷量の78%という圧倒的なシェアを占める見込みである。しかし、2018年にはflexibleが56%を占め、rigidタイプを超えるものと予想される。

さらに2019年にはflexibleが62.3%、2020年には67%まで割合が高くなり、スマートフォン有機EL市場の確かな主流として定着するものと予測される。

一方、別の市場調査会社であるIHSも、2016年スマートフォン用有機ELパネルの出荷量が初めて3億枚を超えると予測した。IHSは、今年のスマートフォン有機EL出荷量は3億6688万枚、2019年6億6366万枚と見ており、UBIリサーチとは多少の差を見せた。