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XR産業メガトレンド

現実世界に拡張現実をオーバーレイするXR(extended reality)機器は、スマートフォンがもたらしたデジタルコンバージェンスを再び更新する第2次デジタルコンバージェンスをもたらすdisruptiveデバイスとして登場している。MR(mixed reality) 機器はテレビとモニター、ノートパソコンをコンバージェンスする製品で、AR(augmented reality) 機器はスマートフォンとスマートウォッチ、タブレットPCを統合するデバイスになるだろう。

UBIリサーチは、来るべき第2次デジタルコンバージェンス時代を迎えるために、セットメーカーとディスプレイメーカー、そして部品/素材/装備メーカーが知っておくべきXR産業の過去と現在を精密分析した「XR産業メガトレンド分析」レポートを発刊した。

1989年から発売され始めたVR機器から2023年上半期まで市場に出たXR機器のすべてのモデルを分析した結果、XR機器はこれまで存在していたウェアラブル機器やモバイル機器、IT機器とは異なる、非常に複雑な産業構造で構成されていることが確認された。

MR機器の特徴は、椅子に座って使用する従来のIT製品とは異なり、動きながら作業ができる製品であり、AR機器は両手を自由にしながら、頭を動かすすべての方向に対しても能動的に最も画面が調整されて情報を提供してくれる製品である。

したがって、セットメーカーをはじめ、ディスプレイメーカーと装備/部品/素材など全ての関連企業が次世代革新製品であるXR機器産業で成功するためには、最優先的にXR機器の構成と動作原理、コンテンツを含む全ての方向性について理解し、事業方向を準備しなければならないと分析された。

XR機器の核心部品にはOpticsとディスプレイ、tracking用センサーがあり、これら3つの部品の特性によって使用されるコンテンツも異なる。従来のIT産業はハードウェアの性能や仕様によって使用されるコンテンツが決定されたが、XR機器は逆にコンテンツによってXR機器の仕様が決定される逆の方向に産業が展開されると予想される。

今年上半期に発売されたXR機器の光学系とディスプレイをまとめてみた。コンテンツの種類によって機器の仕様が決定されるため、光学系とディスプレイの相関関係の理解はXR機器産業の必須要素である。

1989年から発売され始めたすべてのXR機器の光学系とディスプレイ、トラッキング方式を分析した。

ディスプレイの傾向を見ると、LCD使用モデルの数は少しずつ減っている一方、micro-OLEDを採用したXR機器モデルは徐々に割合を増やしている。

透明なウィンドウを持つOST(optical see-through) ARでもmicro-OLEDの使用が最も多く、光学系はwaveguideとbirdbathが一緒に使用されていることが確認された。

ディスプレイメーカーは、自社が開発または生産しようとするディスプレイとどのような光学系の組み合わせが適切かを一緒に理解しなければならない。 これは、XR機器が汎用ではなく、特定の目的にのみ使用される場合が多いからである。光学系のFoV(field of view)アによって選択されるディスプレイが変わる可能性があるからだ。

AR機器の解像度のトレンドを分析した。最近発売されたAR機器では、FHDの1920×1080解像度がメイン仕様として定着しつつある。Micro-OLEDがほとんど使われている。

Micro-LEDは輝度が優れているため、AR機器のメインディスプレイとして注目されているが、0.25インチ程度のパネルサイズでFHD製品が出るには、まだパネルとLED製造技術が確立されておらず、少なくとも5年以上の時間がかかると予想される。

XR機器の特徴は、使用用途によって仕様が異なるため、ソフトウェアに関する綿密な検討が必要であり、2010年からXR用ソフトウェアを発売した178社の472製品を分析した。

国別にソフトウェア企業数を調べた結果、米国の企業数は79社で44.1%を占めていることが確認された。XR用ソフトウェア産業は米国が主導していることは明らかである。

ソフトウェア企業の活動状況を分析するため、2018~2022年の間に製品を発売した企業のジャンル別企業数を調査した。各国のジャンル別企業数を分析した結果、米国はすべてのジャンルに均等に企業が分布していることが確認された。

このレポートは、XR産業に従事しているすべてのサプライチェーン企業と今後XR産業に参入を希望する企業がXR産業の特性を理解し、成功的な事業方向を見つけるための礎となるだろう。

▶ XR産業のメガトレンド分析レポート のサンプルページ

XR業界のメガトレンド分析:XR機器とソフトウェア産業の精密分析

UBIリサーチが「XR産業におけるメガトレンド分析報告書」でウェアラブル機器とIT機器代替を目標に徐々に規模を拡大しているXR機器産業の足跡を注目し、未来市場を展望するために1989年から2023年上半期までに発売されたXR機器モデルと仕様を分析した。 この期間中に発売されたと調査されたXR機器のモデル数は327件であり、企業数は127社である。

XR機器はVRとMRそしてARに分類した。 AR機器はoptical see through(OST)製品だけをARに分類し、カメラを通じて現実世界を見ることができるvideo see-through(VST)方式はMRに分類した。 業者によってMRとVR機器に対する表記方式が混ざっており、固定方式も綿密に調査して機器分類に参照した。

XR機器のトレンドを分析するため、以下の期間別に分類した。

1) 2023年上半期にのみ発売された製品の最新動向

2) 1989年から2022年まで発売された製品分析によるXR機器全体の流れ

3) 現在、製品を発売していないか、会社の買収·合併·廃業などを考慮し、正確な現況分析のための2018~2022年までの5年間の動向

1989~2022年の間に発売されたモデル数を機器別に分析した結果、XR機器産業は2016年から開花し始めたと判断される。 機器モデルは大部分がVR用だったが、2017年に発売されたモデル数が最高点を記録した後、新しいVR機器モデル数は徐々に減少している。 特に、COVID-19が始まった2020年以降、AR機器モデル数がVR機器モデル数を上回っている。 新規発売VR機器モデル数が減少した理由の一つでは、MR機器モデル数の増加も影響を与えている。 この分析を通じて、2021年からはXR機器産業がVRからARとMR産業に転換されていることが確認された。

XR機器産業を国別に競争力も分析している。 最近デバイス産業は各国エコシステムによる変化によって全体供給網が影響を受けており、XRセット産業を主導している国と応用分野を調べた。 2018~2022年の間にXR機器を発売した業者数が最も多い国は中国として25社と確認された。 次点は米国で20社、韓国は9社として3番目に業者が多い。 応用分野別の業者数を調査した結果では、中国業者はVRとMR製品を発売した企業数が最も多いが、AR企業数では米国が1位であることが確認された。 韓国はARとVR製品分野でそれぞれ3位を占めた。

XR機器製品のモデル数を分析した時は、中国が1位であり、2位は米国、3位は台湾と分析された。

2010~2022年の間にXR用ソフトウェア企業と発売された製品、応用分野を分析した。  同期間に発売されたソフトウェア数は472件で、企業数は178社となっている。 XR用ソフトウェア発売数の増加は2016年からで、472個のソフトウェアをXR種類別に分析した時、VR用が311件として比率が66%であり、ARとVR用はそれぞれ81件と80件と集計された。 まだ、VRソフトウェアがXRソフトウェア産業を支配しているものと見られる。

国別にXR種類別ソフトウェアを分析した時、中国ではVR用が177件として最も多い製品を発売したことが分かった。 この結果は、VRソフトウェア産業は中国が主導していることを示している。 ジャンル別に分析した結果、ゲーム用が233件で全体の49%を占めており、産業用が62件として13%、娯楽用が41件として9%を占めた。

ソフトウェア会社数を国別に分析した時には、米国企業が79社として圧倒的な企業数を保有している。 一方、VR用ソフトウェアの発売が最も多い中国は企業数が12社に過ぎなかった。

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Kopin、新しい技術とビジネスモデルで、mobile VRとAR用OLED microdisplay市場に進入

Mobile VRとAR、ウェアラブル(wearable)技術開発企業であるKopinは、現地時間、12月21日、モバイルVR及びARアプリケーションのためのOLED microdisplay市場に進入すると発表した。この会社の最初のOLED microdisplayは、来月に開かれるCES2017で試演される予定である。

Kopinは、ダイレクトビュー製品のサイズや重量、電力の制約無しに高速OLED-on-silicon microdisplayを具現できる新しいシリコンバックプレーン構造を開発したと発表した。このmicrodisplayは、モバイル及びウェアラブルシステムに優れたユーザーエクスペリエンス(user experience)を提供する超高解像度、低電力及び小型フォームファクタが特徴である。

Kopinは、OLED-on-silicon microdisplayは、シリコンバックプレーンとOLED放出レイヤーという二つの核心要素で構成されることを明らかにした。Kopinのビジネスモデルについての独特な点は、設計に対する専門知識は、Kopin内にある反面、二つの製造作業すべてが専用ファウンドリーにアウトソーシングされる最初のフルファブレス(full fab-less) OLED microdisplayビジネスモデルだという点である。Kopinがファブレス(fab-less)に優れた最大の理由は、、VRとAR、MR市場が成長する時、OLED microdisplayに対する需要が大幅に増加するものと見ているし、OLEDファウンドリーに対する資本投資は、負担が大きいので、他の企業の投資を活用することが、市場に備える最善の方法だと見ているからである。

KopinのCEO兼創立者であるDr.John C.C.Fanは、「Kopinは、3千万個以上のAMLCD及びLCOS製品が出荷されたmicrodisplayシステムの最も大きくて成功的な供給者の一つである」と言いながら、「Kopinは、OLED microdisplay及びモジュールを製品ポートフォリオに追加することで、顧客に様々なディスプレイ技術と光学技術を提供し、顧客が様々なデザインを評価して、これを基に目標としたアプリケーションの最適化された製品を作ることが出来るようになった。」と言及した。

最後に、Dr.Fanは「KopinのOLED microdisplayは、仮想と増強、混合現実応用分野の向上される技術をうまく活用できるように特別製作された。」と言いながら、「Kopinは、OLED microdisplay市場の成長で良い機会を捕らえることを目標としている。」と明らかにした。eMaginとSonyなど、競合先の前で、来月に開かれるCES2017でKopinがどのような新しいOLED microdisplay panelを披露するのか成り行きが注目されている。

2016年1月に公開されたKopinの世界で最も小さいsmart glass display、businesswire.com