【iMiD 2017】OLEDON、2250ppiのOLED製造用面蒸発源FMMの蒸着原理を公開

28日に開催された「iMiD 2017」で、韓国檀国大学実験室ベンチャーのOLEDON代表ファン・チャンフン教授は、2250ppiを実現できる面蒸発源FMM蒸着技術について発表した。

 

ファン教授の発表によると、OLEDONが開発した面蒸発源蒸着技術は、従来の有機物蒸着方式とは異なる。面蒸発源FMM蒸着技術は、有機物を金属面に蒸着し、N型有機薄膜を形成することで、面蒸発源を製造した後再蒸発し、基板に有機物薄膜を形成する原理である。この技術を採用すると、有機物は面蒸発による垂直性気体ビームを形成するようになる(特許:1012061620000、韓国)。

 

OLEDONが開発した面蒸発源を用いて有機物を蒸着した場合、Shadow Distanceは0.38um~0.59umである。そのため、4umのパターンサイズを持つ2250ppiの素子を製造できる。

 

ファン教授は「面蒸発源の蒸着技術を採用すると、有機物気体の入射角が減少し、MaskによるShadow現象を画期的に改善することができる。また、面蒸発源は垂直性有機物の気体ビームが入射角をゼロにできるため、理論上ではShadow Distanceを0umにすることができる」と付け加えた。

<OLEDONが開発した面蒸発源蒸着技術の原理>

また、今回の発表において、ファン教授は「面蒸発源蒸着技術は、高解像度用Shadow Maskの製造にも必要だ」と強調した。

 

現在、量産に採用している線形蒸発源FMMの場合、Shadow Maskのオープニング間の距離は80umである。そのため、有機物気体ビームの入射角が大きくなり、高密度パターンを持つShadow Maskを製造しにくい状況にある。

 

ファン教授は「面蒸発源技術を用いると、Shadow Maskのテーピング角度は、80°程度になる。オープニング間の距離を20um未満に縮めることができるため、面蒸発源蒸着技術は、線形蒸発源におけるMaskパターンの密度に関する問題を解決できる」と説明した。

 

OLEDONは、面蒸発源蒸着技術で、完全なるShadow-Freeパターニング条件を目指しており、檀国大学のジン・ビョンドゥ教授チームと共同開発し、11KレベルのマイクロOLED素子を製造できる面蒸発源FMM蒸着措置を校内に設置する計画である(参照:OLEDONの公式ウェブサイトwww.oledon.co.kr)。

<面蒸発源FMM蒸着技術を採用した場合、Shadow Maskのオープニングの密度変化>

OLEDONは、量産用面蒸発源FMM蒸着装置に関する13件の特許を保有している。最新の研究結果に基づいた量産装置に関する特許は、韓国出願が7件、PCT国際出願が3件である。