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今後の進化が期待されるOLEDoS

解説 :占部哲夫( UBI Research )
聞き手:服部 寿( 分析工房 )
UBIリサーチ:https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ

内容
・ OLEDoSとその応用、アップルやSonyでの実用化
・ SonyのOLEDoSの構造、白色発光層、カラーフィルター、マイクロレンズ
・ 蒸着マスクの微細化開発、eMagin、APS
・ QD 層の厚さとBlue 光吸収係数
・AMATのリソグラフィーによる画素形成技術
・リソグラフィーによる画素形成技術のFMMの比較
・半導体エネルギー研究所の試作例、高輝度
 ・ 参入企業、中国と韓国企業の参入
・レポートの紹介

LGディスプレイ、「OLEDoSが適用されたVR用試作品はすでに開発済み」

OLED SchoolでOLEDoSについて発表するLGディスプレイのユ·チュングン首席研究委員

OLED SchoolでOLEDoSについて発表するLGディスプレイのユ·チュングン首席研究委員

2月9日から10日まで淑明女子大学(SOOKMYUNG WOMEN’S UNIVERSITY)で行われた第19回OLED SchoolでLGディスプレイのユ·チュングン首席研究委員は「OLEDoSを利用したVR用セットを開発しており、試作品の一部は開発がすでに完了した」と発表した。

この日、ユ研究委員は「OLEDディスプレイの未来、メタバスとディスプレイ」について発表を行った。 ユ研究委員はメタバスとVR/ARなどmicroディスプレイに要求される仕様と技術を説明し、「一般的なVR機器では10,000nits以上、AR機器では100,000nits以上の輝度が要求されるが、これをOLEDoSに適用することは容易ではない。 現在、LGディスプレイが開発したAR用ディスプレイは輝度7,000nits以上、解像度3,500ppiを達成した」と発表した。

LGディスプレイOLEDoS製作過程

LGディスプレイOLEDoS製作過程

LGディスプレイが開発している3,500ppi以上のOLEDoSは超高精細パターンが要求され、Si-waferバックプレーンとWOLED+CoE技術を適用しなければならないため、半導体ファウンダリー企業との協力が必須だ。 ユ研究委員は「高解像度OLEDoSのためには半導体ファウンダリー業者側でウェハーを通じてディスプレイバックプレーンを作るしかない状況だ」と説明した。

ユ研究委員は最後に「OLEDoSを利用したVR用セットを開発しており、近いうちに発売される計画だ。 AppleとGoogle、Metaなど主要IT企業向けに製品を開発しており、試作品の一部はすでに開発が完了している」と言及した。 続けて「輝度10,000nits以上など消費者の要求を充足させる製品を供給するには時間がさらに必要だが、現在開発が完了した3,500ppi級OLEDoSでもより良いVR機器生産が可能だ」と話し、続いた実際の製品供給時期が9月前なのかという質問には「まだ計画された事項はない」と答えた。

▶ AMOLED Manufacturing Process Report Ver.5 のサンプルページ

Micro OLED動向と展望

VR機器は2016年から台頭し、今後の未来IT事業では重要な要素になると見たが、使用された用途は非常に少なかった。 サムスンでは2017IFA VR experiment zoneでゲーム、4D形態で体で感じられる映画用として披露され、その他CES2016年にインテルでは教育用、美術用など創作活動ができるようにするアプリケーションを展示した。

VRの特徴としては没入感、臨場感に優れ、1インチ程度のディスプレイが60インチのように見えることができる。 情報を提供するディスプレイはマイクロディスプレイを使用するが、LCoS(liquid crystal on Silicon)は応答速度が遅く、色味が落ちてContrast Ratio低いため、傾向がOLEDoS(OLED on silicon)に変わっている。 ソニーはマイクロOLEDを製造しており、パナソニックは米Kopinと協力してVRを作っている。

最近VR機器はモニターに代わるための準備をしている。 高解像度に作ることになれば、それぞれVRモニター画面に10個程度の画面を表示することができ、今後は事務室にモニターが消えVR機器を使用して同時に複数の画面を表示することができる。 今後はモニター市場がVR市場に変化し、IT市場でVRは最高のダークホースに浮上する可能性がある。 VRはテレビに取って代わることもできる。 立体感がはるかに優れたヘッドスピーカーが必須だ。 映画館でも変化があり得る。 映画館でVR機器を使って臨場感の高い60インチ画面を提供し、没入感のある映画を見ることができ、映画産業にも重要な要素になりうる。

Micro OLED構成はシリコンウエハーの上にTFTを設計し、その上にOLEDが形成され、OLEDはLGDのWOLED方式を使用している。 RGB方式は、詳細なファインメタルマスクが必要だが、APシステムではレーザーを利用した2,000ppi以上可能なマスクを準備している。 WOLEDはcolor filterを使用するため、10%程度のロスが生じ、輝度面ではRGBがより有利だが、商用化をするためには解像度をはるかに高めることができ、すでに長い間開発されてきたW-OLEDが適用されると見ている。 応用分野としては軍事用、医療用、産業用、ビューファインダー、スマートグラスなど多様な用途のディスプレイになるだろう。

最近アップルはLGディスプレイとサムスンディスプレイにMicro OLEDの準備を要請し、LGディスプレイでは6月に船益システム蒸着機を発注して素早く動いている。

サムスン電子からもVRに対する要請があることが把握され、2025年にはLGディスプレイとサムスンディスプレイは多くの種類のMicro OLEDを生産できると見られる。 24年ごろにはアップルのVR機器を見ることができるものと予想される。

関連レポート: 2022年 マイクロディスプレイ技術レポート