投稿

小型OLED の市場動向:Market Track

解説 :占部哲夫( UBI Research )
聞き手:服部 寿( 分析工房 )
UBIリサーチ:https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ

内容
・小型 OLED の応用商品
・小型OLED 四半期毎の出荷数・売上推移
・2023 3Q の各メーカーの出荷数と売上
・Samsung Display の四半期毎出荷数・売上推移
・Samsung Display 製品別四半期毎出荷数・売上推移
・LG Display の四半期毎出荷数・売上推移
・LG Display 製品別四半期毎出荷数・売上推移
・BOE の四半期毎出荷数・売上推移
・BOE 製品別四半期毎出荷数・売上推移
・2023 3Q 応用商品別 OLED 出荷数・売上比率
・Foldable OLED の四半期毎出荷数・売上推移
・Rigid, Flexible, Foldable の四半期毎出荷数・売上推移
・今後の予測:製品別出荷数・売上
・今後の予測:国別出荷数・売上
・UBI Research が発刊する Market Track

今年第2四半期の部品素材35.5億ドル、前四半期比7.9%下落

UBIリサーチが四半期別発刊する「3Q22 OLED Components & Material Market Track」によると、2022年第2四半期の主要部品素材市場は35.5億ドルと集計された。これは前四半期対比7.9%下落し、前年同期対比8.9%上昇した。前四半期対比第2四半期部品素材の市場が縮小した主な理由としては、サムスンディスプレイとBOE、LGディスプレイのFlexible OLEDパネル出荷量が減少したためだ。

2022年第2四半期のサムスンディスプレイとBOE、LGディスプレイのFlexible OLED出荷量はそれぞれ4350万台と1410万台、570万台と分析された。これは前四半期対比それぞれ17.3%と29.9%、40.6%下落した数値だ。 DriverIC & COFは2022年第2四半期に17.7億ドルの市場を、工程用フィルムは6,320万ドルの市場をOCAは5,240万ドルの市場を形成したと分析された。

2022年第2四半期OLED部品素材市場

2022年第2四半期OLED部品素材市場

OLEDの主要部品素材市場を国家別(韓国、中国)に区分し、今後2026年までの予想市場を100%基準の累積グラフで示した。

OLED部品の主要市場

OLED部品の主要市場

中国パネルメーカー各社らの部品素材の購買額は2022年61.1億ドルで年平均2.5%増加して2026年には67.6億ドルに達すると見込まれ、韓国パネルメーカーらは2022年90.9億ドルで年平均2.1%の成長率で2026年には98.8億ドル規模で素材を購買するものと予想される。

部品素材の購買額基準で今後5年間、パネルメーカー別シェアは、サムスンディスプレイが40%を占めるものと予想され、LGディスプレイとBOEがそれぞれ20%と17%のシェアを占めるだろうと予測した。中国パネルメーカーの中ではBOEとVisionox、TCL CSOT、Tianmaの順で材料購買額が高くなると見込まれる。

“3Q22 OLED Components & Material Market Track”はOLEDの主要部品素材会社20ヵ所を選定し、市場調査した。Substrate、TFT、Encapsulation、Touch sensor、Polarizer、Adhesive、Cover window、Module 8つに区分して四半期別の市場を調査し、会社別、Application別(TV、Mobile)でmarket shareを分析した。また今後2026年までの部品素材星の供給量と市場を予測した。マーケットトラック期の報告書はOLED産業をリーダーする業界関係者に必要な情報を提供してあげている。

関連レポート:OLED マーケットトラック

2022年中大型OLEDディスプレイ出荷量、2630万台展望

UBIリサーチが四半期別発刊する「3Q22 Medium & Large OLED Display Market Track」によると、2022年第2四半期の中大型OLEDディスプレイ市場は16.7億ドルと集計された。中大型OLEDディスプレイは10インチ以上のディスプレイを意味する。

2022年第2四半期の中大型OLEDディスプレイ市場は前期比22.9%上昇し、前年同期比11.2%上昇した。中大型OLED出荷量の増加幅が最も大きいのはノート型パソコン用OLEDだ。第1四半期の出荷量は114万台だったが、第2四半期の出荷量は218万台で、前四半期の約2倍の水準だ。

中大型OLEDディスプレイ市場(2022年第2四半期)

中大型OLEDディスプレイ市場(2022年第2四半期)

ウクライナの戦争が持続的に延長され、欧州を中心にプレミアムテレビ市場が大きな打撃を受けている。 2022年のテレビ用OLEDパネルの予想出荷量は、前四半期は920万個だったが、修正された出荷量は910万個だ。第2四半期のOLEDテレビの出荷量は196万台で、第1四半期の171万台から25万台増えた。このうちWRG BOLEDパネル出荷量は171万台、QD-OLEDテレビパネルは25万台だ。

サムスン電子が来年QD-OLEDテレビ販売量を100万台に拡大する計画であるだけに、2023年にはテレビ用OLED出荷量が1200万台に拡大するものと予想される。 LGディスプレイは収益性が悪化しているLCDパネル事業を漸進的に減らし、OLED生産量を増やすためにP7、P8ラインをOLEDラインに転換するものと見られる。

中大型OLEDディスプレイを応用製品別(TV、Tablet、Notebook、Monitor、Automotive)に分け、2027年までの予想出荷量を100%基準の累積グラフで示した。

中大型OLEDディスプレイ出荷量および展望

中大型OLEDディスプレイ出荷量および展望

2022年の中大型OLEDディスプレイ出荷量は2630万台と予想され、5年後の2027年には8420万台に増えるものと推測される。 アップルでiPadが2024年に発売されるものと予想されることから、2024年以降、Tablet出荷量が急激に増加するものと予想した。

「3Q22 Medium & Large OLED Display Market Track」は10インチ以上の中大型OLEDDisplayに対するOLED生産キャパ現況、主要パネル業者別Automotive、Note PC、Monitor、TVなど主要製品群に対する四半期別出荷量と売上実績を調査した。 アプリケーションごとのASPやOLED需要/供給分析など、今後5年以降の2027年までの市場展望値分析資料も提供する。

関連レポート:OLED マーケットトラック

2022年小型OLEDディスプレイ出荷量、7億2480万台展望

UBIリサーチが四半期別発刊する「3Q22 Small OLED Display Market Track」によると、2022年第2四半期の小型OLEDディスプレイ市場は78.7億ドルと集計された。

2022年第2四半期の小型OLEDディスプレイ市場は前期比16%減少し、前年同期比9.7%上昇した。世界最大市場である中国市場は、新型コロナウイルス感染症の余波で上海と一部地域が封鎖され、スマートフォンなどモバイル機器が萎縮した。

これに伴い、小型OLEDパネル出荷量は第1四半期1億5000万台から第2四半期では2000万台減った1億3000万台と集計された。 第2四半期のフォルダブルOLEDパネル出荷量は312万台で、第1四半期より12万台増えたが、市場規模は期待に及ばなかった。

2022年第2四半期小型OLED市場

2022年第2四半期小型OLED市場

最近、中国の一部パネル業者がスマートフォン用OLEDパネル価格を30ドル以下に出しており、リジッドOLED市場が急激に萎縮する見通しだ。

今年のFoldable OLEDの予想出荷量は1640万台で、昨年1,030万台から610万台に増える見通しだ。フォルダブルフォンはサムスン電子のギャラクシーノートに代わるものと予想されるが、追加需要は発生していない。 また、中国パネル企業のFoldable OLED用UTG購買困難は、中国スマートフォン企業のフォルダブルフォン生産に影響を及ぼしており、フォルダブルOLED市場の成長速度が速くないものとみられる。2027年、フォルダブルフォンOLED出荷量は4200万台に大きく修正された。

小型OLEDディスプレイを応用製品別(Watch, Smart phone, Foldable phone)に分け、2027年までの予想出荷量を100%ベースの累積グラフで示した。

2022年第2四半期の小型OLED出荷量および展望

2022年第2四半期の小型OLED出荷量および展望

2022年小型OLEDディスプレイパネルの総出荷量は7億2480万台と予想され、5年後の2027年には9億3780万台を記録するものと推測される。2022年応用製品別フォルダブルフォンが占める割合は2.3%であり、2027年には4.5%まで増加するものと展望される。

「3Q22 Small OLED Display Market Track」は10インチ以下の小型OLED Displayに対するOLED生産キャパ現況を分析し、主要パネル業者別、国別、世代別、基板別、TFT技術別、応用製品別(Watch、Smartphone、Foldablephone)など主要製品群に対する細部的な四半期別売上高と出荷量を調査した。アプリケーション別ASPとOLED需要/供給を分析し、今後5年以降2027年までに小型OLED Displayの市場展望分析資料を提供する。

関連レポート:OLED マーケットトラック

1Q22OLED発光材料市場4.2億ドル、前年同期比9%上昇

UBIリサーチが毎四半期に発刊している「2Q22 OLED Emitting Material MarketTrack」によると、2022年第1四半期のOLED発光材料の売上額は4.2億ドルと集計された。

2022年第1四半期OLED発光材料市場は前四半期5.3億ドルに対比21.1%(QoQ)減少し、前年同期対比3.9億ドルと比較すると9%(YoY)上昇した。

前四半期に比べてテレビとモバイル機器用の発光材料売上高は減少したが、IT用は660万ドルを記録した。 売上高は応用製品の季節的な需要によって増減があったが、発光材料の売上高を応用製品別に分析してみるとテレビ用の材料が次第に増加している。

2022年第1四半期の発光材料売上高1~3位の企業はUDC(0.86億ドル)、DuPont(0.41億ドル)、Duksan(0.37億ドル)の順だ。

Duksanは韓国企業として売上高1位の企業となった。 第1四半期の売上高は前四半期に比べて減少したが、UDCはむしろ売上高が増加し、Dopantの製造の核心材料である希土類金属の価格上昇によるものと推定される。

2022年発光材料予の想売上額は17億7百万ドルであり、2026年には24億ドルの規模に成長すると展望される。 応用製品別に見れば、今年のスマートフォン用発光材料の予想売上高は14億ドルで79%を占める。 2026年の予想売上高のうち、テレビ用発光材料は5.5億ドルであり、23%増加するとみられ、またIT用発光材料は2.1億ドルで9%になると予想される

「OLED Emitting Material Market Track」は毎四半期にOLED 発光材料の市場を調査/分析している。 発光層と共通層別の売上高を調査して発光材料の全体市場を把握し、国別・パネル業者別・応用製品別・layer別・OLED Method(RGB、WRGB、QD-OLED)別に分けて実績を分析した。 また、今後5年間、メーカー別発光材料の使用量と売上高を予測し、2026年までのOLEDマーケット情報を展望した。 UBIリサーチのMarketTrackはOLED産業をリーダーする業界従事者に必要な情報を提供する。

『AMOLED Display Market Track』発刊 – 市場実績(Market Performance)、市場展望(Market Forecast)、平均販売価格(ASP)、供給および需要分析

UBI Researchが2018年2月に発刊した『AMOLED Display Market Track』の市場実績(Market Performance)データによると、2017年全体AMOLEDの出荷量は4億4,000万台、売上高は271億米ドルで、前年比それぞれ13.6%、62.3%増と集計された。

 

2017年スマートフォン用AMOLEDが占める出荷量の割合は、AMOLED市場全体の95.1%と示され、売上高の割合は89.7%を記録した。フレキシブルAMOLEDの出荷量は2017年に前年比約2.1倍増加となった1億4,000万台に達し、2018年には2億3,000万台で全体の46%まで増加するという分析だ。

 

2017年TV用AMOLEDの出荷量は前年比約1.8倍増加した172万台を記録し、LG Displayによる中国の第8世代工場が2019年下半期から稼働を開始すると予想され、TV用AMOLED市場は成長を続ける見込みだ。

<AMOLED市場全体の展望>

2018年以降はAMOLED市場に大きな変化が生じると見込まれる。

 

供給面においては、スマートフォン用AMOLEDパネルサイズの増加加速化とSamsung DisplayリジッドAMOLEDラインの車載用・Foldable用への転換により、世界のディスプレイメーカーにおける生産能力に比べ出荷量が減少すると予想される。

 

需要面においても、スマートフォン用AMOLEDパネルに対する需要の増加幅が減少する見込みだ。2018年には低価格フルスクリーンLCDの登場とフレキシブルAMOLEDパネルの価格上昇によって、フレキシブルAMOLEDパネルに対する中国セットメーカーからの需要が減少するという。

 

『AMOLED Display Market Track』の市場展望(Market Forecast)データによると、AMOLED市場全体における出荷量は2022年まで年平均17%で成長し約9億5,000万台になり、売上高は2022年まで年平均22%で成長し、市場規模は805億米ドルに達する。

<中小型AMOLEDの需要および供給分析>

UBI Researchイ・チュンフン代表は「2021年まで20%台の供給過剰が予想されるが、それ以降は中国パネルメーカーがフレキシブルAMOLED市場に参入することでパネルの価格が落ち、2022年には11%の供給過剰に収まる」と述べた。

 

一方、2018年2月に発刊された『AMOLED Display Market Track』では、AMOLED市場の実績と展望につき、四半期・年度・アプリケーションごとに詳しく説明しており、平均販売価格(ASP)と需要および供給分析(Supply and Demand analysis)など、様々な側面から分析したデータとグラフをエクセルファイルにて提供している。

UBI Research、2017年OLED産業指標を分析した「2018 OLEDパネル産業レポート」発刊

UBI Researchは2017年一年間のOLED産業指標を分析した「2018 OLEDパネル産業レポート」を先日12日に発刊した。

 

本レポートはリジッドからフレキシブル、ソリューションプロセスまでOLED全般において、パネルメーカーの開発動向、重要事項、採用製品の現況、市場など様々な観点から分析を行い、今後ディスプレイ市場の注力となるOLED産業を展望する上で有用な情報になると考えられる。

 

また、2017年におけるOLED採用製品の現況をスマートフォンとTVなど様々なアプリケーションに分類し、その発売動向と関連重要事項について確認することもできる。

 

最近のトレンドとして注目されているフルスクリーンスマートフォンにはフレキシブルOLEDのみを採用可能で、COG(Chip on Glass)方法を用いるリジッドOLEDの場合、上下部にモジュール空間を確保しなければならないため、採用することが困難であると説明した。それによって、パネルメーカーは減少傾向にあるリジッドOLEDの需要と付加価値を向上させるために、現在の形状(長方形)ではなく、ノッチ形状のフルスクリーンを実現すると予想した。

 

UBI Researchによると、2018年にはリジッドOLEDが2億7,000万個、フレキシブルOLEDが2億3,000万個出荷され、それぞれの売上高は125億米ドル、239億米ドルになる見込みである。第8世代以上でマザーガラスを分割せずにRGB構造の大面積OLEDパネルを製造できるソリューションプロセスは、2019年から本格的に量産を開始し、2019年に20万個、2022年に920万個のソリューションプロセスOLEDを出荷すると分析した。

<フレキシブルOLEDの出荷量展望>

AMOLED Display Market track – Investment & MP Line Status発刊

UBI Researchが発刊した『AMOLED Display Market Track』の投資動向データによると、世界におけるAMOLEDの生産可能面積は2018年から2020年まで年平均48%で成長する。

 

装置の生産能力によるガラス面積を分析したところ、2017年にAMOLEDの生産可能面積は1,300万㎡であったが、2020年には約3倍以上増加した4,000万㎡に達すると予想される。

 

大面積AMOLEDの生産可能面積は、2017年の400万㎡から2020年に840万㎡となり約2倍に増加し、中小型AMOLEDの生産可能面積は同期間で910万㎡から3,200万㎡へ約3.5倍に増加する見込みだ。

 

2018年から2020年まで各メーカーによるAMOLED全体の生産可能面積は、LG Displayが690万㎡の増加で最も大きな成長を見せるようになり、次にSamsung Displayが580万㎡、BOEが440万㎡増加すると考えられる。

 

また、中小型AMOLEDの生産可能面積のみを比較すると、Samsung Displayが580万㎡の増加で、最も多く投資されると見込まれ、次にBOEが400万㎡、LG Displayが290万㎡増加すると見られる。

<各メーカーによる中小型AMOLEDの生産可能面積>

UBI Researchイ・チュンフン代表はLG Displayによる中国大面積AMOLED量産ラインへの投資で、2020年にAMOLED全体の生産可能面積においては、LG DisplayがBOEより2倍以上高い。しかし中小型AMOLEDの生産可能面積においては、2019年からLG DisplayがBOEに先を越される見込みだ。

 

AMOLED Display Market Trackは投資データ(Investment data)、市場実績(Market performance)、市場展望(Market forecast)、平均販売価格(ASP)、コスト分析(Cost analysis)、競争力分析(Competitiveness analysis)などで構成されている。今回発刊した投資データには、各メーカーにおける投資ヒストリーと現況、3年後の投資展望について、生産ラインごとに詳しく解説されており、様々な観点から分析したデータとグラフをエクセルファイルで提供する。