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JOLED、2020年に中型印刷方式有機ELディスプレイの量産を開始

JOLEDが2020年に車載やモニターに採用できる中型サイズの印刷方式有機ELディスプレイの量産を開始すると伝えた。

先日6月26日にJapan Displayの子会社、JOLEDは7月1日から石川県能美市に「JOLED能美事業所」を開設し、2020年の稼働開始を目指すことを明らかにした。

JOLED能美事業所は、Japan Displayの能美工場に設立し、既存設備を最大限活用するほか、印刷方式有機ELディスプレイの量産に向けた追加設備や新しい製造棟などを導入する計画だ。施設規模は地上5階建て、敷地面積約10万㎡となり、基板サイズG5.5(1300×1500mm)、ガラス基板を基準に月産約2万枚の生産能力を備える予定である。

<JOLED能美事業所、参考:j-oled.com>

注力製品は、車載向けやハイエンドモニター向け中型サイズ(10~32型)の印刷方式有機ELディスプレイになるとみられる。先日3月にUBI Researchが開催した「2018 OLED Korea conference」で、JOLEDチーフテクノロジスト荒井俊明氏は、印刷方式有機ELディスプレイで中型OLED市場を攻略するという意思を示したことがある。

<2018 OLED Korea conferenceで発表したJOLEDの開発ロードマップ>

 

自動車用ディスプレイ、OLEDの新たな収益源となることが期待

最近、グローバル自動車用ディスプレイ市場は、毎年、約10%台の安定的な成長を続けており、これにより、LGディスプレイとサムスンディスプレイが新しいアプリケーションとして注目し投資を惜しまない。これに対して、ヤン・ソンジンLG経済研究院の責任研究員は、企業たちの自動車用ディスプレイへの進入理由は、新たな収益創出効果が期待されるためだと明らかにした。

ヤン・ソンジン責任研究員は、「自動車用ディスプレイ市場は、ディスプレイ全体市場の10%の規模で、自動車全体のコストの2%水準であるが、スマート・カー(smart-car)とコネクティッド・カー(connected-car)の開発など、自動車産業は着実に発展している。これに対し、ディスプレイ市場はますます萎縮しているし、パネル価格もだんだん下落しているため、生存に直結する問題となっている実情である。」と言った。これに対する代案の一つとして、自動車用ディスプレイ市場を言及しながら、「参加企業が少なく徹底的にカスタマイズすることが必要な自動車用ディスプレイパネルの平均価格がモバイルフォーンやタブレットPC に比べて2〜3倍高いためである。」と、その理由を明らかにした。

自動車用ディスプレイ市場は、台湾の2015年売上高の基準でInnoluxとAUO、CPT、日本のJapan display、Sharpが市場全体の約70%を掌握しており、国内では唯一のLGディスプレイが10%のシェアを記録したし、後発走者であるサムスンディスプレイは順位圏進入に失敗した。しかし、LGディスプレイは、自動車用ディスプレイを育成事業の一つとして指定しフレキシブルPOLEDを持って市場に進入するという計画を明らかにしたし、サムスンディスプレイも中小型OLED技術力を基に、自動車用ディスプレイの差別化戦略を展開する方針を立てたので、シェアもますます上昇する見込みである。

LGディスプレイFlexible Automotive Display、SID2015

現在、沈滞しつつあるディスプレイ市場で高収益を得るためには、結局、自動車用ディスプレイ市場にも集中しなければならないと思われるし、OLEDパネルが自動車用ディスプレイの厳しい要求条件を満たすことができたら、モバイルとタブレットPC市場を越えて新たな収益源をつくる機会になるものと予想される。

ジャパンディスプレイ(JDI)、中国内の中小型LCDモジュール工場を売却… 1615万ドルで処分

Source = Japan Display

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

 

日本のジャパンディスプレイ(JDI)が中国南部にある中小型LCDモジュール工場を中国のパネルメーカーである江西ホールテック(Jiangxi Holitech)に売却する予定であると、日本のマスコミが報じた。売却金額は米ドル1615万ドルである。

この工場は、台湾のLCDモジュールメーカーであるスターワールドテクノロジー(Star World Technology)の子会社であるモーニングスターオプトロニクス珠海(Morningstar Optronics Zhuhai、MOZ)に所属している工場である。台湾ディスプレイがスターワールドテクノロジーの主要株主であり、JDIが台湾ディスプレイの全体を所有している。

MOZ工場の売却を通じて台湾ディスプレイは、スターワールドテクノロジーの100%の持分を所有することになる。

JDIは三つのLCDモジュールの生産子会社を持っていた。蘇州にあるJDIデバイス、JDIエレクトロニクスと深圳にある深圳JDIである。中国のスマートフォンメーカーのためのタッチパネルの供給のためである。

日本のメディアによると、JDIは、この三つの子会社を処分することに対する詳細な計画を来る7月末までに決定する予定である。