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【iMiD 2017】次世代高解像度OLEDを実現するためのソリューション多数公開

先日18日から19日までの二日間、韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催された「IMID 2017」では、高解像度OLEDを実現するための様々なソリューションが公開された。現在実用化されている中小型OLEDの解像度がQHD程度に留まっていることから、今回公開されたソリューションはディスプレイ関係者らから大きな注目を集めた。

 

まず、面蒸発源FMM蒸着技術を開発している韓国OLEDONのファン・チャンフン代表は、Business Forumで「2,250ppiの超高解像度OLEDを製造するための唯一の解答は、現在開発中の面蒸発FMM蒸着技術だ」と発表した。ファン代表は「a-stepでShadow Distanceを測定したところ、0.38umという数値が出た。このようなShadow Distanceを持って初めて2,250ppiのOLED素子が製造できる。現在Shadow-Freeの工程条件を探っている」と述べた。

<点蒸発源と面蒸発源におけるShadow Distanceの差>

また、ファン代表は「ホスト材料とドーパント材料を金属面に同時蒸着(Co-Deposition)した後、蒸着された緑色のN型有機薄膜を再蒸発させることで、同一のPL波長を持つ薄膜を製造することができた。面蒸発源で製造した薄膜のカラー制御は、N型有機薄膜のドーパント分子の量によって変わるため、色の調整が簡単に行えると予想する」と明らかにした。

<OLEDONによる面蒸発源の同時蒸着資料>

最近、USPL(Ultra-Short Pulse Laser)方式を採用し、1,000ppiのFMMの開発に成功したことを発表した韓国AP Systemsは、今回825ppiの5.28型FMMと677ppiの4.72型FMMを展示した。関係者は「Burr-free Laser Processを開発し、製造工程で発生する熱によるバリ(Burr)の問題を解決し、このような方式で、1170ppiのFMMのみならず、様々な形状のFMMも製造できる」と述べた。

<AP Systemsによる825ppiの5.28型FMM>

最後に、韓国Philopticsは電気鋳造(Electro Forming)で製造したFMMを公開し、今回特に注目された1,200ppiのFMMは、VIPルームに展示された。関係者は「現在1,200ppiのFMMの製造するために、工程を安定化させることができた。来年の上半期にはパネルメーカーにサンプルを納品する予定で、今後2,000ppi相当のFMMを開発することを目指している」と語った。

<電気鋳造方式で製造されたPhilopticsのFMM>

今回iMiD 2017では、OLED画素を高解像度でパターニングするためのソリューションが公開された。最近は、仮想現実のコンテンツなど、高解像度OLEDが必要なコンテンツが増加することで、スマートフォン利用者の関心が徐々に高まっている。どのソリューションによって中小型UHD OLEDの時代が開花されるかに注目が集まる。

有機EL、TV・モバイルを超え、VR・自動車も新世界…UBIリサーチ「16th IMIDインダストリアル・フォーラム」開催

UBI ResearchがKIDSとともに「16thインダストリアル・フォーラムIMID」を開催する。

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

テレビとスマートフォン市場に活力を吹き入れ、次世代ディスプレイとして脚光を浴びてきた有機ELが、VR/AR、自動車、照明など、様々な産業として伸びていき、限りない潜在力を見せている。

有機ELがもたらす新世界がテレビとモバイルを超え、どのような産業でどのように具現されるのか、業界の専門家はどのような対応が必要なのか、インサイトを提供する情報共有の場が開かれる。

UBIリサーチは、韓国情報ディスプレイ学会(KIDS)とともに、8月23日から24日まで済州島にある済州ICCで「16th IMIDインダストリアル・フォーラム」を開催する。

今回のフォーラムでは、著名な業界人を講師として迎え、様々な産業での有機ELの潜在力と展望についての情報を伝達する予定である。

サムスン電子のAR/VR研究をリードしているキム・トギュン副社長は、「VR/ARを通じる今後のディスプレイ産業での成長(仮題)」というタイトルで語る。この席でキム副社長は、VR/AR産業の成長がディスプレイ市場にもたらす機会をうかがう予定である。

LGディスプレイのオートモーティブ セールス&マーケティング部門のアン・サンヒョン部長は、「自動車ディスプレイのプラスチック有機ELの展望とアプリケーション」というタイトルの講演を通じて、有機ELの新しい市場で脚光を浴びる自動車ディスプレイ市場の動向と展望を共有する。

また、ソニー、e-ink、オーロラライティングデザイン、アルプス電気など、さまざまなメーカーの著名な講師が有機EL市場の限りない機会へのインサイトを伝える予定である。

このフォーラムを開催するUBIリサーチのイ・チュンフン代表も、有機ELのために変化する市場で新たな機会をつかむための有用な指針を伝える。

今回の「16th IMIDインダストリアル・フォーラム」の詳細については、UBIリサーチのホームページで知ることができる。