サムスンディスプレイの自動車用OLED出荷量が急増、tablet PC用パネルの出荷が減少するも売り上げは堅調
サムスンディスプレイの第3四半期の中・大型OLED向け出荷量と売上高が第2四半期と同程度で推移した。iPad Pro OLEDの販売不振により、tablet PC用OLEDの出荷量が減少したが、他のアプリケーションで出荷量が増加し、売上高はほぼ同水準を維持した。サムスンディスプレイは中・大型OLEDでtablet PCだけでなく、notebookやモニター、自動車用OLEDまで様々な用途向けの製品を供給している。
最近発刊されたUBIリサーチの「4Q24 Medium & Large OLED Display Market Track」によると、第2四半期にiPad Pro OLEDのパネルが本格的に量産され始めたことで、サムスンディスプレイとLGディスプレイの中・大型OLEDパネルの出荷量と売上高が急増した。しかし、第3四半期に入り、iPad Pro OLEDの販売不振によりパネル出荷量が急減し、タブレットPC向けOLEDの出荷量と売上高が両パネルメーカーともに急減した。TV向けOLEDの出荷量とタブレットPC向けOLEDの出荷量が同時に急増し、2021年第4四半期以降最大の四半期実績を達成したLGディスプレイの出荷量は前四半期比34%減少し、売上高は23%減少した。しかし、TV向けOLEDの出荷量が前年同期比で回復したため、前年同期比では中・大型OLEDの出荷量は124%、売上高は111%増加した。
サムスンディスプレイの場合も、tablet PC向けの出荷量と売上高が減少した。サムスンディスプレイはサムスン電子とAppleにtablet PC用OLEDを供給しているが、サムスン電子向けtablet PC用OLEDの出荷量は大きな変化はなかったが、Apple向けパネル供給が減少した。これにより、tablet PC向け売上高も前四半期比38%減少したが、他のアプリケーションの売上高の増加で前四半期と同様の売上高を維持することができた。サムスンディスプレイのapplicationの中で最も大きく成長したのは自動車用OLEDである。自動車用OLEDの出荷量は第1四半期に10万台、第2四半期に約20万台、第3四半期に約50万台と急増している。
8.6G投資を進めているサムスンディスプレイの中・大型OLEDの出荷量は、2025年末から更に増加すると予想される。サムスンディスプレイが8.6Gラインの量産時期を2025年末に前倒しすることで、市場の拡大がさらに加速すると見込まれる。Tablet PCとAuto向けOLEDだけでなく、notebookとモニター市場もAppleの市場参入により急成長が予想される。