OLED 蒸着マスクの高精細化の動向

マイクロディスプレイ向けの有機EL用の高精細蒸着マスク(FMM)について解説します。

解説 :占部哲夫( UBI Research )

聞き手:服部 寿( 分析工房 )

分析工房のホームページ: https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ/

上半期小型OLED出荷量3億3350万台を記録

UBIリサーチが発刊した「2021年小型OLED Display下半期レポート」によると、2021年上半期に販売されたスマートフォン(ポールダブルフォン含む)とウォッチ用OLEDの出荷量は3億3350万台で、売上高は204億ドルと集計された。

コロナが始まった昨年上半期の売上高と出荷量は、それぞれ126億ドルと2億2580万台に比べると、今年上半期の売上高と出荷量はともに大きく増加している。

どんどん拡大しているモバイル機器用OLED市場に対処するため、BOEsms B7にLTPOラインの増設を完了した。B11にはApple専用ラインで工場構成を完了し、iPhone 13のOLEDを供給するための準備に拍車をかけている。

 

下半期で大きく成長すると予想される応用製品市場はフォルダーブルフォンだ。サムスン電子のGalaxy Z Flip3の好調により、下半期フォルダーブルフォンの予想出荷量は890万台に達する見通しだ。 フォルダーブルフォンOLEDは、2025年には5千万台の規模に成長すると予想される 。

このため、今回発刊した「2021年小型OLED Display下半期レポート」は2022年OLED事業を企画するための重要なガイドラインとなるだろう。

上半期中大型OLED出荷量1000万台突破

スマートフォン市場の成長が低迷している中、OLEDスマートフォンも同様に成長の勢いが鈍っている。

スマートフォン市場の成長が低迷の中で、OLEDスマートフォンも同様に成長が鈍化している。 こんな中で、中大型OLED市場は今年から市場の拡大が本格化になって、OLEDの新市場として注目され始めた。

UBIリサーチが発刊した「2021年中大型OLED Display下半期レポート」によると、2021年上半期に販売されたIT用(tablet PC, notebook, monitor) OLEDとテレビ用OLEDの出荷量が初めて千万台を突破し、1029万台の実績を記録した。

今年上半期のIT用とテレビ用のOLED売上高は29億ドルで、昨年上半期の12.2億ドルに比べ2倍以上成長した。

 

IT用OLED市場の成長のおかげで、サムソンディスプレイはtablet PCとnote book用のOLED生産量を増加させるため、A2リジッドOLEDラインのスマートフォン用パネル生産キャパをIT用に次第に拡大している。下半期には40~50KのA2ラインがIT用OLED生産に投入されると見通しだ。

さらにAppleのiPad用OLED生産も年末から予想されており、2022年はIT用OLED市場の爆発的な成長が予想されている。 このような傾向に早期に対応するため、サムソンディスプレイはIT向け8.5Gラインの投資を急いでいる。

LGディスプレイもIT用OLED市場を確保するため、Pajuに6Gライン投資を確定した 。

OLEDテレビ市場は想像を絶するほど急膨張している。昨年上半期の出荷量は126万台だったが、今年上半期は340万台を記録している。 下半期にはブラックフライデーがあり、上半期より出荷量がさらに増えるものと予想される。

このため、今回発刊した「2021年中大型OLED Display下半期レポート」は2022年OLED事業を企画するための重要なガイドラインとなるだろう。