QD-OLED TV、次世代プレミアムTVになれるか

Samsung Electronicsは現在「PL-QD(Photoluminescence Quantum Dot)技術」を採用したQD-LCD TVで、プレミアムTV市場で影響力を強めている。この技術は外部の光によって刺激される物質が再び発光するメカニズムを有する。

 

このようなQD-LCD TVを担当する家電部門(CE)において、昨年の営業利益は1兆ウォン以上落ち、営業利益は3.6%に留まった。

 

一方、LG Electronicsのホームエンターテインメント(HE)事業本部は、昨年OLED TVで営業利益1兆5,667億ウォン、営業利益率8.1%の過去最高値を更新した。SONYもOLED TVを前面に押し立て、プレミアムTV市場で急速に立地を進め、営業利益を黒字に転換させた。

 

OLED TVが企業の売上向上への貢献効果を生み出したと言える。

 

これに対し、Samsung ElectronicsはプレミアムTV市場に占める割合を高めるために、EL-QD(Electroluminescence Quantum Dot)技術を採用したEL-QLEDの開発に取り組んでいるが、QLEDの材料であるQuantum Dotの効率と寿命、量産技術はまだ確保されていないようだ。

 

最近青色OLEDを照明パネルとして採用し、その光がQDCF(Quantum Dot Color Filter)を通り抜け、赤色と緑色を実現するQD-OLED TV技術が注目されている。

<QD-OLED構造予測、参考:Samsung Displayブログ>

QDCFを用いるとQD材料のサイズを調整し、実現したい色を簡単に作リ出すことができ、色再現率の向上も可能となる。これによって、色の領域をBT2020まで拡大し、自然な色に近くより鮮明でリアルな画質を提供することができると見られる。また、QD-OLED TVは前面発光構造で、開口率を確保することが容易であるため、解像度と画面の均一度を向上させることもできる。

 

しかし、QD-OLED TVには青色OLEDの寿命と効率、インクジェットプリント工程技術の確保など、これから解決しなければならない様々な問題点がある。これに対し、業界では事業検討がまだ初期であることを鑑みると、QD-OLED TVの量産時期は2020年以降になると予測している。

 

QD-OLED TVがプレミアムTV市場に参入し、どのような変化の波を起こすのかに注目が集まる。

L+B 2018 OLED照明市場でもフレキシブルが本格化

OLED照明市場でもフレキシブルなデザインへの変化が本格化を迎えている。

Light+Building 2018ではLG Displayだけでなく、OLEDWorks、Sumitomo ChemicalもフレキシブルOLED照明を展示し、LED照明との差別化を図った。

特にOLEDWorksとSumitomo Chemicalは初めてフレキシブルOLEDパネルを公開し、多くの来場者から注目された。

OLED Worksは薄板ガラスを採用したフレキシブルOLEDパネル「Brite 3 FL300C」を公開した。スペックは1万時間と57 lm/W@8,300 cd/m2、または5万時間と63 lm/W@3,000 cd/m2となる。

Sumitomo Chemicalが公開したフレキシブルOLEDパネルは、PI基板を用いてソリューションプロセス工程で製造し、効率は50 lm/W@1,500 cd/m2、寿命は約2万時間程度である。

<OLEDWorks(左)とSumitomo Chemical(右)のフレキシブルOLED照明パネル>

2社が公開したフレキシブルOLED照明パネルはプロトタイプで、現在量産を進めているLG Displayのフレキシブル照明OLEDパネルの性能である55 lm/W、3万時間と同様レベルだ。この2社がフレキシブルOLEDの量産を開始したら、フレキシブルOLED照明市場に大きな変化が起きると期待されている。

一方、OLED照明市場の先頭に立っているLG Displayは、昨年12月にOLED照明ブランド「Luflex」をローンチして以来、初めての展示会となるLight+Building 2018で、フレキシブルOLED照明で実現できる多彩なデザインの照明を展示し、来場者から大きな注目を集めた。LG OLED Design Competition 2017で受賞した6作品が展示され、フレキシブルOLED照明の特長を最大限に活かしたデザインによるLED照明との差別化が目立ったという評価が多かった。

<LG OLED Design Competition 2017の受賞作>

ドイツのOLED関連メーカーと研究所10カ所、「OLED Licht Forum」を設立

現地時間で3月19日、ドイツ・フランクフルトで開催されている世界最大の照明・建築展示会「Light & Building 2018」で、ドイツのOLED関連メーカーと研究所10カ所は「OLED Licht Forum」を設立したことを発表した。

 

「OLED Licht Forum」はOLEDWorksとOSRAMを始めとするMerck、BASF coatings、EMDE、Fraunhofer、Hema electronic、Irlbacher、APEVA、WALO-TLなど、ドイツのOLED関連メーカーと研究所10カ所が参加し、OLED照明技術を開発・広報するという。

 

このフォーラムを構成するメーカーと研究所は独自のOLED照明関連研究と技術など専門知識を共有し、OLED照明の新しい応用分野を発展させる計画である。

 

フォーラムは継続的な会話と専門家交換、カンファレンス、講義、機関訪問を行い、未来の照明ソリューションとしてOLEDを開発・活用し、さらにOLED照明を活用できる広範囲な基盤を提供する。このような活動の第一歩として、多くの人がOLED照明を直接体験できるようにOLEDショールームを設ける予定だ。

 

一方、MerckのOLEDと量子材料責任者Michael Grund氏は「このフォーラムを設立した目的は、OLEDを様々な応用分野における持続可能な照明パネルとしてさらに発展させるために、各メーカーの専門知識を活用することである」と述べ、「様々な活動を通じ、経験とノウハウを交換することで、OLED照明産業分野の共同体を育成できる」説明した。

自動車のリアランプ向けOLED照明は本格化するか

2018年、自動車のリアランプにOLED照明を採用した製品が再び市場に出される予定だ。

 

3月18日からドイツ・フランクフルトで開催中の展示会「Light+Building 2018」で、LG DisplayはMercedes-BenzのS-Class Coupeに採用する予定のリアランプを展示した。今回展示したOLEDリアランプは、昨年10月に開催されたフランクフルトモーターショーで初めて公開され、33つのリジッドOLEDとLEDが組み合わせられたデザインで構成されたいる。

<LG Displayで公開したMercedes-Benz S-Class CoupeのOLEDリアランプ>

LG Displayの関係者は「リジッドOLEDリアランプは15年の寿命と-40~80℃の温度テストなど、完成車メーカーから提示された要求事項を全て満たすことができた」と述べ、今後リジッドOLEDリアランプ市場への期待感を示した。また「OLEDならではの自由なデザインは他の照明では実現できないレベルで、フレキシブルOLEDに対する完成車メーカーの要求事項を満たす場合、自動車のリアランプ向けOLED照明市場は大きく成長できる」と語った。

 

OLEDリアランプを採用したMercedes-BenzのS-Class Coupeは、今年の上半期中に発売される見込みで、限定版として約2万台を生産する予定だ。

 

UBI Researchは車載用OLED照明市場について、2018年から2023年まで年平均81.1%で成長し、2023年には6,700万個を出荷すると予想した。

<車載用OLED照明パネルの出荷量展望>

一方、LG Displayは今回の展示会で、フレキシブルOLED照明パネルを採用したリアランプのプロトタイプと世界で初めてCrystal Soundを搭載したOLED照明、フレキシブルOLED照明パネルを採用した多彩なデザインの照明を披露し、来場者から大きな注目を集めた。

<LG DisplayのフレキシブルOLED照明パネルを採用したリアランプのプロトタイプ>

デンソー、車載用ディスプレイ市場で韓国のパネルメーカーと競い合うために JOLEDへ300億円投資

<CES 2018でデンソーが公開したJOLEDのOLEDパネル、参考:asia.nikkei.com>

日経新聞によると、自動車部品メーカー・デンソーがJOLEDに300億円を投資し、車載用ディスプレイ市場で韓国のパネルメーカーと競い合うことになるという。

 

デンソーは今回の投資で、JOLED株式の約15%を持ち、産業革新機構(Innovation Network Corporation of Japan)の大株主になる。ジャパンディスプレイ もJOLED株式の15%を保有している。

 

次世代自動車には、運転者が様々なセンサーとカメラから収集された情報を簡単に取得できるディスプレイシステムが非常に重要となる。JOLEDは自動車用電子装置や制御システムに通じているデンソーとパートナシップを締結することで、車載用ディスプレイ市場に積極的に進出しようとすることが明らかになった。

 

JOLEDとデンソーはデジタルダッシュボードとミラーカメラシステム用OLEDを開発する計画を持っている。OLEDはLCDに比べ、フレキシブルな形状を実現することができるため、自動車の内部に合った設計を行うことができる。

 

JOLEDは2018年1月にインクジェット技術を採用し、21.6型4K OLEDパネルをASUSに供給したことがある。JOLEDはインクジェットを基盤とするOLEDを2019年に量産する予定だ。

 

また、JOLEDはパナソニックとソニー、住友化学、SCREENホールディングスより、それぞれ50億円を募金している。石川県にあるディスプレイ工場でOLEDパネルを量産する計画である。

次世代発光材料の開発はどこまで来ているのか

第4回OLED KOREA CONFERENCEで、次世代発光材料開発の先導企業であるKyuluxとCYNORAが研究結果と今後の開発方向についてを発表した。

Kyuluxの最高経営責任者(CEO)安達淳治氏は「従来の蛍光材料ホストとドーパントにTADFドーパントを添加するHyperfluorescenceを開発している」と説明した。Hyperfluorescenceの発光半値幅はTADFの約35%レベル、輝度は約2倍以上で、この材料がTADFの欠点(広い半値幅と低い輝度など)を同時に解決できると強調した。

 

安達惇治氏が公開した最新Hyperfluorescenceの効率は、赤色28 cd/A、黄色43 cd/A、緑色81 cd/Aで、寿命はLT50(1000nit)を基準に10,000時間、62,000時間、48,000時間である。色度図は赤(0.64, 0.36)、黄色(0.46, 0.52)、緑(0.28, 0.65)である。

一方、CYNORAの最高マーケティング責任者(CMO)Andreas Haldi氏は、現在CYNORAが開発した青色TADFエミッタの色図表は0.16、EQEは24%、寿命(LT97@700nit)は10時間だと明らかにした。このような性能は現在OLEDに使用されている青色材料より2倍高い効率で、色図表(0.10)は同様のレベルであるものの、寿命は短いと説明した。青色TADFエミッタの開発は2018年で終了し、2019年には量産への採用が開始されると付け加えた。

 

また、従来の低効率材料の代わりに高効率の青色TADFエミッタを使用すると、製造コストの削減のみならず消費電力も抑えられ、バッテリーの消耗を最小限に軽減できると語った。同時にOLEDの解像度を向上できるため、主要パネルメーカーの大規模真空工程ラインへ採用できると期待を示した。

 

CYNORAは青色TADFエミッタの開発終了後(2018年目途)、緑色TADFエミッタ、赤色TADFエミッタの順に開発を進め、2020年までRGB TADFエミッタの開発を全て終了する予定だ。

進化を続けるOLED TV

3月7日UBI Researchが主催した「第4回2018 OLED Korea Conference」でLG Displayのハン・チャンウク首席研究委員は、OLED TVの発展過程を紹介し、OLEDの画質(Image quality)とデザインの柔軟性(Design flexibility)、拡張性(Expandability)を強調した。

まず、OLED TVに採用されているTFT技術とOLEDスタック技術、補償回路など、3つの主要技術を紹介した。ハン首席研究員は「FHDに採用していたボトムゲート(逆スタガ型)から、UHD実現に向けてトップゲート(スタガ型)のコプレーナ構造にTFTを変更した」と説明し、「輝度と色再現率を向上させるために、2段スタック構造から3段スタック構造にWRGB OLED画素の構造を変更し、8Kの大型画面でもOLEDに影響を与えないように補償回路を設計した」と明らかにした。

続いて、OLEDが持つ最大の特長に「ローカルディミングによって画素を制御するLCDとは違って、OLEDはピクセルディミングで画素を制御するため、完璧な黒の表現ができる上に、輪郭周辺が光っているように見えるハロー効果が低い」と強調して話した。

OLEDはバックライトが必要ない自発光ディスプレイであるため、デザインの表現と拡張性を実現することができるという。その例として、屋内に適用可能なミラー型ディスプレイと透明型ディスプレイ、CES 2018で披露した世界初の88型8K OLED TVと65型丸められる(Rollable)OLED TVを挙げた。

一方、ハン首席研究員は「2018年には生産ラインの拡大と歩留まり改善によって、大型OLEDパネルの生産量が2016年より約3倍に増加する見込みだ。また、韓国坡州(Paju)市と中国広州(Guangzhou)市に工場を増設し、2020年には600万枚以上の大型OLEDパネルを出荷することができる」と明らかにした。2016年には全体ディスプレイの5%程度に留まっていたOLEDパネルの生産量を2020年まで40%以上に引き上げると述べた。

GoogleとLG Display、世界初「1443ppiのVR機器用OLED」公開予定

GoogleとLG Displayは、今年5月に米国ロサンゼルスで開かれるSID 2018で、世界初となる1443ppiの超高解像度VR機器用OLEDディスプレイを公開する予定だ。

<GoogleとLG Displayが公開する予定のVR機器用OLED、参考:Androidpolice>

テクノロジーに関するレビューやニュースを掲載するウェブサイトThe Vergeによると、SID 2018で公開するVR機器用OLEDは、4.3型で5657 x 3182(1443ppi)の解像度を有するという。

 

これは現在HMDに対応するVR機器の中で最高解像度の1400 x 1600(607ppi)を持っていると知られているSamsung ElectronicsのOdyssey(Model no. XQ800ZAA-HC1KR)より約2.4倍高い数値である。また、2017年8月に開催されたiMiD 2017でSamsung Electronicsが展示したVR機器用OLED(1824 x 1824、806ppi)よりも約1.9倍高い解像度である。

 

VR機器は、目とディスプレイの距離が非常に短く、解像度が低い場合にディスプレイのピクセルが格子柄に見える「網戸現象(Screen Door Effect)」が現れる。また、低解像度は目の疲れを悪化させ、不正確なグラフィック情報(画像の歪み)によって現実感を低下させる要因になる。このような欠点を補うために、各メーカーは高解像度のVR機器用パネルを開発している。

<解像度によるVR画面の比較、参考:speedvr.co.uk>

GoogleとLG Displayが展示するVR機器用OLEDは垂直走査周波数(120Hz)においても、世界初となる。垂直走査周波数が高いほど、同じ時間内により多くの画面を表示し、酔い現象を最小限に抑えられ、リアルに近い自然な映像を実現することで没入感を高める。そのため、VR用ディスプレイにおける垂直走査周波数の基準について、Oculus VRとHTC、韓国情報通信技術協会は90Hz以上、SONYは120Hzで規定したことがある。

 

UBI Researchは2017年7月に発刊した『AR/VR用ディスプレイ市場レポート』で、2014年から2016年までの間に発売されたVR機器の垂直走査周波数は、LCDが約65Hz、OLEDが約86Hz程度で、高い垂直走査周波数を実現するためには、LCDより速い応答速度と低い電力消費を持つOLEDが有利であると説明した。

飛行機内で青い空と星を美しく飾るOLEDディスプレイ

「OLEDは天井と壁などに設置され、顧客に多彩なイメージを提供する。未来には飛行機内で、夜には天井から光る星、昼には晴れの青空を見ることができると期待される」

 

先日8日UBI Researchの主催で開催された「2018 OLED Korea conference」で、Boeing社Associate tech fellowのJulian Chang博士はこのように述べ、今後の飛行機に採用されるOLEDの様々な利点を挙げた。

Julian Chang博士は「OLEDは完璧な黒と優れた色再現率を特長とする」と言い、「顧客に実際の青空のようにリアルな夜空を提供できる」と説明した。また、「飛行機の内部は曲面が多いため、フレキシブルを実現しやすいOLEDが他のディスプレイに比べ、有利な特長を持っている」と語った。

続いて、OLEDは狭い空間で多くの情報を必要とする顧客と乗務員が視野角の制限を受けることなく、情報を提供できると説明し、睡眠を妨げるブルーライト(青色光)の軽減効果とLEDに比べ低い消費電力による燃料の節約、二酸化炭素の削減が実現できると述べた。

 

一方、OLEDが飛行機産業に進出するためには、最大輝度の向上とバーンイン現象の改善、FAA規定の遵守、設置と修理の容易性などが必要だという。

 

現在のOLEDは、モバイル機器とプレミアムTV市場を超え、自動車やウェアラブル向け市場にその領域を次第に広げている。OLEDが飛行機内に採用され、顧客にリアルな空を提供できるのかに注目が集まる。

第11世代超大型OLED量産ライン、インクジェットで先取り

3月7日UBI Researchの主催で、ノボテルアンバサダーソウル江南ホテルで開催された第4回「OLED Korea Conference」で、JOLEDのChief technologist荒井俊明氏とTCLのDeputy chief engineer James Lee氏はソリューションプロセスOLEDをテーマに発表を行った。

 

JOLEDの荒井俊明氏はソリューションプロセスOLEDで10~30型台のタブレット用中型OLED市場を集中的に攻略することを明らかにした。荒井俊明氏は「モバイル機器用OLEDは、現在500 ppiを超え、800 ppi以上を目標にしており、今のプリント技術では難しいが、タブレット用中型OLEDは300 ppi程度であるため、今の技術でも十分に競争力がある」と説明した。

 

続いて「現在採用されている蒸着技術は、マザーガラスを分割することが必須だが、JOLEDのOxide TFTとソリューションプロセスOLEDは第8.5世代だけでなく 、第11世代においてもマザーガラスを分割せずに、工程を実施することができるため、パネルの生産量も大幅に拡大する」と予想した。

TCLのJames Lee氏は「次世代プレミアムTVは70型以上の大型画面と完璧な黒の表現、8K解像度の高画質、スリム&フレキシブルなど、差別化されたデザインである」と述べた。また「ソリューションプロセス技術は、大型RGB OLEDの実現と画質を向上させることが可能で、使用材料も少ないため、コスト削減にも貢献できる。TCLは現在、ソリューションプロセス技術を開発中で、第11世代生産工場に取り入れられると見込まれる」と明らかにした。

 

また「現在65型を基準とするOLED TV価格は、LCD TV価格に近づいている。2021年にはOLED TVとLCD TVの価格差はなくなり、OLED TVがプレミアムTV市場の主流として位置付けられる」と説明した。

それに加え「第11世代OLEDはMura free技術を向上する必要があるが、75型OLEDパネルを6枚生産可能で、第8.5世代に比べ生産量は3倍増加、切断効率(Cutting efficiency)は95%以上を達成することができる」と説明し、OLED TVがTV市場の主流になるためには、第11世代ソリューションプロセスOLED工場を必ず設立しなければならない」と強調した。

商業化に向けた生産準備中の青色TADF(熱活性化遅延蛍光)エミッタ

来週、韓国ソウルで開催される第4回OLED Korea Conferenceで、主要OLED産業関係者が次世代ディスプレイに関する新しい技術について論議する予定である。期待を集めている技術の一つはTADF(熱活性化遅延蛍光)技術で、このテーマは今回UBI Researchが主催するカンファレンスで重要に扱われる。

 

TADF 技術は青色発光材料の効率を改善するための方法として、大きく注目されている。高効率青色材料を採用したOLEDはまだ市場に出ていないが、この材料への需要は毎年増え続けている。

 

高効率青色TADFを使用すると、ディスプレイ製造メーカーはディスプレイの電力消費を低減することができる。そのため、消費者は携帯機器のバッテリー節約と大型ディスプレイの電力消費を抑えることができる。また、高効率青色材料を用いることで、ピクセルのサイズが小さくなり、解像度と画質を向上させることができる。

 

この2つの改善事項は、消費者の満足度を大きく高める。TADFのリーディングカンパニーであるCYNORAは青色TADF材料が高効率青色エミッタの性能を飛び越えたことを示している。CYNORAによる材料の最新性能は、顧客の要求事項にかなり近づいていると言えるが、一方では市場参入の障壁になる可能性もある。今回のOLED Korea ConferenceでCYNORA最高マーケティング責任者(CMO)のAndreas Haldi博士は、CYNORAにおけるTADFエミッタの現況および次世代AMOLEDディスプレイの実現に関するアップデート情報について発表する予定だ。Haldi博士は、最新OLEDデバイスに効率的な青色材料を採用した結果とCYNORAの量産に向けたOLED製造メーカーとの緊密な協力方案について詳しく説明する。

Samsung Display、OLEDへの独走は今年も続く

UBI Researchが発刊した2018年第1四半期のOLED Market Trackによると、2017年第4四半期AMOLEDの売上高と出荷量は、それぞれ88億6,000万と1億3,000万個に集計された。売上高は前年同期比100.2%増加した数値である。Samsung Displayの売上高と出荷量は、AMOLED市場全体で91.6%と94.5%の割合を占め、絶対的な位置を表している。

 

第4四半期スマートフォン用AMOLED市場における出荷量は1億2,000万個で全体の95.5%を占め、この中でSamsung Displayが販売したスマートフォン用AMOLEDは1億1,900万個で97.5%となった。

 

2018年スマートフォン用AMOLED市場における出荷量は4億7,000万個になる見込みで、Samsung Displayは4億3,000万個を出荷し、91.5%を占めると予想される。

<4Q’17 AMOLED market>

<2018 AMOLED market for smartphone>

LG Electronics、2018 MWCで新規スマートフォンの発表を先延ばしし、V30Sモデルを公開

2018 MWCでLG Electronicsはこれまで様々な記事により、多くの関心を集めたモバイルラインアップの全面的なアップグレードに関する立場を発表した。

 

展示関係者によると、今年は様々な戦略を繰り広げる方針で、競合他社を追いかけるように新モデルを発売することはもうなくなる。GシリーズとVシリーズモデルの改良においても、しばらくの間は大きな変化を与えるより、スマートフォンの本質に集中したいという意見を表した。また、V30Sの公開につき、V30との違いはカメラに AIを搭載し、照度改善により暗い場所でも明るくて鮮明に写真を撮ることができることと、ステレオシステムが向上されたことを明らかにし、V30の利用者はもうすぐソフトウェアのアップグレードで同様の性能を体験できると伝えた。

 

今回MWC展示では公開していないが、今年発売する新規プレミアムモバイルモデルにも「ThinQ」を採用する予定だと述べた。別に設けられたプライベートブースではV30の後を継ぐ新モデルを公開したが、発売時期はまだ決まっていない。

 

今回の展示において、主要トレンドの一つである5Gは、北米などで開発活動が急速に展開されており、LG ElectronicsもFoldableスマートフォンの技術開発とともに注力して取り組みを進めていると説明した。

 

様々な時計モデルを展示した昨年と異なり、LG Electronicsによる今回のMWCブースは、次回に備えるために規模を縮小したように感じられる。OLEDディスプレイを採用した製品はV30Sが唯一で、展示のほとんどがヘッドセットを着用してHi-Fi QUADステレオシステムを体験、暗室でカメラのブライトモードを体験するなど、向上したV30Sの性能を披露する展示にとどまった。他にも今回の展示で、普及型モデルのK10(K10・K10+、5.3型HD)シリーズを公開した。