OLED光効率を改善するための新たなアプローチ、高偏光OLED

6月に開催されたUBI Researchの上半期セミナー「OLED市場分析と最新技術」で、韓国漢陽大学のキム・ジェフン教授は、高分子OLED発光層に微量のキラル(Chiral)分子を添加・発光する偏光を調整する方法により、光効率が60%まで向上したと述べた。

LCDに直交する形で採用された2枚の線形偏光板は、バックライトユニットから発される光を液晶の動きを通して透過又は遮断するために使用されている。また、1枚のOLED円形偏光板は、外光の反射を防止し、屋外での視認性を向上するために使用されている。

 

今まで、ディスプレイに関するメーカーは、偏光板で失われる50%以上の光を改善するために、素子構造及び光抽出技術、素材開発、発光メカニズムの開発に集中してきた。それに対してキム教授は「新たな観点からのアプローチが必要だ」と語り、偏光を用いてOLEDの光効率を向上する方法と研究結果を説明した。

<キラル分子が添加されたOLED構造のシミュレーション図>

キム教授は「OLEDの高分子材料は、一般的に液晶性を有するため、高い線形偏光光を作り出す。その光がキラル分子の添加された発光層を通過するようになると、円形偏光性が高い光になる」と説明した。また「理論上では光効率を100%まで引き上げられる。そうなると、低消費電力でもっと明るいOLEDを実現することができる」と付け加えた。

 

実際、キム教授の研究チームは、このような原理を導入して従来のOLEDに比べ、光効率が60%向上したOLEDを開発した。また、低分子材料を基盤とする円形偏光に関する研究計画も明らかにした。

 

今回の研究は「未来型ディスプレイの主要技術開発」事業からの支援で実施されており、研究結果は国際学術誌「Advanced Materials」最新号に掲載された。