Fraunhofer FEP、OLEDマイクロディスプレイを採用し、高精密光学指紋センサーの開発に成功

ドイツFraunhofer FEPは、先日の5月4日に、プレスリリースてOLEDマイクロディスプレイを採用し、高精密光学指紋センサーの開発に成功したと明らかにした。Fraunhofer FEPは、OLED-on-Silicon技術を基に、様々な用途に採用できるOLEDマイクロディスプレイを開発してきた企業で、OLED-on-Silicon技術は、マイクロチップにOLEDを光源とする高精度な設計が可能であり、フォトダイオードのような追加センサーと統合することができる。

 

今回Fraunhofer FEPが開発した指紋センサーは、光の放出や探知の両方できる両方向機能(Bidirectional Functionality)を導入することによって、指を照らし、反射される光を感知しながら分析する方法である。

 

Fraunhofer FEPのOLEDマイクロディスプレイとセンサー部署の次長Bernd Richter氏は「この指紋センサーチップには、とても薄い封止膜を採用した。指とイメージセンサー間の距離が最小となり、指紋が綺麗にキャプチャーできるため、この応用分野では追加的なImaging Opticは必要ない」と述べた。

 

最初のプロトタイプは、FBIで一般的に求められる解像度の3倍優れた1600dpiの解像度を持っている。高い空間分解能は、非常に小さい汗穴まで識別できるため、セキュリティ強化に使用できると期待を集めている。

 

この指紋センサーは、一般的に使用されている静電容量式指紋センサーに比べ、高解像度で明確に識別できるため、いわゆる「Spoofing」と呼ばれる偽の指紋に対処することから、モバイル装置でユーザー認証に使用されると見られている。また、ブランディング、ロゴ、お知らせを表示するディスプレイにも使用される見込みだ。

 

Fraunhofer FEPが開発したこの指紋センサーは、今回、米ロサンゼルスで開催されるSID Display Week 2017にて公開する予定である。

<高解像度のOLED-on-Silicon指紋センサー、参考:Fraunhofer FEP>