UDC、OLED発光材料の寿命や効率が低下しない有機蒸気ジェット印刷技術を紹介
UDC副社長のMike Hackは、UBIリサーチ開催した第3回OLED KOREA CONFERENCEの「COLOR IS UNIVERSAL」セッションでソリューションプロセスの有機蒸気ジェット印刷(Organic Vapor Jet Printing)技術を紹介した。
Mike Hackは、「有機蒸気ジェット印刷技術(OVJP)は、既存のインクジェット方式のソリューションプロセスと異なり、蒸着工程で使用されるOLED材料をそのまま使用可能なので、ファイン・メタル・マスク(FMM)と溶媒が必要ない」と強調した。また、他にUDCで開発したNovel BY Display Architectureも紹介した。
発表によると、この構造は一度に2ピクセルを蒸着するために、マスクの開口サイズを増加した。また、Novel BY Display Architectureは、既存のRGB方式の代わりに青色と黄色のサブピクセル(blue・yellow sub pixels)を交互に蒸着し、黄色のサブピクセルの半分には赤色と緑色のカラーフィルター(CF)を上下対称になるように配列するのが特徴だ。
Mike Hackは、「この構造で、青色と黄色のサブピクセルの曲線因子(fill factor)を最大に増加し、OLEDパネルの色再現率増加や効率、寿命を極大化できた」と述べた。他にもピクセル当たり3data未満のラインを利用し、EML蒸着(FMM利用)も2段階に構成されており、製造コスト削減が可能な利点があると説明した。
最後にUDCは、燐光の発光材料(PH emitter)とホスト材料を開発し、常用化を目指していると付け加えて発表を終えた。
一方、UBIリサーチが発刊した『ソリューションプロセスのOLED市場参入可能性分析報告書』によると、インクジェット溶液プロセスに適用される発光材料は、蒸着工程で使用される発光材料を様々な溶媒に混ぜてインク化する方式だ。こうすると、材料の純度が下がり、発光効率と寿命も低下されてしまう。しかし、ソリューションプロセスなら、カラーフィルターを使用せず、発光材料の使用効率を向上することができる。さらに、第8世代以上のパネル製造装備で分割せずにRGBピクセル構造で大型OLEDパネルを製造できるという利点がある。主要パネルメーカーは、先を争ってソリューションプロセスの開発と常用化に取り組んでいる。