中国Visionox、フレキシブルディスプレイはOLEDならではの革新的な技術

3月8日から9月の二日間、UBIリサーチが開催した第3回OLED Korea Conferenceで、中国Visionox Li Lin首席研究員は『Development of Foldable AMOLED Display』をテーマに講演を行った。

 

Li Lin首席研究員は、フレキシブルディスプレイの開発トレンドを説明し、「初期のCRTはオシロスコープ(Oscilloscope)用として開発されたが、フルカラー技術の開発により日常でも使われ始めた。

LCDは当初セグメント方式で開発されたが、半導体技術の発展で、TFT Black PlaneをLCDに適用することにより、スマートフォンから大型テレビまで幅広いサイズで採用されるようになった。

このような新規電子技術と材料技術の統合は、ディスプレイの革新をもたらした。フレキシブルディスプレイ技術は、既存のディスプレイとは異なり、OLEDならではの革新的な技術のひとつである。現在、Visionox内において集中開発している分野だ」と述べた。

また、Visionoxのフレキシブルディスプレイ開発の歴史を紹介しながら、2016年11月に開発されたタッチセンサー(Touch Sensor)を適用した7型折りたたみ式AMOLEDディスプレイのモジュールを見せた。

このモジュールは、180度Out-Folding可能で、40,000回の折りたたみテストに合格したと付け加えた。

<タッチセンサーが適用された180度折りたたみ式フレキシブルAMOLEDディスプレイ、出所: Visionox.com>

折りたたみ式ディスプレイを開発するためには、TFTの信頼性向上、高強度のOCA、引っ掻きに強く耐久性の良いカバーウィンドウフィルム (Cover Window Film)、厚さを薄くした円偏光板(Circular Polarizer Layer)、タッチパネルを一体化した形など、耐久性に優れているモジュールの厚みを減らすことが重要な課題だと説明した。

一方、Li Lin首席研究員は、フレキシブルOLEDパネルの大量生産問題につき、「結局のところ、歩留まり率の向上にかかっている。しかし、今はまだ、大量生産できる技術と経験が足りない」と述べながら、「他のレイヤーと結合させる形を検討している」と答えた。

最後にタッチパネルの開発に関する質問には、「様々な技術があると思うが、オン・セル(On-Cell)技術を検討している。材料としては、メタルメッシュ(Metal Mesh)が適切な対策になると思われるが、まだ具体的な計画はない」と述べた。