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Micro OLED を採用した Apple の Vision Pro.

解説 :占部哲夫( UBI Research )
聞き手:服部 寿( 分析工房 )
分析工房のホームページ:
https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ

内容
・Apple “ Vision Pro “
・Vision Pro が可能にする世界
・周囲の人とのコミュニケーション
・Vision Pro で使われた Micro OLED
・Micro OLED を使った Headset の例
・Optical See Through の形態

Micro OLED動向と展望

VR機器は2016年から台頭し、今後の未来IT事業では重要な要素になると見たが、使用された用途は非常に少なかった。 サムスンでは2017IFA VR experiment zoneでゲーム、4D形態で体で感じられる映画用として披露され、その他CES2016年にインテルでは教育用、美術用など創作活動ができるようにするアプリケーションを展示した。

VRの特徴としては没入感、臨場感に優れ、1インチ程度のディスプレイが60インチのように見えることができる。 情報を提供するディスプレイはマイクロディスプレイを使用するが、LCoS(liquid crystal on Silicon)は応答速度が遅く、色味が落ちてContrast Ratio低いため、傾向がOLEDoS(OLED on silicon)に変わっている。 ソニーはマイクロOLEDを製造しており、パナソニックは米Kopinと協力してVRを作っている。

最近VR機器はモニターに代わるための準備をしている。 高解像度に作ることになれば、それぞれVRモニター画面に10個程度の画面を表示することができ、今後は事務室にモニターが消えVR機器を使用して同時に複数の画面を表示することができる。 今後はモニター市場がVR市場に変化し、IT市場でVRは最高のダークホースに浮上する可能性がある。 VRはテレビに取って代わることもできる。 立体感がはるかに優れたヘッドスピーカーが必須だ。 映画館でも変化があり得る。 映画館でVR機器を使って臨場感の高い60インチ画面を提供し、没入感のある映画を見ることができ、映画産業にも重要な要素になりうる。

Micro OLED構成はシリコンウエハーの上にTFTを設計し、その上にOLEDが形成され、OLEDはLGDのWOLED方式を使用している。 RGB方式は、詳細なファインメタルマスクが必要だが、APシステムではレーザーを利用した2,000ppi以上可能なマスクを準備している。 WOLEDはcolor filterを使用するため、10%程度のロスが生じ、輝度面ではRGBがより有利だが、商用化をするためには解像度をはるかに高めることができ、すでに長い間開発されてきたW-OLEDが適用されると見ている。 応用分野としては軍事用、医療用、産業用、ビューファインダー、スマートグラスなど多様な用途のディスプレイになるだろう。

最近アップルはLGディスプレイとサムスンディスプレイにMicro OLEDの準備を要請し、LGディスプレイでは6月に船益システム蒸着機を発注して素早く動いている。

サムスン電子からもVRに対する要請があることが把握され、2025年にはLGディスプレイとサムスンディスプレイは多くの種類のMicro OLEDを生産できると見られる。 24年ごろにはアップルのVR機器を見ることができるものと予想される。

関連レポート: 2022年 マイクロディスプレイ技術レポート

プレミアムテレビ市場で激しい価格競争を繰り広げているWOLEDテレビとQD-OLEDテレビ、NeoQLEDテレビ

2022年上半期、2,000ドル以上の発売価格を基準にしたプレミアムテレビの価格競争がますます激しくなっている。 7月に予定されたアマゾンのプライムデー行事がテレビ価格にどのような影響を及ぼすかも関心な事だ。

まず、2022年6月までに65インチ基準で2022年型OLEDテレビの価格を分析した。 Bestbuy.comの販売価格を基準とし、SonyのQD-OLEDテレビは公式ホームページの販売価格を基準とした。

3月に発売されたLG電子のWOLEDテレビB2とC2、G2の発売価格はそれぞれ2,300ドルと2,500ドル、3,200ドルで、サムスン電子のQD-OLEDテレビであるS95Bの発売価格は3,000ドルだった。 SonyのWOLEDテレビであるA80Kの発売価格は3,800ドル、QD-OLEDテレビであるA95Kは4,000ドルだった。

6月に入ってLG電子のG2モデル価格が200ドル下落し、シリーズ別にそれぞれ500ドルの価格差を形成し、サムスン電子のS95BモデルはLG電子のハイエンドモデルであるG2より200ドル低い価格差を維持し続けている。 SonyはWOLEDテレビであるA80Kの価格を300ドル引き下げた一方、QD-OLEDテレビA95Kの価格は維持した。

価格的にサムスン電子のS95BとLG電子のハイエンドOLEDテレビであるG2が競争している点と、SonyがWOLEDテレビよりQD-OLEDテレビの価格帯を高く設定しているという点が特徴だ。

各セットメーカーのOLEDテレビとサムスン電子のmini LED技術が適用されたNeo QLEDテレビの価格競争も激しいだ。

6月基準でサムスン電子の4K Neo QLEDテレビであるQN85BとQN90B、QN95Bの価格はそれぞれ1,800ドルと2,600ドル、3,300ドルであり、8K Neo QLEDテレビであるQN800BとQN900Bは3,300ドルと4,800ドルだった。

価格的側面でサムスン電子の4K Neo QLEDテレビシリーズとLG電子の4K OLEDテレビシリーズの価格が似たように形成されており、サムスン電子の全体テレビシリーズの中ではQD-OLEDテレビが4K Neo QLEDと8K Neo QLEDの間に位置していることが確認できる。 画質で高い評価を受けているSonyのOLEDテレビシリーズは、サムスン電子の8K Neo QLEDテレビシリーズと価格競争を繰り広げている。

今年はこのような価格基調が引き続き維持されるものと見られるが、下半期のアマゾンプライム行事やカタールワールドカップ期間にともなう攻撃的なマーケティングが変数になるものと予想される。 また、来年発売されるものと予想されるmicro lens array技術が適用されたLG電子のOLEDテレビが今後プレミアムテレビ市場にどのような影響力を及ぼすかも注目しなければならないものと見られる。

着実に増加していたOLEDスマートフォン発売製品、2022年上半期には停滞している

2019年137台、2020年166台、2021年225台と着実に増加していたOLEDスマートフォンの発売製品が2022年上半期には110台に止まった。 業界の状況がこのまま続けば、2022年には2021年と似ていたり、少し少ない数のOLEDスマートフォンが発売されるものと見られる。

2022年上半期に発売されたスマートフォンは大部分が中国製品だった。 中国製品が98個、占有率89%を占め、韓国が9個、日本が2個、インドが1個を発売した。

サイズ別では6.6インチ台製品が34種で最も多く、6.4インチ台製品が31個、6.7インチ台製品が21個で後に続いた。 サイズが最も大きい製品はVivoの「X Fold」で8.03インチフォルダブル製品であり、フォルダブルを除いた中ではVivoの「X Note」が7.0インチで最も大きかった。 サイズが最も小さい製品はSonyの「Xperia 10 IV」で6.0インチだった。

デザイン別では102種がパンチホールモデルであり、narrow bezelが4種、notchが2種、UPCが2種発売された。 UPC(Under Panel Camera)が適用されたスマートフォンはZTEの「Axon 40 Ultra’」と「Nubia Red Magic 7 Pro」等2種だった。

解像度別では300ppi台製品が51台、400ppi台製品が50台、500ppi以上の製品が9台発売され、300ppi以下の製品は発売されなかった。 解像度が最も高い製品はSonyの「‘Xpeia 1 IV」で解像度は643ppiだった。

上半期に発売されたフォルダブルフォンはVivoの「X Fold」、Honorの「Magic V」、Huaweiの「Mate Xs2」など3種であり、3種ともパンチホールデザインが適用された。 「Mate Xs2」の解像度は424ppiで上半期に発売されたOLEDスマートフォンの平均より10ppiが高かった反面、「X Fold」と「Magic V」は上半期に発売されたOLEDスマートフォンの中で解像度が最も低い1、2位の製品だった。

VR 用 ディスプレイの動向

トピックスとしてVR 用 ディスプレイを取り上げます。VRの状況と、Micro OLEDを用いたディスプレイの内容について解説します。

解説 :占部哲夫( UBI Research )

聞き手:服部 寿( 分析工房 )

「2022年 マイクロディスプレイ技術レポート」の紹介ページ: https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ/2022年-マイクロディスプレイ技術レポート-を発刊/

[CES2022] Sony Press Conference at CES 2022

LGディスプレー、中国上海で『2019 OLED Partner’s Day』開催

LGディスプレーがグローバル最大テレビ市場である中国で有機ELテレビの大勢化に向け積極的な動きに乗り出した。

LGディスプレー(代表理事・副会長ハン・サンボム)は15日中国上海に位置するダブルツリーヒルトンホテルでLG電子·Skyworth·Konka·Changhong·Hisense・ソニー・Philipsなどのテレビメーカーと Suning・JD.comなどの流通会社、そして授賞協会・電子商会及び業界関係の専門家などの140名を招待しで『2019 OLED Partner’s Day』を開催したと明かした。

同日の行事でLGディスプレー·テレビ事業部長の オ·チャンホ副社長とテレビ営業/マーケティンググループ長のイ·サンフン専務は参加者たちとこれまで有機ELが成し遂げた成果について共有し、有機ELの価値と未来ビジョンに対する共感をもとに、今後中国有機EL市場の速い拡大とグローバル市場の先導の基盤を固めるために相互協力していく決意を固めた。

 

オ副社長 はこの日有機ELの中国市場戦略発表を通じて“LGディスプレーは全世界の消費者により良いディスプレー経験を提供するためLCDから有機ELへの体質改善を進めている”とし、“2019年は全世界的に有機ELが大きく成長し真の有機EL時代が到来するしその中心に中国がある”と明らかにした。

市場調査機関AVCのトンミン黒色家電副総裁はこの日の招請発表で“中国プレミアムテレビ市場の潜在力がかなり大きい”とし“中国テレビメーカーが有機ELを主力製品として打ち出したことを受け有機ELテレビはプレミアム市場でさらに多くの占有率を占めるようになり、これは全体テレビ市場に新しい活力をもたらすものと期待される”と述べた。

 

中国のテレビ市場は単一国家としては世界で最も規模が大きいだけでな先端技術の受け入れ度も高い地域として有機ELテレビ市場の拡大に重要な役割を果たすと見込まれている。

 

LGディスプレーの有機ELテレビパネルの生産量も現在広州に建設している8.5世代有機EL工場が今年下半期に稼動すれば、月7万枚(ガラス基板投入基準)から月13万枚に増えることになる。 ゆえに今後HisenseやSkyworthなどの中国の主要テレビメーカーはより安定的なパネル供給と密着支援を受けられるものと見られる。

 

LGディスプレーのオ副社長は“中国は有機ELパネルを生産する第2の核心基地になるはずで,ここでLGディスプレーは顧客と共に最高の有機EL製品を出すことで有機EL大勢化を早める”と述べた。

 

同日の行事には有機ELテレビの画質やデザイン、目の健康に優秀性の有無についての発表が続いた。 中国浙江大学教授のXu Hai Song博士が有機EL画質の優秀性と圧倒的な表現力を、有名な建築家でインテリア専門家の秀平青山(Shuhei Aoyama)は有機ELテレビがインテリアデザインに与える無限の可能性について発表した。 中国の第4研究所1)のZhao Xiaoying博士は同人病院のディスプレー光学性能テストの結果を見せ、有機ELテレビはLCDより目の健康により良いことが証明されたと明らかにした。

 

一方、LGディスプレーは3月14日から17日まで中国上海で開かれた『AWE(Appliance

& electronics World Expo) 2019』に参加し、最新有機EL製品10種を披露し独自的な有機EL技術力を披露した。 中国家電製品協会が開催するAWEは,約800社が参加し約30万人が訪れる中国最大の家電展示会だ。 この展示会でLGディスプレーの88型8Kクリスタルサウンド(Crystal Sound)有機ELは中国家電製品協会が選定した今年の最高革新賞(Best Component Award)を受賞した。

 

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注1)第4研究所:韓国の産業技術評価管理院および韓国電子通信研究院(ETRI)のような中国のディスプレー産業標準を制定し管理する機関である。

55 inchと65 inchプレミアムOLED TVの価格プレミアムLCD TVに近接

最近Sonyの65 inch OLED TVのXBR65A1EがBest Buy基準でSamsungのQN65Q7よりわずかUS$300高価なことが分かっているなど、プレミアムTV市場でのOLED TVとLCD TVの価格競争が激しくなっている。

1月16日現在Best BuyでLGのOLED TVの基本的なモデルであるC8シリーズとSonyのA1Eシリーズ、SamsungのQ7Fシリーズのサイズ別価格を比較した。

<55 inchプレミアムTVの価格比較>

LGのOLED55C8の価格は2018年3月に比べ47%下落したUS$1,700であり、これは、SamsungのQN55Q7よりわずかUS$200が高価な価格である。

<65 inchプレミアムTVの価格比較>

65 inch TV市場で、LGのOLED65C8の価格は2018年3月に比べ30%下落した2700ドルであり、Sonyは40%下落した2500ドルとして、SamsungのQN65Q7よりそれぞれ500ドルと300ドル高い価格で価格差が大幅に減少した。

プレミアムTV市場でOLED TVがLCD TVの価格をすぐに追いついている理由は、LG Displayの大面積OLED生産歩留まりの安定化が最大の要因と分析される。

LG Displayは、現在広州に8世代、大面積OLED生産ラインを建設中であり、坡州10.5世代OLED投資に確定した。これにより、大面積OLED生産量がますます増加してプレミアムTV市場内でOLED TV市場の拡大がより顕著になる見通しだ。

4K時代を迎えたLCDスマートフォン、OLEDスマートフォンはどうなるのか?

先日のMWC 2017で、Sonyが世界初となる4K LCD搭載のスマートフォンを公開したことに続き、来る7月には実際に4K LCD搭載の‘Xperia XZ2 Premium’を発売する予定で、スマートフォンにも4K解像度の市場が本格開花すると期待されている。

<Sonyの‘Xperia XZ2 Premium’、参考:theverge.com>

既にTV市場は4Kを越えて8K市場へ移り変わっている。Samsung ElectronicsとSharpは上半期に8K TVの新製品を公開、Sonyも下半期に8K TVを発売する予定である。LG DisplayはCES 2018で、88型の8K OLED TVを展示した。このように、8K TVがプレミアムTV市場に参入することで、スマートフォンもTVの高解像度化と相まって、4K解像度に対応する製品を増やすと予想される。

しかし、LCDでは4Kスマートフォンを実現したものの、OLEDはもう4年もQHD解像度にとどまっている。

<Samsung ElectronicsのGalaxyシリーズの解像度変化、参考:UBI Research DB>

これは、OLED製造に採用されているFMM(Fine Metal Mask)技術に制約が多いためである。現在、量産に使用されているFMMの厚さは約20~30um程度で、4Kを実現するためには、厚さを10umに抑えなければならない。しかし、従来のFMM製造方式では、実現が難しい状況である。

それによって、高解像度の実現に向けたFMMの代替技術が開発されている。代表的な技術として、レーザーでパターニングするレーザーFMMと電鋳方式で製造するElectroforming、フィルムに電鋳でフレームを形成し、レーザーでフィルムをパターニングするFine hybrid mask、蒸着入射角を垂直にして高解像度を実現する面蒸発源などが開発中だ。

様々な展示会と学会で、高解像度を実現するための蒸着技術が公開されており、量産性を確保できれば、今後4K OLEDスマートフォン、ひいてはRGB方式の高解像度AR・VR機器も見ることができると考えられる。

プレミアムTV市場、OLEDの割合拡大

Bang&OlufsenとSONYに続いて、先日11日にPhilipsも韓国でOLED TVを発売した。

LG DisplayのOLEDパネルを採用したPhilipsのOLED TVは、55型と65型の2モデルで、クアッドコアCPUとHDR 10、Dolby Vision、DTSサラウンドなどの機能を備えている。

<PhilipsのOLED TV、参考:Philips>

今年9月にはドイツのLoeweもLG Displayのパネル採用した65型OLED TV 3種(bild5・bild7・bild7 edition)を韓国で発売し、Hisense(海信)も早ければ今月からOLED TVの発売を開始するとみられる。

 

特に、中国TV市場の先頭に立っているHisenseがOLED TVを発売する場合、中国内にOLED TVの認知度が向上するだけでなく、プレミアムTV市場でOLEDの割合を拡大する要素にもなると考えられる。

 

4月にLG Displayのキム・サンドン最高財務責任者(CFO)は、カンファレンスコールで従来のOLED陣営は13社から、2社増えて15社に拡大したと説明し、タクトタイムの短縮による生産性向上と中国でのファブ建設、必要に応じてLCDファブをOLEDファブに転換するなど、市場の需要増加に積極的に対応していく計画だと明らかにした。

UBI Researchが開催した「OLED/ディスプレイセミナー」で、Shinhan Investment Corp.のソ・ヒョンチョル理事は、Sonyが12年ぶりにプレミアムTV市場で1位を記録したことを述べ、Sonyの株価が2013年比445%上昇した原動力の一つがOLED TVだったと説明した。

昨年、LG ElectronicsのHE(ホームエンターテインメント)事業本部の営業利益率は8.1%で過去最高値を達成した。主要なセットメーカーは、OLEDが企業の売上高増加とプレミアムTV市場におけるシェアを高める要素だと判断しているように見える。それによって、今後のプレミアムTV市場で、OLEDの割合はさらに拡大すると予想される。

一方、UBI Researchは今年2月に発行した『2018 OLED Panel Industry Report』で、OLED TVの売上高は年平均約30%で増加し、2022年には約57億米ドル規模まで拡大すると予測した。

仮想現実市場をリードする超高解像度OLEDの競争が始まった

最近、VR機器セットメーカーとOLEDパネルメーカーがモバイル機器より優れた解像度のOLEDを採用したVR機器とVR機器用に製造された超高解像度OLEDを披露し、注目を集めている。

先日CES 2018で公開されたVIVE PROは、最近の新製品発表会で韓国で公式にローンチした。VIVE PROは解像度において、前作であるHTC VIVEの448ppiより78%向上された615ppiのOLEDを搭載した。

<HTC VIVE Pro、参考: vive.com>

それだけではなく、最近はOLEDパネルメーカーもVR機器用超高解像度OLEDを多数披露している。SID 2018でLG DisplayはGoogleと共同開発した1443ppiのVR機器用OLEDを公開した。従来のOLEDは538ppi程度だったが、LG DisplayはWRGB + CF方式を取り入れ、UHD(3840 x 4800)解像度を実現した。

<SID 2018で公開されたLG Displayの1443ppi OLED>

Samsung DisplayもSID 2018で、解像度1,200ppiの2.43型OLEDパネル2つで製造されたVR機器を展示した。このVR機器には、昨年の858ppiより解像度がさらに向上されたRGB OLEDが採用された。

Sonyも先日5月に4,032ppiのVR機器用マイクロOLED「ECX339A」の実用化を発表した。サイズは0.5型で、240fpsまでのフレーム速度にも対応できると知られている。量産開始は2018年11月の予定だ。

VR機器は目とディスプレイの距離が非常に短く、解像度が低い場合にディスプレイのピクセルが格子柄に見える「網戸現象(Screen Door Effect)」が現れる。それによって目の疲れが悪化し、現実性が薄くなるため、パネルメーカーは高解像度OLEDの開発に集中しており、SonyやFacebook(Oculus VR)などのセットめーかーも高解像度OLEDをVR機器に採用している。

近頃は、セットメーカーだけではなく、OLEDパネルメーカーも様々な方式で従来より一層アップグレードされた高解像度のOLEDとVR機器を多く披露し、今後さらに高解像度のVR用機器が実用化されていくかに注目が集まる。

Sony、UXGA解像度の0.5型マイクロOLED商品化を発表

SonyはUXGA解像度の0.5型OLEDマイクロディスプレイ「ECX339A」を商品化すると発表した。Sonyはこの製品が世界最小6.3 um画素ピッチを達成し、以前製品の「ECX337A」(0.5型QVGA (1280 × 960))より1.6倍の高解像度化に成功したことを明らかにした。

<Sonyの0.5型マイクロOLED「ECX339A」、参考: sony.co.jp>

また、従来に比べて50%の電圧で動作する新しい駆動回路を採用し、低電力駆動とともにデュアルラインプログレッシブ(Dual-line progressive)駆動方式によって、240fpsまでのフレームレートに対応できると説明した。

.<新製品(左)と従来品(右)によるマイクロOLED解像度の比較、参考: sony.co.jp>

Sonyによると、従来のマイクロディスプレイにおける高解像度化は、画素ピッチの縮小による画質の低下と視野角特性の悪化などの問題があったが、Sonyのトランジスタのレイアウトやプロセスの最適化、補正回路によって、問題を改善したという。さらに、カラーフィルターをシリコン基板上に直接形成し、発光層との距離を縮めるとともに、カラーフィルターの色配置を工夫することで、視野角特性の向上と高解像度を実現したと説明した。

<新製品(左)と従来品(右)による構造と視野角特性のイメージ、参考: sony.co.jp>

ECX339Aの量産予定時期は2018年11月で、サンプル価格は50,000円(税抜き)で設定された。Sonyは今回の製品が、画質への要求が最も多いハイエンドカメラと仮想現実用HMD(Head Mounted Display)に採用されると予想した。

<ECX339Aの主要仕様、参考: sony.co.jp>

【CES 2018】昨年と比べOLED TVの展示品17種増加、OLED陣営のさらなる拡大に期待

By Hana Oh (hanaoh@ubiresearch.com)

CES 2018に展示されたOLED TVはCES 2017に比べ、17種増えた31種で製品数が大幅に拡大した。OLED TVを展示したメーカーはLG Electronics、Sony、Panasonic、Skyworthなど全7社である。

 

今回展示されたOLED TVは55型6種、65型19種、77型6種。特に65型OLED TVの割合が多く、現在注力製品として期待感を示した。77型OLED TVも55型と同様に6種の製品が発売され、主要ラインアップに含まれていることが明確になった。

 

また、展示されたOLED TVの解像度は全てUHDで、高画質TVに対する消費者のニーズが反映されたことだと考えられる。2015年まではFHD解像度のOLED TVが展示されてきたが、2016年からはUHD解像度のOLED TVのみ展示された。

 

LG Displayのハン・サンボム副会長は現地時間の8日に開かれた記者懇談会で「2020年まで総売上高の中でOLEDが占める割合を最大40%に引き上げる」ことを明らかにし、OLED TV市場のさらなる拡大を示唆した。

 

続いて中国の主要メーカー2社がOLED陣営に参入する予定だと付け加えた。これによって、OLED陣営はLG Electronic、Sony、Panasonicなど、既存の13社から15社に増える。

 

現在プレミアムTV市場をリードしているOLED TVの成長傾向は今後も続くと期待される。

UBI Research、「2018 OLED KOREA Conference」3月7~8日に開催

グローバルOLEDカンファレンス「OLED Korea Conference」が3月7日(水)から8日(木)まで開催される。

 

今回で第4回を迎えるOLED Korea Conferenceは、二日間韓国ソウル江南ノボテルアンバサダーで『OLED with opportunity & adding value to your business』をテーマとする様々な講演や情報交換・意見交流の場になると期待されている。

 

高成長が続いているOLED産業は、今年LCDが占める中小型市場における割合より高い割合となり、大型TV市場も大きく成長すると見込まれている。OLED専門調査機関UBI Researchによると、モバイル機器用中小型OLEDパネルの出荷量は、今年約6億3,000万台で昨年比53.2%成長し、TV用OLEDパネルの出荷量は約240万台で昨年比47.2%成長するという。

 

今回のカンファレンスではMicrosoft、Boeing、Sonyなどのグローバル企業と3M、Applied Materials、Corning、Cynoraなどのリーダー企業を始めとするOLEDパネルメーカー、セットメーカー、材料・装置メーカー、大学・研究所など、OLEDディスプレイに関する韓国国内外の専門家25名が▲ View from Panel Makers about OLED Market ▲ Solution Process Technology, yet to come ▲ New Performance Development from Major SCMs ▲ New Technology Discussions for Next Generation Display or Better Processというテーマで講演行う予定である。他にもUBI Research、みずほ証券、フランスの市場調査動向企業Yole developmentによる『Opinion from Business and Industry Analysts』をテーマにした講演も計画されている。

 

特に2017年OLED産業で話題になったソニーの初OLED TV発売について、ソニーのTV事業部長Yoshihiro Ono氏は『Designs for BRAVIA OLED TV and Expectations for large screen OLED devices』をテーマにOLED採用理由とBRAVIA OLED TVの開発ヒストリー、他社のOLED TVとの違いなどを発表する予定だ。

 

OLED産業の動向と発展方向が確認できる第4回OLED KOREA Conferenceには、国内外における主要専門家200余名や産業関係者が参加すると予想され、ネットワーキングの機会とともに様々な情報やノウハウの長期的な交流が可能な企画で、多くの関心を集めている。詳しくはウェブサイトwww.oledkoreaconference.comで確認できる。

【CES 2018】主要セットメーカーのOLED TV展示

2018年1月8日から米国ラスベガスエンクルレイブコンベンションセンター(Enclave Convention Center)で、最大規模のエレクトロニクスショーCESが開催された。

 

LG ElectronicsとSonyを中心とするVestel、Changhong、Skyworthなど、大手家電メーカーが主要展示品の一つにOLED TVを紹介している中、Samsung Electronicsが展示した「マイクロLED」に対する関心も大きかった。Samsung Electronicsは世界初の「マイクロLED」技術を採用した146型モジュラーTV「ザ・ウォール(The Wall)」を公開し、製品を見るために集まった人波でごった返していた。これに対し、Samsung Electronicsは究極の画質、サイズ、形状の制限がない未来スクリーンであることを強調した。今回の展示会で公開した「The Wall」はローカルディミング3000を実現し、従来のディスプレイに比べ輝度、コントラスト比、色再現力、表現などを改善した。

<Samsung ElectronicsのマイクロLED TV「The Wall」>

特に今回は「The Wall」と従来の「ミニLED」製品を比較展示し、「マイクロLED」の優秀性を一層強調した。「ミニLED」製品は画面の上にピクセルと各モジュールのラインが見えるため、大きいディスプレイとして認識できなかった。

 

LG Electronics、Sony、ChanghongなどはSound Acoustic OLED TV製品を中心に、65型と77型OLED TVを展示した。特にKonkaは中国の伝統美を活かしたセットデザインを公開し、TVは単純な電子製品ではない、家具の一部というトレンドを反映した。これに加え、多くのセットメーカーが「壁紙(Wall Paper)TV」と「Slim」をコンセプトに、軽くて薄いOLED TVの特性を活用している。

<SonyのA8F Bravia OLED TV>

<KonkaのOLED TV>

QLED TV陣営で活躍しているTCLは今まで展示会で公開した製品より画質、色再現率など、様々な要素で発展した水準のQLED TVを披露した。TCL関係者によると、現在の市場状況ではQDが優れているため、量子ドット(Quantum dot)LCDを製造して使用しているが、今後OLED TVの発売も検討中で、中国にOLEDのみを生産する工場を建設していることを強調した。

 

LG ElectronicsはOLED TV市場をリードしており、数十個のOLED TVをつないで作ったトンネルを展示し、世界初のOLED TVセットメーカーとしての威容を示し、発展を続けているOLEDを見せつけた。2018年初めてのエレクトロニクスショーCESで、今後成長を加速するOLEDへの期待が高まる。

LGとSonyの実績向上に貢献したOLED TV

先日7日に韓国ソウルにあるCOEXで開催された「OLED/ディスプレイセミナー」で、ソ・ヒョンチョル理事は、OLED TVがLG Electronicsにおける2017年第3四半期営業利益率9.9%を引き上げたと述べた。特にOLED TVが3,000米ドル以下になり、需要が急増したと説明し、現在OLED TVを量産しているSonyとLG Electronicsが今後もプレミアムTV市場をリードすると予想した。

特にソ理事は、Sonyが12年ぶりにプレミアムTV市場で1位を記録したと説明し、Sonyの株価が2013年比445%上昇した原動力の一つがOLED TVだったと説明した。続いて「Sonyは55型と65型TVに注力することで収益構造を改善し始めた。2017年にはOLED TVをローンチし、安定的なTV事業構造を構築した」と評価した。

またLG Displayの第10世代OLEDラインへの投資が予想より早まるとの見通しを明らかにした。ソ理事は来年に開催される平昌オリンピックとロシアワールドカップによる大型OLED TVのニーズも増えつつあり、Sonyからの要請も予想されるため、OLEDラインへの投資は加速する見込みであることを明かした。

ソ理事はOLED TVパネルにおける歩留まり率の向上で、コスト削減の加速化が実現できると述べ、「55型LCDパネルの生産コストは232米ドルで、十分な歩留まりに達していいるため、コスト改善が容易ではないが、55型OLEDパネルの生産コストは現在の545米ドルから、歩留まり率の向上によって、378米ドルまで下がる可能性があり、価格競争力が一層激しくなる」と予想した。

最後にLG DisplayのE4-2ラインが2018年にフル稼働し、OLED TVパネルの販売量は290万台に達する見込みで、パネル事業の黒字転換によって、2019年にはOLED TV事業の営業利益率が17.3%になると予想した。

<LG DisplayのOLED TV戦略、参考:Shinhaninvest>

2017年のOLED TV製品数 昨年比約2倍増

2015年と2016年に比べ2017年に発売されたOLED TVモデルは大きく増加したことが示された。OLED TVは2016年に16種、2017年に29種発売され、前年度に比べ製品数は約2倍近く増加した。各企業による製品数は、LG Electronicsが最多で10種、Loeweがそれぞれ5種で次に多かった。

年度別OLED TV製品数比較

今までLG ElectronicsがリードしていたOLED TV市場は、2017年初にSonyによって世界初のOLED TV発売が決定され、大きな注目を集めた。CES 2017で初めてOLED TVを公開し、スピーカーが無くても音を発することができる「Acoustic Surface」技術で、多くの関心を呼んだSonyは55型、65型、75型OLED TVを製造し、LG Electronicsと合わせてプレミアムTV市場をリードしている。

 

2018年にはOLED TVの製品数が今まで以上に増加すると予想される。FlatPanelsHDによると、2017年初に55型OLED TVを1種のみ発売したPhilipsが65OLED973、65OLED903、65OLED873、65OLED803、55OLED903、55OLED803など、6種のOLED TVを2018年初に発売することを決定した。プレミアムTV市場をリードしているOLED TVを高価格帯の9xxモデルと低価格帯の8xxモデルに分け、多くの消費者を引き付けるという戦略のように考えられる。

 

2018年のOLED TV出荷量も増加すると見られる。UBI Researchは55型以上のOLEDパネルにおける出荷量について、2018年に240万台、2022年に910万台になると予想した。プレミアムTV市場をリードしているOLED TVが2018年にその存在感をより確実に示すかに注目が集まる。

<2018~2022年、55型以上のOLEDパネルにおける出荷量展望>

LG Display、OLED TVのプリミアム市場を席巻

韓国LG Displayにおける10月のOLED TVパネルの販売量が、韓国LG Electronics、日本ソニー、オランダPhilipsなど、主要グローバル顧客企業による販売量急増を追い風に、前年同月比2倍以上増加した。

 

LG DisplayにおけるOLED TVパネルの販売量は、10月を基準に初めて20万台を突破し、11月には販売計画が21万台を超えるなど、年末まで販売量が増加し続けている。

 

LG Displayは今年初めてOLEDTVを発売したソニーによるOLED TV販売が好調を見せたことで、北米プリミアムTV市場(55型と65型TV)において、OLED TVセットの販売数量と金額の全てが74%という圧倒的な占有率を達成した(9月NPD北米集計基準)。

 

北米ではソニーによる9月の販売量が前月に比べ2.1倍成長し、ヨーロッパではPhilipsによる第3四半期の販売量が前四半期比べ5.9倍急増した。OLED TVの本家であるLG Electronicsの販売量も、北米とヨーロッパを通じて9月の一カ月間に、前月比1.5倍急成長するなど、主要顧客企業によるOLED TVの販売量が急増した(9月NPD北米、GFKヨーロッパ/CIS14カ国集計基準)。

 

特に7月末にはLG Displayが未来ディスプレイ市場をリードするために、投資の中心をOLEDへ移動すると宣言してから3カ月も経過していない間に、グローバルOLED TVの販売量が急成長しているため、OLEDがプリミアムTV市場の主流として迅速に位置付けている。

 

このような動きは9月に開催されたIFA展示会で、グローバルTVメーカー13社がOLED TVをプリミアムTVラインアップの前面に押し出して以降、消費者の需要が急増し、年末までの需要はもちろん、来年の物量まで増やしてほしいという顧客企業からの注文が相次いでいる。

 

これによってLG DisplayのOLEDTV販売量は、今年150万台規模を予想していた市場調査機関の展望値を越える170万台以上を記録すると予想されており、来年にも270万台以上が販売されると見込まれている。

 

LG Displayは下半期に本格的な稼働を開始した坡州(パジュ)E4-2ラインの稼働率を最大化し、急増する顧客の需要に対応するという方針である。

 

LG Displayのハン・サンボム副会長は「OLEDはプリミアムTV市場の主流として迅速に位置づけており、当社の生産能力増加とともに成長し続けている」と述べた。

 

このようにOLEDへの関心が高まる中、LG Displayは最近中国とヨーロッパで「OLED Day」のイベントを開催し、OLEDの優秀性を積極的に知らせた。また、中国の8大主要都市にOLED体験館を設け、OLEDの可能性と未来技術を消費者に直接体験させ、OLED技術を継続して広めている。

セットメーカーによって異なる個性と特長を浮き彫りにしたOLED TV

韓国LG Electronicsは先日11日に、韓国国内でLG OLED TVの販売量が1カ月間で初めて1万台を超え、急速なペースで大衆化を迎えていることを明らかにした。また、2017年にはOLED TV陣営に加勢したソニーが大反響を呼びながらプレミアムTV市場に占める割合を拡大しつつある。このようにOLED TVは優れた画質とともにコスト削減による価格競争力の向上で、プレミアムTV市場を先導している。

 

現在OLED TVは、韓国のLG Display、日本のソニー、東芝、パナソニックなどで量産されている。OLED TVを量産中の全てのセットメーカーがLG DisplayのOLEDを採用しているが、メーカーによって異なる個性と特長が浮き彫りになったOLED TVを量産している。

 

LG ElectronicsはまずSignature TVであるOLED W7の特長として、OLEDならではのリアルな画質と壁紙(Wall paper)のデザインを挙げた。自発光素子のOLEDを採用し、無限大に近いコントラスト比と自然に近い豊富な色の表現を実現、Dolby Vision HDRとHDR10を採用し、リアルな画質を提供したと述べた。また、厚さ4.6mmの薄いパネルで、まるで映画館のスクリーンを見ているような経験を提供し、パネル以外の全ての部品をイノベーションステージというスペースに収納し、完璧な壁紙(Wall Paper)のデザインを完成したと説明した。

<LG ElectronicsのOLED TV W7、参考:LG Electronics>

ソニーは4K BRAVIA OLED TV A1Eシリーズの特長として、サウンド、画質、シンプルなデザインを強調した。先日CES 2017で大きな注目を集めたTV画面が振動しながら発音する「Acoustic Surface」を採用し、一層向上した没入感を提供できると述べた。また「X1 Extreme Processor」というHDRチップを搭載することで、OLED TVの画質をさらに向上し、ケーブルなどを裏側のスタンドに収納し、シンプルなデザインを実現したことを明らかにした。

<ソニーによる4K BRAVIA OLED TV A1EのAcoustic Surface、参考: ソニー>

続いて、東芝はREGZA X910の特長として、DCI-P3カバー率約100%の高い色再現率と800nit以上の高輝度を挙げた。色再現率の向上で自然な色彩を表現し、輝度の向上で明部と暗部をさらに豊富な階調で表現することができた。また、HDRの復元機能を強化し、鮮明で臨場感あふれる高画質の映像を実現したと明らかにした。

<東芝のREGZA X910、参考:東芝>

最後にパナソニックは完全なる黒の表現と豊富な色表現力を実現したと説明した。特にパナソニックの高画質技術の「ヘキサクロマドライブ プラス(Hexa Chroma Drive Plus)」を採用し、LCD TVでは実現が難しかった高コントラスト比と暗部に潜んでいた色彩まで表現し、映像の制作者が意図している映像の完成をありのまま再現したと強調した。

<パナソニックの「ヘキサクロマドライブ プラス」技術の比較、参考:パナソニック>

このようにOLED TVのセットメーカーは独自な個性と特長を浮き彫りにしたOLED TVを紹介している。先に記した4社のみならず、ドイツのLOEWEやデンマークのB&Oなども、OLED TVを既に量産している、もしくは量産開始を目指して準備を進めているなど、OLED TVの発売が続くと予想される。セットメーカーならではの独自の技術力に基づき、どのような個性と特長が強調されたOLED TVを量産するかに注目が集まる。

第2四半期 OLEDパネル出荷量、継続して増加傾向

UBI Researchによると、2017年第2四半期スマートフォン用OLEDパネルの出荷量は、9,530万枚と前年同期(9,290万枚)比2.6%増加、前四半期(9,470万枚)比0.6%増加となった。

<スマートフォン用OLEDパネルの出荷量>

韓国Samsung Displayは、2017年第2四半期に全体市場で96.7%を占め、中小型OLED市場で断然1位となった。Galaxy S8、S8+のが好調な売れ行きを見せており、Galaxy Note 8とiPhone 8の一部モデルにOLEDパネルを採用することから、中小型OLED市場でSamsung Displayの独走はしばらく続く見通しだ。

 

31日に公開予定の韓国LG ElectronicsのV30にもOLEDパネルが採用され、中国のスマートフォンメーカーもOLEDパネルの採用を拡大している。スマートフォン用OLEDパネル市場は継続して成長する傾向にあり、スマートフォン用ディスプレイの主役は、LCDからOLEDへ徐々に交代していくと見られている。

<TV用OLEDパネルの出荷量>

TV用OLEDパネルの出荷量は、37万1,000枚と前年同期(14万枚)に比べ165.0%増加し、大きく成長を遂げている。前四半期(30万6,000枚)比は21.2%増加となった。

 

今年、ソニーのOLED TV市場参入により、今後のOLED TV市場は一層拡大すると見られている。韓国LG Displayの韓国京畿道坡州(Paju)市に所在するE4新規ラインでは、第3四半期からフル稼働を開始する予定で、TV用OLEDパネルの生産量も増加が続く見込みだ。

JDI、30%の人員削減とOLEDへの事業転換を含めた構造改革案発表

液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDIが9日、グループ社員の約30%に当たるおよそ3,700名の人員削減と、外部の資本確保を含めた構造改革案を発表した。日経新聞及び読売新聞によると、JDIは中国とフィリピンの組立工場を中心に約3,500名、日本内で約200名の人員を削減し、併せて、石川県に所在するLCD生産工場の能美工場の稼働も、今年中に中止することを決めたと報道した。能美工場は、OLEDの生産拠点として活用する方策を検討中だという。

去る2012年、日立製作所、東芝、ソニーの液晶事業を統合して発足されたJDIは、LCDの経営不振やOLED事業への出遅れのため、ここ数年間、実績が悪化している。ゆえに、設立5年で初めて構造改革を行い、LCDパネルの生産ラインを見直し、2018年3月に終わる会計年度に1,500億円の減損会計を適用すると伝えられた。

又、JDIの筆頭株主且つ官民ファンドである産業革新機構が債務保証し、取引銀行から、1,100億円規模の融資を設けたことも発表した。みずほ銀行、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友信託等の大手3行が、新たな信用供与を支援する計画だと日経新聞は伝えた。

これにより、JDIのOLED事業転換に速度がつく見通しだ。JDIの東入來信博会長兼CEOは「OLED無くして将来はなし」とし、「この部門の研究開発(R&D)コストを増額する」と強調した。

JDIは「SID 2016」でRGB構造の5.2型FHDフレキシブルOLEDを展示し、「SID 2017」では5.5型FHDのFULL ACTIVE™ FLEX OLEDとLCDを比較展示し、OLEDの鮮明さとコントラスト比等のメリットを強調した。

<JDIのFULL ACTIVE™ FLEX OLEDとLCDの比較>

又、2017年4~6月期(第1四半期)に第6世代OLED蒸着装置を取り入れ、量産テスト中であると説明した。JDIが構造改革とOLED事業転換を通じて、現在の危機を乗り越えられるか、注目を集めている。

JOLED、世界初の印刷方式で21.6型OLED生産開始

JOLEDは、RGB印刷方式では世界発となる21.6型4K OLEDパネルを開発し、4月よりサンプル出荷を介したと17日発表した。

 

JOLEDがRGB印刷方式で開発したパネルの厚みは1.3mm、重量は500g、ピーク輝度は350cd/m2、コントラスト比は1,000,000:1である。JOLEDによると、このパネルは医療用モニターに採用された。

<JOLEDが開発した21.6型OLEDと詳細仕様、参考:JOLED>

JOLEDは「印刷方式は発光材料を印刷に塗布・形成する技術で、生産工程がシンプルであることから、様々な画面サイズに拡大しやすいため、実用化を進めた。OLEDパネルの光取り出し効果(Top Emission)、広視野角、式再現性を向上する予定だ」と説明した。

 

また「中型OLED市場において印刷方式の導入分野(ゲーム用モニター、自動車搭載用途など)と供給先を継続的に拡大していく」と今後の計画を明らかにした。

 

JOLEDは、日本官民合同ファンドである産業革新機構(INCJ)、ジャパンディスプレイ、ソニー、パナソニックの4社が共同出資え設立した会社で、印刷方式によるOLEDの開発に積極的に取り組んでおり、パネルメーカーの中で唯一2016年印刷方式で開発した製品を公開したのである。

<JOLEDが2016年に公開した55型4KフレキシブルAMOLEDパネル>

UBI Researchの『ソリューションプロセスOLED市場への参入可能性分析レポート』によると、印刷方式はソリューションプロセス工程の一つで、インクジェットヘッド(Ink-jet Head)を用いて各ピクセルにインクを落とす方式である。主要パネルメーカーでは、このような工程方式でソリューションプロセスを開発しており、JOLEDの今後の動きに注目が集まる。

 

ソリューションプロセスは、第8世代以上のマザーガラスでRGBピクセル構造の大型OLEDパネルが製造可能で、材料使用の効率が高く、単純な構造で開発可能のため、量産に成功したらコスト削減につながるという利点がある。

 

UBI Researchイ・チュンフン代表は、「大型OLED市場はWRGB方式を採用し、プレミアム市場攻略に向けて戦略を実行しているが、今後LCDをOLEDに置き換えていくには、低コスト・高生産性を重ね揃えた技術が鍵となるため、ソリューションプロセスがOLEDの主な技術になる」と述べたことがある。

2017年、OLED TV元年になるのか?

5月16日、LG Signature TV Wは、米消費者専門メディアであるConsumer Reportsから、TV部門評価で89点を獲得した。この評価は、歴代最高点として、同年4月に「今直ぐ買わなければならない最高の4K TV(Best 4K TVs to Buy Right Now)」部門で88点を獲得し、1位となったLG OLED TV(OLED65C7P)の記録を追い越したのだ。

 

LG Signature TV Wは、OLEDパネルだけではなく、特殊なデザインの仕上げ素材を採用し、厚みを最小化(壁掛けTVの据え置きスタンド含み4mm)し、画面以外の不要な部分を無くし、没入感を極大化した製品である。 また、先日のCES 2017では「最高賞(Best of the Best)」と「最高TV賞(Best TV Product)」を受賞し、米Engadgetより「芸術作品に近い美しいTV」と評価されたこともある。

LG Signature TV W、参考:mybroadband

また、2位に選ばれたのは、LG Ultra OLED TVとソニーOLED TVだった。Consumer Reportsにより1位から10位まで選ばれた11モデルの中で、OLEDパネルが採用されたTVは10モデルで、LCDが採用されたTVソニーのBRAVIA、1モデルだけだった。

 

このようにOLED TVは、優れた画質などの特徴を持ち、消費者から大きな関心を集めている。3月にUBI Researchが主催した第3回OLED Korea Conferenceで、LG Displayユン・スヨン常務は「米Best Buyの売り場で、OLED TVの配置が端から中央に変更された」と語り、OLED TVがプレミアムTV市場の主流になりつつあることを示した。また、多くの後発メーカーも相次いでOLED TV市場に参入し、製品発売の計画を明らかにしている。

 

東芝は、3月に55型と65型OLED TV Regzaを発売し、ドイツのハイエンドブランドLoeweも5月1日に55型と65型の4K解像度OLED TV新製品Bild 9シリーズ’を発売し、プレミアムTV市場でOLED TVが本格的に販売され始めた。

 

また、CES 2017でOLED TVを初公開し、大きな話題を呼んだソニーは、5月8日に4K BRAVIA AMOLED TV A1Eシリーズの中で、55型と65型を6月から日本で販売すると公式に発表した。パナソニックも5月14日に、4K OLED TVでありVIERA2シリーズの中で、EZ900、950、1000を6月から日本で先行販売すると発表した。

<Sonyの4K BRAVIA AMOLED TV A1E、参考:Sony blog>

UBI Research李・チュンフン代表(首席アナリスト)は、4月トピックセミナーで、2017年にソニーのOLED TVが約40万台販売されると見込ながら、OLED TV市場全体の占有率は、2017年に約27%になり、2021年には約38%まで拡大すると予想した。

ソニー、AMOLED TVを6月10日から本格的に販売開始

ソニーは、1月にCES 2017で公開した4K BRAVIA AMOLED TV A1Eシリーズの中で、55型と65型の2モデルを6月10日から日本で販売を開始すると8日に明らかにした。今回ソニーが発売するBRAVIA AMOLED TVには、韓国LG DisplayのWRGB AMOLED、4K高画質プロセッサーX1 Extreme、画面が振動しながら発音するAcoustic Surface技術が採用された。予想販売価格は、55型が50万円、65型が80万円で設定されている。また、77型の発売も計画中で、今年秋に発売する予定だ。

 

ソニービジュアルプロダクツIchiro Takagi社長は「AMOLEDパネルとX1 Extremeを採用したプレミアムモデルを通じて、最高の画質と音響、新しい没入感を提供する」とAMOLED TVの戦略について語った。

 

ソニーAMOLED TVの発売は、現在韓国のSamsung ElectonicsとLG ElectonicsがリードしているプレミアムTV市場に大きな影響を与えると予想される。

 

ソニーと直接競合するLG Electonicsは、今年発売したAMOLED TVの新製品の販売価格を昨年より低く設定するなど、戦略を実施していおり、ソニーによるAMOLED TVの発売がAMOLED TVの一般化とディスプレイ産業にどのような影響を与えるかに注目が集まる。

 

4月21日に韓国ソウル市汝矣島にある全経連会館カンファレンスセンターで開催された4月のトピックセミナーで、UBI Research李・チュンフン代表(首席アナリスト)は、2017年にソニーのOLED TVは約40万台販売され、OLED TV市場全体の約27%を占めることになり、2021年には約340万台販売され、約38%を占めると予想した。

<AMOLED TV市場展望>

「Samsung・LG・ソニー」2017年プレミアムTV市場で予想される巴戦

今年初めに開催されたCES2017でソニーが公開した‘XBR-A1E OLED TV series’の予約販売が開始され、プレミアムTV市場でソニーとLG Electronics、Samsung Electronicsの本格的な戦いが始まった。これまでに発売した製品とは異なる価格戦略による競合他社との価格競争が消費者の興味を引き付けている。

 

今回ソニーが公開した‘XBR-A1E OLED TV series’には55型と65型、77型の3種類がラインナップされた。米国市場での販売価格は3月16日Amazonを基準に、55型は4,999.99米ドル、65型は6,499.99米ドル、77型は未定だ。LCDが搭載された前モデル「XBR-55X850D」「XBR-65X850D」の発売価格より約2倍となっている。この高価格戦略は、画質の向上やOLEDパネルから直接音が出力されるアコースティックサーフェスの搭載など、OLEDパネルを採用したプレミアムTVならではの独自のイメージを構築する。。また、この販売価格は2月に公開されたLG ElectronicsのSignature OLED TV‘OLED65G7P’の価格より500米ドル、‘OLED65W7P’の価格より1,500米ドル程度低く設定されている。LG Electronicsの発売が開始されているため、価格面で優位に立つという意図が窺われれる。

 

LG Electronicsは2月にプレミアムTV市場を先占するためのプレミアム OLED TVを発売している。また、今年中にUltra OLED TVの5つのシリーズで10種類のモデル(77/65W7, 77/65G7, 65/55E7, 65/55C7, 65/55B7)を発売する予定だ。その中で‘OLED65C7’の米国での販売価格はAmazonを基準に4,499.00米ドルで、前モデルのOLED65C6に比べ25%程度低く設定され、Samsung Electronicsの65Q7Cと同価格帯だ。しかし、Signature OLED TV‘OLED65G7P’とWall Paper OLED TV‘OLED65W7’は、Samsung Electronicsの65型QLED TVの中で最も高価なQN65Q9Fより各々1,000米ドルと2,000米ドル以上高く設定された。プレミアムTV市場でもエントリーモデルとハイエンドモデルに分類し、エントリーモデルでSamsung ElectronicsのQLED TVと競い合い、高価のハイエンドモデルで新しいプレミアムTV市場を開拓していくという意味と捉えられる。

 

LG Electronics、ソニーとは異なり、QLED TVに注力しているSamsung Electronicsは3月14日、フランスパリにあるルーブル展示場で超プレミアム製品(Q7,Q8,Q9)を公開した。超プレミアム製品は、4つのシリーズで11種類のモデル(88/75/65Q9F、75/65/55Q8C、75/65/55Q7F、65/55Q7C)でFは「Flat」、Cは「Curved」を表す。この中で‘Q9’はQ7とQ8より高級型で、4月に発売される予定だ。米国での販売価格は3月14日Best Buyを基準に、65Q8Cは4,799.99米ドル、65Q9Fは5,999.99米ドルで設定された。2016年に発売されたプレミアムTVのラインナップ‘SUHD TV’に比べ、販売価格が2割以上高く、ソニーと同様に高い価格設定と100%カラーボリューム認証を受けた向上した画質を特徴にプレミアムTVならではの高級感をアピールする方針とみられる。

 

このように2017年プレミアムTV市場は、Samsung Electronics、LG Electronics、ソニーの激しい巴戦になると予想されている。OLED TVでプレミアムTV市場をリードしているLG Electronicsとそれに立ち向かうソニーのOLED TV市場への参入、Samsung Electronicsのマーケティングが2017年プレミアムTV市場に及ぼす影響に、消費者と業界関係者の注目が集まっている。

<Samsung Electronics、LG Electronics、ソニーの2017年プレミアムTV販売価格、参考:Amazon、Best Buy、2017年3月23日基準>

スマートフォンも今はHDR時代、ソニー、世界初の4K HDR適用スマートフォン公開。

MWC 2017で、ソニーは、世界初の4K HDR(high dynamic range)適用のスマートフォンXperia Z5/XZ premiumをリリースした。

特にブース中央に「From Bravia to Xperia」というキャッチ文句で観覧客たちの注目をひきつけた。

Braviaは、Sony CES 2017でリリースしたプレミアムOLED TVで(LG Displayの大面積OLED panel適用)」From Bravia to Xperia」というフレーズは、Sonyのプレミアムテレビ市場でのイメージをスマートフォン市場でも構築するためのものと解釈される。

Sony関係者によると、 「テレビ市場では、4K HDRが標準となっており、4K HDRコンテンツ制作も急激に増加している中、スマートフォン市場でも4K HDR適用の需要が増大するもの」と見られており、「Xperia XZ premiumは、4K HDRに基づいで豊かな色の表現と立体感でHDR適用のテレビ用コンテンツをスマートフォンでもリアルに楽しむことができるもの」と明らかにした。

Sonyは、プレミアムテレビ市場で、サムスン電子、LG電子とトップの座を争っており、2017年には、OLED TV発売プレミアム市場での位置をさらに強固にするものと期待されているが、スマートフォン市場では、サムスン電子とAppleに比べ、競争に遅れを取っているのが実情である。

今回ソニーの4K HDR適用のXperia Z5 / XZ premiumがプレミアムテレビ市場のようにプレミアムスマートフォン市場でも競争力を確保することができるかどうか、業界の関心が注目されている。

一方、ソニーは、今回のMWC 2017で23インチHDタッチスクリーンをインタラクティブプロジェクターに実装されたエクスペリアタッチとソニーのオープンイヤーオーディオ技術適用のワイヤレスステレオヘッドフォンのエクスペリアイヤー(Xpreia™Ear)などを同時に公開し、観覧客の大きな人気を博している。

<Sonyの Xperia XZ premium, MWC 2017>

2017年プレミアム TV価格とソニーのオーレッド陣営への加勢によるプレミアム TVの市場構図は

サムスン電子が、今回 CES 2017にて初めて公開したオーレッドテレビの Q7と Q8など、一部のラインアップについて、サムスン電子米国法人公式ホームページとアマゾンなどを通じて公開し、予約販売を行なっている。予約販売が進行中である製品は Q7ラインアップの55, 65, 75インチフラットテレビと Q7より高級型である Q8ラインアップの55, 65インチカーブドテレビで、65インチフラットテレビであるQN65Q7Fは16日アマゾン基準USD3,499.99ドル、65インチカーブドテレビであるQN65Q8CはUSD4,499.99ドルであることが調査で分かった。これはさる2016年に発売されたプレミアムテレビラインアップである ‘SUHD TV’に比べて発売価格が20%以上高い価格で、高い価格帯策定と向上された 画質を強調して、プレミアムテレビだけのイメージを構築しようとする意図として解釈される。

これに対して LG電子のオーレッドテレビ価格は持続的に下落している。昨年発売された65インチカーブドオーレッドテレビであるOLED65C6は16日アマゾン基準USD3,197.00ドルであって、2016年6月販売価格であったUSD6,000.00ドルに比べて50%くらい安い価格で売れている。また今年の販売モデルである65インチカーブドオーレッドテレビの OLED65C7の発売価格は15日アマゾン基準USD4,000.00ドルで、2016年発売製品に比べて30%安く策定されたし、サムスンの65インチカーブドテレビであるQN65Q8Cに比べてUSD500.00ドル安い。オーレッドを適用してプレミアムテレビ市場を主導しているのだけに、低い価格帯で 大衆化にもっと力を注いでいることと推測される。

 

このようにプレミアムテレビ市場にてオーレッドテレビとキューレッドテレビの価格がだんだんほぼ 等しい価格帯を形成しているため、画質とブランドイメージ、消費者のニーズ充足が重要な要素として浮かびあがっている。画質において色再現率はお互いが似たり寄ったりの性能を見せているが、明暗比と応答速度などの性能においては依然としてオーレッドテレビが優位を占めている。また、ブランドパワーとプレミアムテレビ市場にて相変わらずの位相を 持っているソニーが CES 2017でオーレッドテレビを初公開したし、スピーカーレスで音を出力する‘Acoustic Surface’技術と‘X1 extreme processor’という HDRチップを適用してオーレッドテレビの画質をより一層向上させて多くの注目を集めた。発売日と発売価格は未定だが、プレミアムテレビ市場での波及力は大きいだろうと予想されている。2017年発売されるプレミアムテレビ価格帯におけるそれぞれ違う戦略とソニーのオーレッドテレビ陣営への加勢で2017プレミアムテレビ市場がどのように改編されるのか多くの人の関心が集中している。

<2017年 65 inch Curved TV 新製品の価格比較, 出処 : Amazon.com>

[CES2017] TVの帝王-王の帰還

10年前まではTV市場の至尊として君臨したが中価TV市場でサムスン電子とLG電子に負け、低価TV市場では製品を出すこともできずTV辺方で追い出されプレミアムTV市場だけを守っていたSonyがCES2017でOLED TVを持って派手に帰還した。

Sonyは TV 市場で一番強い面貌を持っておりTVがSonyの顔の役目をしていたためいつもCESとIFAでは展示場の入口の真ん中を占めた。しかしTV 事業で数年間の赤字を出してTV事業が縮まり、去年のCES2016とIFA2016ではカメラがTVの代わりをした。展示に参加した多くの観覧客がSonyがTV事業で没落していることを実感しこれからはカメラ会社に変身すると考えた。

しかし Sonyは今までの不尽を踏みCES2017でもう一度TV市場で王になるとを宣布した。TVがカメラを退けてまた展示場の入口の真ん中を占めた。しかしこのTVは今までSonyが売ったLCD TVではなくてOLED TVである。

LGディスプレイが生産した77インチと65インチのCrystal Sound OLEDパネルにSonyが直接開発した4K HDRプロセスX1を搭載したBRAVIA OLEDを全世界に公開した。

今まで見たOLED TVとも柄が違うことが分かった。一言で表現すると「WOW」だ。世界で一番美しく格調あるTVであると表現することができる。横に展示されている既存のBRAVIA LCD TVとは比較できない状況であった。この LCD TVはQuantum dot技術を使っていてLCD TVの中では一番画質が優秀なTVである。それにもかかわらずこれらのLCD TVは新たに初公開するOLED TVとは比べることができない下等品(low grad)に転落してしまった。

Sonyの展示関係者によるとSonyがOLED TV事業を決めたきっかけはSonyが求めていた画質がついに完成されたからであると説明し量産はまだ決まっていないが今年2四半期以後になると言及した。

今までのOLED TV市場はLG電子によって主導されていたがSonyの加勢によってOLED TV市場はいっそうもっと盛り上がる見込みである。

今後のプレミアムTV市場はOLED TVを中心にLG電子とSonyがリーディングするだろう。

Sony、2017年に二つのOLED TVモデルを発売確定??

噂だけであったSonyの2017年 OLED TV市場の進出が事実と明かされた。OLED associationのベリー・ヨン(Barry Young)CEOはフォーブスにこのような事実を伝えながら、Sonyは2017年に55インチと65インチの2個のOLED TVを発売する予定だと明らかにした。

ベリー・ヨンCEOは2017年の2四半期からパネルの出荷が始まり3四半期や4四半期に本格的に販売される予定であり、55インチの4K OLED TVが約8万台、65インチのOLED TVが約12万台、発売開始予定だと述べた。

Sonyは以前にもLGDのOLEDパネルを適用したモニターを発売した事があり、今回のOLED TV用のパネルもLGDから供給を受けると知られた。 注目すべきところはSony OLED TVの価格である。 ベリー・ヨンによるとSonyの55インチOLED TVの価格は約1,999ドル、65インチは約2,999ドルになる予定であり、これはLG電子で2016年の6月に販売した55インチUHD OLED TVの価格である2,297ドル(OLED55B6, Amazon), 65インチUHD OLED TVの価格である3,297ドル(OLED65B6,Amazon)よりそれぞれ300ドルずつ安く、現在LG電子が掌握しているpremium OLED TV市場でも価格競争の構図が形成されると予想される。

まだCES 2017でSonyのOLED TVの公開は確実ではないが、生産が確かになればCES 2017でその姿を確認することができると期待される。SonyのOLED TV市場の進出によってLG電子も2017年 OLED TVに対して攻撃的な価格政策を繰り広げることと予想されているため、SonyのOLED TV市場の進出がOLED TVの大衆化にどのような寄与をするようになるのか、そしてディスプレイ産業にどのような影響を及ぼすのか成り行きが注目されている。

Sonyの PVM-X550 HDR 4K OLED モニター, source : digitalmediaworld.tv

2017年は、消費者にとってOLEDの革新性を強調できる重要な一年になると思う。

12月2日、劉備産業リサーチの主管で、ソウル汝矣島の中小企業会館で開かれた2016OLED決算セミナーで、LG経済研究院のイ・ウグン責任は、2017年が消費者にとってOLEDの革新性を強調できる重要な一年になると予想した。

イ・ウグン責任は、大型OLEDパネルから注目すべきのイッシュの一つとして、「来年のCESを迎え、現在のpremium TV市場でOLED TVはLGが市場を主導しているが、Sonyが加勢するときのインパクトを注視するべきだろう」と述べ、「まだ既存の消費者にSonyの画質に対する基本的な期待があるため、このような視点からSonyのOLED TVがどのような革新的な様子を見せるのか、また、消費者にどのような反応をもたらすかについて関心を持って観察する必要がある」と述べた。

中小型のイッシュとしてmobile phone市場でAppleのiPhone8(仮称)にOLEDパネルの採用を言及し、「Apple iPhone8にOLED displayをどんな方法で実現するか、これに通じて、果たして消費者にどれだけのインパクトを与えられるのかが重要である」と言った。また、「OLEDを適用したにもかかわらず、従来のLCDと差別化した革新性を示さなければ、消費者のOLEDへの期待が消えるかもしれない」と言い、消費者の視点からOLEDに対する意味のある反応を引き出さなければならないと強調した。

2017年にはAppleのflexible AMOLED panelが適用されたiPhoneが発売されると期待されており、SonyもOLED TV事業への進入について継続的に検討していると確認された。2017年にはOLEDを適用した製品を発売するset企業がもっと増えると期待される。消費者が、複数のメディアの報道と噂を通じて、従来のLCD製品とは違う「OLED製品だけの全く新しいもの」を期待している状況で、2017年はOLEDの革新性を強調し、商品性を打ち出すこのできる重要な一年になると思われる。

[KVRF 2016] VR産業でもOLEDが主導

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)産業の現在と未来をみることができるKorea VR Festival 2016(以下、KVRF2016)が10月6日から9日まで上岩(サンアム)DMCヌリクムスクェオで開催された。

 

今回の行事には、サムスン電子、サンファ企画、オキュラス、ソニーなどのグローバル企業をはじめ、企業79社が参加したし、共同制作センターと野外センター、ビジネスセンターなどに約157個のブースが設けられ、各メーカーの新技術を確認することができた。

<サンファ企画の巨大ロボットアームを用いたVRシミュレータ>

最近、ポケモンGOによって、VRとARについての関心が高まっている中、多くの見物客たちが興味を持って訪問したし、各企業は、それに合わせてFPSやスキージャンプなどのゲームコンテンツをはじめ、ローラーコースターとパラグライディング、石窟庵体験など、様々な体感型コンテンツを披露した。それだけでなく、BIOTECHでは、アイトラッキング(Eye-tracking)連動型認知集中力訓練システムを、そして、P&C Solutionでは、軍シミュレータ用VRゴーグルを披露するなど、単純にゲームに限定されず、VR産業が教育や健康、軍分野など全分野にわたり、多様に適用することができるということを示した。

<エムゲームのローラーコースター体験用VR4D シミュレーター製品>

フェスティバルに参加し、歩き回りながら興味深かった点のひとつは、大多数の高価なヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)機器には、AMOLED パネルが使われたということである。13日発売予定のソニーのソニープレイステーション(Sony Playstation) VRからサムソンギア(Samsung Gear) VR、そして中国企業のうち、Nibiruという会社でもサムソンのAMOLED製品を適用した。メーカー関係者たちの共通した意見によると、LCDの本質的問題であるバックライトユニット(BLU:Back Light Unit)とコントラスト比の対するイッシュもあるが、レイテンシ(Latency)という反応速度と関連のある問題が原因でAMOLEDを適用すると明らかにした。よく、レイテンシとは、オンラインゲームでのコンピュータとコンピュータ間の連結による遅延時間を言う。しかし、VRではユーザーの頭の動きに応じて、仮想現実も、新しいイメージを迅速にロードしなければならないが、この視線を移すたびに発生する遅延速度をLCDで具現するには無理があるからだそうだ。いくら、演算能力が優れた製品であってもスクリーンに表示される遅延時間を「0」に近づけるためにAMOLED適用は必須である。

<近日発売予定のプレイステーションのVR製品たち>

このように、展示場の多くの企業とスタートアップ企業が自社のVR技術力を誇っているし、江南では、国内で最初にVRカフェがオープンするなど、VRについての関心がますます高まっているが、国内ではまだVR関連規制が曖昧で、明確に標準化されていないため、収入モデルさえまともに設定することが難しいという現実的な話を聞いた。法規制によってビジネスモデルが変わるし、メーカーのVR産業への参加にも影響があるので、政府はVR産業のグローバル競争力強化のために、体系的な収益プラットフォームを用意するための適切なサポートと方案を提供すべきである。