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[2019.04.23] OLED Daily News

▶中国の人海戦術生産……不安なOLED (THE DONG-A ILBO)

(記事全文: http://news.donga.com/3/all/20190421/95157197/1)

中国企業の物量攻勢で液晶表示装置(LCD)に続いて有機発光ダイオード(OLED)産業も供給過剰問題に直面しかねないという懸念が提起された。LCDパネル価格が急落し国内のディスプレイメーカーらの第1四半期(1∼3月)業績が大幅に悪化した中、新しい成長動力と目星をつけたOLEDも遠くない将来に供給過剰の危機に直面しかねないという分析だ。

21日、ハナ金融経営研究所が最近発刊した報告書によると現在BOEとCSOT、TCLなどの中国メーカーが建設しているOLED工場の生産能力が韓国の二倍に達するものと集計された。

 

▶ 一般照明用OLED事業からの撤退……”ニューLG”の選択と集中が加速化 (The Korea Economic Daily)

(기사 전문: https://www.hankyung.com/economy/article/2019042211521)

LGグループが未来成長に向けた事業ポートフォリオの再編作業に拍車をかけている。 LGディスプレーが一般照明用OLED事業から撤退することにしたのも,その一環だ。 “選択と集中”戦略は昨年グループ代表を務めたク·グァンモLGグループ会長の”ニューLG”を貫くキーワードになった。

22日LGグループなどによると、LGディスプレーは新成長動力として推進してきた一般照明用OLED事業を放棄した。 新規OLED生産ラインで製品の量産を始めてから1年6ヵ月ぶりだ。

LGディスプレーは慶尚北道亀尾(キョンサンプクト・クミ)の5世代OLED専用ライン(P5)で生産する照明用OLED量産を段階的に縮小して市場から撤退するという結論を下したという。 その代わり成長性が大きく、グループの自動車電装(電気·電子装置)事業とシナジーを出せる車両用OLED市場に集中することにした。 グローバル車向けヘッドランプメーカーであるZKWの買収を通じ,LGが車両向け照明に力を入れていることも影響した。

LGディスプレーは2017年末’ルプルレクス’という新しいブランドを発売し、一般照明市場に進出した。 しかし従来のLED(発光ダイオード)照明メーカーとの価格競争などで遅れを取ると,事業放棄を決めたという。

LG Display、未婚の母のためにOLED照明に明かりをつける

LG Display が30日、未婚の母30人に職業員が直接製作したOLED照明灯とベビー用品を届けた。

今回のボランティア活動は、OLED照明事業担当の役職員が才能を寄付する形で行われた。OLED照明事業チームはフレキシブルOLED照明パネル30個を寄贈、商品企画チームは未婚の母に合わせた授乳灯を特別にデザインした。

先日27日に役職員のボランティアは、社会的企業を介してオーダーメイドした木工部品で照明器具とパネルを組み立てて完成品にした。さらに、赤ちゃんに必要な様々な用品と未婚の母を応援するために書いた手紙を添えてラッピングした。作り上げられたギフトセットは30日に東方社会福祉会により、未婚母子施設で生活している30人の母に届けられた。

OLED照明は、目の健康に影響を与える光の点滅現象やブルーライトが少ないため、柔らかな光が目の疲れを減らす。また、発熱が少なく、有害物質もない、環境にやさしい製品として指折りと評価されている。OLED照明の特性をよく知っているからこそ、それぞれの才能を活かして母子の生活環境に合った授乳灯を直接製作することができた。

ボランティア活動に参加したOLED照明営業1チームのキム・ヨンジン氏は「いつも仕事で触れているOLED照明を必要としている人に届けることができて、やりがいを感じた」と言い、「小さなことにも喜ぶ姿を見たら、ボランティア活動がこんなに楽しいことだったのかと、改めて思い知らされた」と感想を語った。

Source: LG Display

 

L+B 2018 OLED照明市場でもフレキシブルが本格化

OLED照明市場でもフレキシブルなデザインへの変化が本格化を迎えている。

Light+Building 2018ではLG Displayだけでなく、OLEDWorks、Sumitomo ChemicalもフレキシブルOLED照明を展示し、LED照明との差別化を図った。

特にOLEDWorksとSumitomo Chemicalは初めてフレキシブルOLEDパネルを公開し、多くの来場者から注目された。

OLED Worksは薄板ガラスを採用したフレキシブルOLEDパネル「Brite 3 FL300C」を公開した。スペックは1万時間と57 lm/W@8,300 cd/m2、または5万時間と63 lm/W@3,000 cd/m2となる。

Sumitomo Chemicalが公開したフレキシブルOLEDパネルは、PI基板を用いてソリューションプロセス工程で製造し、効率は50 lm/W@1,500 cd/m2、寿命は約2万時間程度である。

<OLEDWorks(左)とSumitomo Chemical(右)のフレキシブルOLED照明パネル>

2社が公開したフレキシブルOLED照明パネルはプロトタイプで、現在量産を進めているLG Displayのフレキシブル照明OLEDパネルの性能である55 lm/W、3万時間と同様レベルだ。この2社がフレキシブルOLEDの量産を開始したら、フレキシブルOLED照明市場に大きな変化が起きると期待されている。

一方、OLED照明市場の先頭に立っているLG Displayは、昨年12月にOLED照明ブランド「Luflex」をローンチして以来、初めての展示会となるLight+Building 2018で、フレキシブルOLED照明で実現できる多彩なデザインの照明を展示し、来場者から大きな注目を集めた。LG OLED Design Competition 2017で受賞した6作品が展示され、フレキシブルOLED照明の特長を最大限に活かしたデザインによるLED照明との差別化が目立ったという評価が多かった。

<LG OLED Design Competition 2017の受賞作>

自動車のリアランプ向けOLED照明は本格化するか

2018年、自動車のリアランプにOLED照明を採用した製品が再び市場に出される予定だ。

 

3月18日からドイツ・フランクフルトで開催中の展示会「Light+Building 2018」で、LG DisplayはMercedes-BenzのS-Class Coupeに採用する予定のリアランプを展示した。今回展示したOLEDリアランプは、昨年10月に開催されたフランクフルトモーターショーで初めて公開され、33つのリジッドOLEDとLEDが組み合わせられたデザインで構成されたいる。

<LG Displayで公開したMercedes-Benz S-Class CoupeのOLEDリアランプ>

LG Displayの関係者は「リジッドOLEDリアランプは15年の寿命と-40~80℃の温度テストなど、完成車メーカーから提示された要求事項を全て満たすことができた」と述べ、今後リジッドOLEDリアランプ市場への期待感を示した。また「OLEDならではの自由なデザインは他の照明では実現できないレベルで、フレキシブルOLEDに対する完成車メーカーの要求事項を満たす場合、自動車のリアランプ向けOLED照明市場は大きく成長できる」と語った。

 

OLEDリアランプを採用したMercedes-BenzのS-Class Coupeは、今年の上半期中に発売される見込みで、限定版として約2万台を生産する予定だ。

 

UBI Researchは車載用OLED照明市場について、2018年から2023年まで年平均81.1%で成長し、2023年には6,700万個を出荷すると予想した。

<車載用OLED照明パネルの出荷量展望>

一方、LG Displayは今回の展示会で、フレキシブルOLED照明パネルを採用したリアランプのプロトタイプと世界で初めてCrystal Soundを搭載したOLED照明、フレキシブルOLED照明パネルを採用した多彩なデザインの照明を披露し、来場者から大きな注目を集めた。

<LG DisplayのフレキシブルOLED照明パネルを採用したリアランプのプロトタイプ>

第10回カーエレJAPANで多くのメーカーが車載用OLEDディスプレイと照明を展示

By Hana Oh (hanaoh@ubiresearch.com)

車の内外にOLEDディスプレイと照明の活用範囲が広がると予想される。

 

Samsung ElectronicsはCES 2018でOLEDを採用したインストルメントパネルを公開、LG Electronicsは14型台のOLEDを採用したセンターフェイシア(Center Fascia)を公開するなど、OLEDセットメーカーによる車載用OLEDアプリケーションの展示が続いて行われている。

 

17日東京ビッグサイトで開催された第10回国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN)においても、TianmaとTrulyを始めとする多くのメーカーが車載用OLEDディスプレイと照明を展示した。

 

Tianmaは4.2型、5.46型、5.99型OLEDパネルを展示した。5.99型OLEDはフルスクリーンタイプで、関係者は「視覚的な影響を大きく受ける車載用ディスプレイの特性上、フルスクリーンはモバイル機器のみならず、CIDとナビゲーションなど、車の内部にも採用される」と明らかにした。また、5.46型と4.2型OLEDパネルの輝度は650 cd/m2で、日差しの強い屋外でも視認性を確保しなければならないため、高い輝度のOLEDパネルを製造したと付け加えた。今回展示されたOLEDは全てリジッドタイプであるが、今後Unbreakable(割れない)フレキシブルタイプのOLEDも製造すると説明した。

<Tianmaが製造した車載用OLEDパネル>

Trulyは5.5型OLEDパネルを展示した。関係者は詳細仕様は公開できないが、現在車載用ディスプレイとして採用するためには、信頼性をの面でさらなる発展を遂げるべきだと語った。続いて、自律走行車のように車はこれから発展していく要素が多いだけに、視覚的な情報を提供できるディスプレイの重要性もますます増え、それに向けた投資も進められることを明らかにした。

 

最後にNippon Electric GlassはOLEDWorksと共同で製造したOLED照明を公開した。これについて、関係者は「車の室内照明と尾灯(テールライト)向けに製造した」と説明し、「OLED照明基板をIEL(Internal Extraction Layer)に用いることで、室内照明に採用すると効率向上、尾灯に採用すると視認性改善の効果がある」と述べた。

<Nippon Electric Glassが展示したOLED照明>

LG DisplayとOsramなどのOLED照明パネルメーカーは、Mercedes-BenzとBMWのような完成車メーカーに尾灯用OLED照明を納品したことがあり、特にLG Displayは昨年12月に第5世代OLED照明パネルの量産ラインが稼働を開始したことを発表するなど、OLED照明市場が本格的に開花すると期待されている。

LG Display、照明事業の本格化に向け OLED照明ブランド「Luflex」ローンチ及び世界最大規模生産ライン稼働開始

LG Displayが新成長動力として集中的に展開しているOLED照明事業が本格化を迎える。LG Displayは7日、世界最大規模のOLED照明生産ラインを稼働することを公式に発表し、OLED照明ブランド「Luflex」を披露した。

<LG Displayの照明ブランド「Luflex」、参考:LG Display>

LG DisplayはOLED照明の本来の価値に焦点を当てた代表ブランド「Luflex」を公開した。「Luflex」は光、光彩を示す「Lux」と折りたたんだり曲げたりできるOLEDの構造的特徴と無限の活用可能性を示す「Flexibility」を合成した表現である。LG DisplayはOLED照明の優秀さを感性的に伝えられる「Luflex」で、市場における影響力を拡大し、OLED照明を代表するNo.1ブランドに成長させる方針だ。

 

最近本格的に量産を開始したLG Displayの龜尾(Gumi)工場の第5世代OLED照明生産ライン(1100㎜×1250㎜)は世界最大規模で、既存の月4,000枚規模の第2世代生産ライン(370㎜×470㎜)と比較し、約30倍以上多く生産できる。LG Displayは1万5,000枚で量産を開始し、徐々に生産量を増やしていく計画で、大量生産による品質向上と価格競争力確保を同時に図り、市場占有率拡大が加速すると見込んだ。

<LG Displayの第5世代OLED Lighting工場全景、Source: LG Display>

LG Display OLED照明事業担当のパク・ソンス常務は「Luflexブランドのローンチと世界最大規模の生産ラインによる量産開始は、LG Displayが持っている独自のOLED技術と市場に対する自信を基に行われたことである」と述べ、「新しいブランドでOLED照明の無限な価値を積極的に訴求する一方、OLED照明市場を先導していく」と強調した。

 

OLED照明は有機物による自発光の特性を活用する製品で、電力消費と発熱が少なく、環境にやさしい自然光に近い。また、薄くて軽いという構造的特性で、透明やフレキシブルを実現するなど、デザインの自由度が非常に優れており、未来価値が高い。

 

LG DisplayはOLED照明の光源を提供するB2B企業として、今後照明器具メーカー、自動車部品を生産する電装品メーカーなど、様々な顧客企業と共同で、広告やマーケティングにも先駆ける予定である。

 

最近LG Displayが見せてきた限界を乗り越える革新的なデザインのOLED照明作品を接してきた市場における期待が一層高まった状況であるため、照明事業の本格化は意義は極めて大きい。デザインの自由度のみならず、環境にやさしくて優秀な品質を持っているOLED照明は、世界有数自動車ブランドから尾灯の光源としてラブコールを受けており、高級ショップでの差別化されたインテリア要素としても脚光を浴び始めた。LG Displayは自動車用照明を始めとする一般照明市場へ次第に拡大していく計画である。

 

一方、UBI Researchが発刊した「2017 OLED Lighting Annual Report」では、世界OLED照明パネル市場は2020年から大きく成長し、2021年には約19億米ドル規模に達すると予想されている。

次第に領域を拡大しているOLED照明

OLED照明が次第に採用可能領域を拡大していることで、OLED照明市場の開花への期待感が高まっている。特にLG Displayは最近OLED照明の生産ラインを稼働する準備を整え、顧客企業向けのマーケティング活動を積極的に展開しており、OLED照明市場が本格的に拡大するかに注目が集まっている。

 

LG Displayは最近韓国ソウル淸潭洞にあるbaskin robbins BROWNにOLED照明を納品したことを始め、明洞にあるコスメショップIOPEに‘Transparent Connections’が採用されたOLED照明を納品したことを伝えた。LG DisplayはOLED照明の厚さが0.88mmと非常に薄いため、審美的効果が高く、発熱が少なくて化粧品などの展示商品には影響を与えないと説明した。

<IOPEのショップで使用されているOLED照明、参考:lgoledlight.com>

今までのOLED照明市場は、モバイル機器とTVに積極的に採用されているOLEDディスプレイ市場に比べ、成長が遅れていた。しかし、OLED照明は薄くて軽く、柔らかいパネルを実現できることから、次世代照明として注目を集めつつ、そのような特性を活かし、室内照明に限らず、自動車用照明や展示用照明など、様々な分野に広く採用されている。

 

最近はIKEAが7つのOLEDパネルが採用された照明器具‘Vitsand’を発売したことを明らかにし、Mercedes-Benzは2018年型Benz S class CoupeとCabrioletのバックランプ(後退灯)にOLED照明を採用するなど、次第にOLED照明の地位が高まっている。.

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED Lighting Annual Report』では、OLED照明パネルの世界市場規模が2020年から大きく成長し、2021年には約19億米ドルに達すると予想している。

Fraunhofer Institute 、 ISAL 2017で電装用のflexible OLED照明を披露する予定

OLEDモジュールの開発と製作を専門的に行っているFraunhofer Instituteが9月25日から27日までドイツのダルムシュタッとで行われるISAL 2017にて色調節が可能な電装用flexible OLEDを披露する予定であることを明らかにした。Fraunhofer Instituteは去る2015年rigid基板を用いて色調節が可能なOLEDを公開したことがある。

2015年以降、Fraunhofer Instituteはflexible OLED照明を開発し続けてきた。今回のISAL 2017にて披露するflexible OLED照明は黄色と青色2色で色の切換が可能で2色を同時に発現して白色光を表現することもできると知られている。

Fraunhofer Instituteはflexible OLED照明が従来の車の照明を代替することができるだけではなくて天井や屈曲のある部分など設置が難しいところにも適用できると見込んだ。従来の照明はSMPSや放熱板が必要で柔軟な特性が足りなかったため設置の制約があったが、flexible OLED照明は薄くて軽い上にデザイン自律性が優れて車の内部に広範囲にわたって適用されると期待を集めている。Fraunhofer Instituteはflexible OLED用の基板が超薄膜ガラスや金属またはプラスティックフィルムで製造できると説明した。

<Fraunhofer Instituteの電装用flexible OLED照明、 出所: Fraunhofer Institute>

最近のOLED照明は車の室内外に適用されて次世代電装用照明として注目を浴びている。カスタマイズド自動車サービス会社であるChangscustomはOLED照明を車の内部に設置してSeoul Auto 2016に展示し、LG DisplayとOsramなどOLED光源メーカーはMercedes-BenzとBMWなどの完成車メーカーにtail light用のOLED光源を納めた。

一方、ユビ産業リサーチでは最近発刊した2017 OLED Lighting Annual Reportによると電装用OLED 光源は2017年640万ドルから2025年21.1億ドルに年平均107%の成長率を記録すると予想した。とりわけflexible OLEDの光源が2021年まで95%以上の市場占有率を占めて、flexible OLEDの光源がrigid OLEDの光源より積極的に採用されると見込んだ。.

OLEDの光源市場は9月末から本格稼働されるLG DisplayのGen5 OLED光源量産ラインを始めとして本格的な市場開花が期待されている。OLEDの光源市場がOLEDディスプレイ市場ほど刮目に価する成長ぶりを見せるかその成り行きが注目されている。

Merck、フランクフルトモーターショーで、未来の自動車に採用されるOLED材料を展示

ドイツMerckは、24日フランクフルトで開催されたIAA(International Motor Show) 2017に初参加し、自動車のテールランプ用OLED材料を展示することを明らかにした。

 

Merckは、OLEDの主要発光材料をディスプレイメーカーに供給している電子材料関連の専門企業である。今回の展示で、ディスプレイのみならず、次世代OLED産業として注目されているOLED照明産業においても、OLED材料の先導企業として地位を確立すると期待を集めている。

 

Merckは、L+B 2016で発光材料を用いたOLED照明パネルを展示し、IMID 2016で様々な車載用OLED材料を展示することで、OLED照明産業に積極的に参入するという意思を示した。

 

また、IAA 2017(展示ホール3.1、スタンドブースA21)で、未来の自動車(Car of Tomorrow)にOLED材料を含めたスマート化学材料がどのように採用されるか来場者に紹介する計画である。

 

Merck自動車プラットフォーム責任者のDieter Schroth氏は「Merckの材料は、既に自動車の機能性や審美性を向上するために多く用いられている。デジタル化と連結性が重視される時代において、Merckの技術はIAAで披露する以上の高い潜在力を持っている」と述べた。

 

テールランプ用OLED材料の他にも、スマートヘッドライトシステム、スマート衛星アンテナに採用される材料、内・外装材表面用顔料など、革新的で様々なソリューションを披露する計画である。

<Light and Building 2016で展示したMerckのOLED照明パネル>

<IMID 2016で設置したMerckの展示ブース>

次世代OLED市場が予想できるネットワークの場、iMiD 2017 Industrial Forum

■ 「OLED新市場開拓に挑め」:OLEDアプリケーションの発展から見たOLED代替に関する論議

■ 「未来型ディスプレイの新技術に関する論議」:LCD、QD-LCD、OLED

OLEDはスマートフォンとTVのみならず、VR/AR、自動車、航空、照明などの全産業分野における拡散や融合可能という点から、今後のOLEDは発展する可能性が高い。そのため、様々な産業によるOLEDへの興味は増加を続けている。

 

このように高まる需要を満たすために、市場調査専門機関であるUBI Researchは、韓国ディスプレイ学界(KIDS)と30日(水)に韓国釜山にある国際コンベンションセンターBEXCOで「iMiD 2017 Industrial Forum」を共同開催する。

 

本フォーラムは、各分野の主要人物の発表やディスカッション(Panel Discussion)が行われる。ディスプレイだけではなく、様々な産業に従事している来場者に現在のOLED技術と市場情報を知らせ、今後切り開かれる新市場を模索する機会になると予想される。

 

第一に「OLED新市場開拓に挑め」セッションでは、OLEDアプリケーションの発展から見てみるOLED代替について発表が行われる。當摩照夫(Teruo Tohma)博士、韓国電子通信研究院(ETRI)のチョン・ウソク責任研究院、米国The Boeing CompanyのJulian K chang総括委員、山形大学の菰田卓哉(Takuya Komoda)教授、アルパイン株式会社の大西道久(Michihisa Onishi)首席研究員が講師を務める。

 

第二に「未来型ディスプレイの新技術に関する論議」セッションでは、次世代ディスプレイ技術の競争が繰り広げられている各TVメーカーの最新製品と技術動向について確認できる。LCD TV分野を代表する韓国Samsung Electronicsのノ・ナムソク常務は「Quantum Dot and Advance of LCD-TV」というテーマに、 量子ドット(Quantum Dots)技術の活用で改善されたLCD TVについて発表する予定である。

 

OLED TV分野においては、韓国LG Displayの担当者ヤン・ジュンヨン氏が「OLED、Now and Future」をテーマに、現在の市場及びトレンドによるOLED TVの現況に関するレビュー、フレキシブルと丸められる(Rollable)ディスプレイなど、様々なデザインを実現できるOLEDの未来について論議を行う。

 

次に、中国TCLの曹蔚然(Weiran Cao)首席研究員は「TCL Display Technology with QDs」をテーマに、TCLで研究開発を実施しているColloidal Quantum Dots技術の現況とLCDが採用されたTCL製品について発表する予定で、中国のプレミアムTVにおける戦略を確認できると期待を集めている。

 

今回のフォーラムを共同主催するUBI Researchのイ・チュンフン代表は「プレミアムTV市場拡大によるOLED TV市場展望」をテーマに、先に行われた発表内容を市場の観点から分析し、プレミアムTV市場の展望をまとめる時間を設けた。

 

「第17回 iMiD 2017 Industrial Forum」に関する詳しい情報は、‘iMiD 2017公式ウェブサイト(http://imid.or.kr/2017/indi_forum.asp)’で確認できる。

LG DisplayのOLED照明‘Medusa’、MIAW受賞

韓国LG Displayは、4月にイタリアミラノで開催されたEuroluce 2017で公開した‘Medusa’が、MuuuzとArchiDesignClubが共同主催するMIAW(Muuuz International Awards)の照明部門を受賞することを5月31日公式サイトにて発表した。MIAWは毎年、建築と建築物のレイアウト、コーティングと材料、家庭用家具、照明、台所とお風呂場、アウトドア用製品等、最も優れている新製品を選定する。

‘Medusa’は、世界的な権威を持つ産業デザイナーRoss Lovegrove氏と共同開発したOLED照明で、クラゲをモチーフに製作したため、形を自由自在に変更できる。LG Displayは、‘Medusa’の他にも、3Dプリンティングで製作したボディーとフレキシブルOLEDを貼り合わせた‘Pyrosome’を披露した。

<LG DisplayのフレキシブルOLED照明‘Medusa’>

LG Displayは、今回の受賞をきっかけに、フレキシブルOLED照明がOLED市場の発展を促進し、未来のOLEDデザインに大きなメリットを提供すると受賞の感想を伝えた。MIAW授賞式は、2017年6月にフランスパリにあるGrand Hotel Intercontinental Paris Operaで開催される予定だ。

紙のように柔らかく曲がるOLED照明、‘Roll-to-Roll’生産技術開発

<韓国機械研究院先任研究員クォン・シンと‘Roll-to-Roll’OLED生産装置、参考:韓国機械研究院>

韓国政府未来創造科学部傘下の韓国機械研究院(KIMM、院長:朴・チョンホン)は、中小企業GJM(代表李・ムンヨン)と共同で簡単な工程でフレキシブルOLEDを製造する300㎜規模の‘Roll-to-Roll’生産技術を韓国で初めて開発した。

 

KIMMの先端生産装置研究本部の印刷電子研究室は、既存のRoll-to-Roll印刷電子技術をOLED生産工程に適用することに成功した。Roll-to-Roll真空蒸着装置を導入すればロール状のフィルムにOLED発光有機層と金属電極層を順番に蒸着しながら、一つのチャンバーで柔らかいOLEDを

製造できる。同装置で製造するOLEDは1ナノメートルから数百ナノメートル(㎚)の薄い多層の有機・無機薄膜で構成れており、各層は真空熱蒸着工程を経て製造される。

 

今まで柔らかいOLEDディスプレイを製造するには複雑な工程を経なければならなかった。フィルムを張り付けたガラス基板の上面を蒸着することでOLEDを製造した後、そのガラス基板からフィルムを剥がす方式だった。韓国大手企業が発売した画面の一面が曲がっているスマートフォンのディスプレイも同じ方式で製造されている。段階別に多数の蒸着装置が必要になるだけではなく、更に一度張り付けたフィルムを剥がす作業を行わなければならないため、効率が悪かった。

 

今回開発された技術を導入すれば、真空状態のチャンバー内にロール状に巻かれているフィルムを流し、その上に有機層と無機層を連続的に蒸着する‘多層蒸着’工程でOLEDを製造できる。製造に必要な時間と設備が大幅減少し、大手企業や中小企業でもこの柔らかいOLEDが製造できるようになる。

 

この工程を利用し、まずは照明産業へ適用する。生産されたOLED照明は従来のLED照明と異なり、点ではなく面単位で製造することができる。また柔らかい性質を活かして簡単に必要な形に仕上げられる。

 

KIMMクォン・シン先任研究員は「Roll-to-Roll真空蒸着装置の導入で、次世代ディスプレイとして注目されているフレキシブルOLEDを簡単な工程で連続生産できる。今、韓国ではディスプレイ分野の研究開発が停滞しているが、中国が激しいスピードで迫ってきている。このRoll-to-Roll印刷電子技術は、中国との技術力の差をつけ、さらに先にいくための鍵となる主要技術だ」と述べた。

 

また「実際のディスプレイ製品に使われる赤/緑/青の画素を個別に製造できる微細パターンマスク整列する技術を開発している。この技術が完成したら高解像度のディスプレイに導入し、類似技術を開発しているドイツFraunhofer研究所やコニカミノルタとも格差をつけられる」と付け加えた。

 

今回の開発は、KIMMが自体的に実施している技術事業化支援プログラムACEの支援により先行研究を踏まえ、2015年10月からは産業通商資源部の経済協力圏事業の支援を受け、GJMと共同研究開発を進められているGJMはOLED蒸着源に関する主要技術を保有している強小企業で、最近は台湾、日本、中国企業に蒸着元を納品する実績を積み上げ、‘Roll-to-Roll’OLED生産装置の本格的な普及に取り組んでいる。

OLED市場調査の専門機関であるUBI Researchの2014年のレポートによると、2020年OLED照明市場の規模は45億米ドルまで成長すると見込まれている。ディスプレイ市場調査の専門機関 IDTechEXの2015年のレポートでもプラスチックとフレキシブルディスプレイ市場は2020年に160億米ドルまで成長する見通すなど持続的拡大が予想されている。

OLED技術、自動車に続き、航空産業まで、その領域を拡大

有機発光ダイオード(OLED)技術が融合された飛行機をすぐに会うことが見込まれる。

 

既存のOLED市場で、ディスプレイはモバイル分野で、ライティングは、室内照明分野に適用されたし、いくつかのメーカーでは、車両のリアランプ(rear lamp)やダッシュボード(dash board)にこれを適用するためのプロジェクトを進行中だといわれていた。

 

しかし、国際家電展示会(IFA)2016が開かれたドイツのベルリンで、LGグォン・ボンソクHE事業本部長(副社長)が記者懇談会を開き、「海外航空会社2社と航空機用フロントモニタと窓などにOLEDディスプレイを設置する案を協議していて、これは、座席用だけでなく、窓などをすべて含むもので、適用する時点については議論する必要がある。」と言って、OLED産業が本格的に拡大されていることを明らかにした。

 

特に、ルミオーテックやオスラム、そしてLGイノテックなどをはじめとするいくつかの会社が室内用OLED室内照明及び他の分野にOLEDを適用するための技術を披露したことがあり、他のパネルメーカーも航空産業融合のために技術開発をしていることが知られ、新しいアプリケーション創出に対して、成り行きが注目されている。

 

OLEDは、薄くて軽い特性を持っていて、曲がるように設計することが可能なので、大きな体積を占めることなく、空間の活用度が高い。このような特性のために、位置や空間的制約なしに簡単に設置することができ、窓にOLEDが搭載されれば透過率の調節を通して、乗務員が窓を確認しなくても、自動的に光の透過を調節することはもちろん、ディスプレイを通して、乗客が知りたがるフライト情報などを確認することができるようになるし、中央のディスプレイや計器板などの大きさと形を多様化することができるだろう。

 

このような視覚的効果以外にも、飛行機の総重量を下げ、燃料節約に貢献することが期待される。2014年 英国政府出現機関のプロセスイノベーションセンター(CPI、Centre For Process Innovation)で発表した内容によると、OLED適用時, 従来対比航空機の動体及び燃料の重量が減少され、固定的な燃料消費量の節減効果があることと予測したし、さらに消費電力と発熱も低く、冷房によって消費される燃料も節減し、温室効果ガス排出も最小限に抑えることができるものと期待している。

<CPIのOLEDディスプレイが適用された飛行機内部のコンセプト写真>

これに加えて、OLED関連アプリケーションと市場も順調に成長するものと見られる。市場調査会社ユービー産業リサーチで発刊した2016 OLED Display Annual Reportによると、2016年AMOLED市場が14,800 million USD規模で形成されると予測したし、2020には約71,705 million USDで約49%の年平均成長率を予測している。また、OLED ライティングも、企業の投資が本格的に始まる2019年からの売上高が大幅に増加し、2025年には7,500 million USD以上の市場が形成されると予想することから、今後、様々な形でOLEDディスプレイあるいはライティングが融合されたアプリケーションに会うことができると期待される。