「マイクロLEDは、今後60型と70型以上のTVに採用されるにあたり、予めOLEDなど他のディスプレイと比較して価格競争力をどのように高めていくかを考えなければならない」
先日26日に韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催されたUBI Research主催の「OLED最新技術動向セミナー」で、順天郷大学ムン・ダイキュ教授は、マイクロLED技術について説明する際、このような発言をした。
ムン教授は「マイクロLEDは、1,000ppi以上の高解像度ディスプレイを実現できる技術として注目を集めている」と言い、「LEDウェハーからフォトリソグラフィ工程を経て、マイクロLEDを個別に製造できるため、基板のサイズと形状に影響を受けないという点と輝度と寿命、低電力など、従来のLEDが持つ利点をそのまま活用できる」と説明した。
また、ウェアラブル機器のように消費電力が非常に重要な分野では、マイクロLEDの利点が有利に作用すると予測し、他にも業務用ディスプレイやデジタルウォールなど、超大型ディスプレイ分野で、ノーベゼルディスプレイを実現できるため、比較的に参入が容易な領域になると見通した。
しかし、最近話題になっているマイクロLED TVの量産について、ムン教授は「4Kを実現するためには、10 umサイズのLEDチップが2,480万個必要だが、現在実用化されている4型ウェハーからだと、4Kパネルを2回しか生産できない」と説明し、「量産性の側面においては、マイクロLEDはLCDとOLEDに比べて価格競争力があるかという疑問を持っている」と明らかにした。
さらに、マイクロLEDのTFTやピクセルの均一度を取り上げ、「TFTの均一度は、現在OLEDにも採用されている補償回路で対応できるが、もしカラーの不均衡問題が生じたら、どう解決するかを考慮すべきだ」と述べた。
マイクロLED TVは先日のCES 2018でSamsung Electronicが披露したTVで、当時多くの注目を集めたが、実用化に関しては意見が食い違った。特にLG Displayのカン・インビョン最高技術責任者(CTO)は「4KマイクロLED TVを実現するためには、約2,500万個のLEDが必要だが、LEDが1個あたり1ウォンだとしても2,500万ウォンで、回路と基板まで含めると相当高価になってしまう」と語ったことがある。