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次世代発光材料の開発はどこまで来ているのか

第4回OLED KOREA CONFERENCEで、次世代発光材料開発の先導企業であるKyuluxとCYNORAが研究結果と今後の開発方向についてを発表した。

Kyuluxの最高経営責任者(CEO)安達淳治氏は「従来の蛍光材料ホストとドーパントにTADFドーパントを添加するHyperfluorescenceを開発している」と説明した。Hyperfluorescenceの発光半値幅はTADFの約35%レベル、輝度は約2倍以上で、この材料がTADFの欠点(広い半値幅と低い輝度など)を同時に解決できると強調した。

 

安達惇治氏が公開した最新Hyperfluorescenceの効率は、赤色28 cd/A、黄色43 cd/A、緑色81 cd/Aで、寿命はLT50(1000nit)を基準に10,000時間、62,000時間、48,000時間である。色度図は赤(0.64, 0.36)、黄色(0.46, 0.52)、緑(0.28, 0.65)である。

一方、CYNORAの最高マーケティング責任者(CMO)Andreas Haldi氏は、現在CYNORAが開発した青色TADFエミッタの色図表は0.16、EQEは24%、寿命(LT97@700nit)は10時間だと明らかにした。このような性能は現在OLEDに使用されている青色材料より2倍高い効率で、色図表(0.10)は同様のレベルであるものの、寿命は短いと説明した。青色TADFエミッタの開発は2018年で終了し、2019年には量産への採用が開始されると付け加えた。

 

また、従来の低効率材料の代わりに高効率の青色TADFエミッタを使用すると、製造コストの削減のみならず消費電力も抑えられ、バッテリーの消耗を最小限に軽減できると語った。同時にOLEDの解像度を向上できるため、主要パネルメーカーの大規模真空工程ラインへ採用できると期待を示した。

 

CYNORAは青色TADFエミッタの開発終了後(2018年目途)、緑色TADFエミッタ、赤色TADFエミッタの順に開発を進め、2020年までRGB TADFエミッタの開発を全て終了する予定だ。

ドイツのサイノラ(CYNORA)、今後の研究開発目標は?

第3回OLED KOREA CONFERENCEで、サイノラ最高マーケティング責任者のアンドレアス・ハルディ博士(Dr. Andreas Haldi)は、「Efficient blue TADF emitter: material in high demand」をテーマに、今まで研究してきた結果と今後の開発の方向について発表を実施した。

アンドレアス・ハルディ博士によると、ディップブルーTADFエミッタ(deep-blue TADF emitter)は分類によるスペクトラムの特性開発とホスト(host)やゲスト(guest)の相互作用に関する徹底した分析で、ディップブルーTADFエミッタのEQE(1000nits基準)は15%から24%、寿命(500nits基準)は300hから1000hまで向上したそうだ。

しかし、ディップブルーTADFエミッタをOLEDに採用した場合、材料のクエンチング(quenching)によって、効率や寿命が低下する現象が発生したと説明した。サイノラはこのような問題を解決するために、パネルメーカーと共同開発を進めており、モバイルやテレビ用ディップブルーTADFエミッタの量産を目指している2017年12月までに、CIEyは0.2未満、EQE(1000nits)は15%以上、LT97(700nits)は100h以上に達する計画と付け加えた。

改善されたディップブルーTADFエミッタを使用すると、製造コストと消費電力が減少するとともに、解像度の向上されたOLEDディスプレイが製造できるようになるため、主要なパネルメーカー大規模な真空プロセスラインに導入できると期待していると述べた。

また、ライトブルーTADFエミッタ(light-blue TADF emitter)については、材料精製技術と注入層、輸送層、ブロック層を適正なデバイス構造に適用することができるホストとスタック(stack)を開発したと説明した。

今後の青色発光材料(ブルーエミッタ)の開発方向については、ELピークを最大に引き上げ、60nmのFWHMと460nmの波長域を持つディップブルーTADFエミッタを目指して開発する予定だと言い、発表を終えた。

サイノラはOLED用の熱活性化遅延蛍光(TADF)技術リーダー企業として数年にわたって研究してきた。OLEDディスプレイの性能改善の最大テーマである青色発光材料の開発に注力している。