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【iMiD 2017】LG Display、77型透明フレキシブルOLED開発に拍車

韓国LG Displayのクォン・セヨル責任研究員は、8月30日に韓国釜山にあるBEXCOで開催中の「iMiD 2017」で、6月に披露した77型透明フレキシブルOLEDを紹介し、その実現のために採用された技術を発表した。

クォン・セヨル責任研究員は「OLEDはバックライトユニットが必要ない自発光なので、薄く製造できる。薄ければ薄いほど、柔軟性が向上し、OLEDはフレキシブルディスプレイを実現しやすくなる」と述べ、「今後サイネージとスマートデスクなど、様々な分野に採用できる」と予想した。

今回公開された77型透明フレキシブルOLEDは、輝度を向上するための前面発光方式で、従来のOLED TVや大型フレキシブルOLEDとは異なり、透明薄膜封止層を採用し、2枚のPolyimide基板が用いられた。

 

クォン責任研究員は「前面発光方式を実現するために、金属封止層の代わりに透明薄膜封止層を採用した。2枚のPolyimide基板にWhite OLED発光層とカラーフィルター層を形成して貼り合わせた。Polyimide基板の上下部には水分と酸素の浸透を防ぐために、バリアフィルムとマルチバリアが採用された」と説明した。

続いて「パネルの曲げ剛性(Flexural Rigidity)は、主に偏光板と封止層の厚みに影響を受けるため、柔軟性を向上するには厚みを減らさなければならない。封止層の厚さを100umから20umまで抑えると、柔軟性向上とともにOLEDモジュールに生じるひずみ(変更率、Strain)も0.36%から0.21%まで抑えることができる」と強調した。

 

他にも、Polyimideの複屈折現象による表面の反射、LLO(Laser Lift Off)工程時におけるPolyimideの性質によるレーザーの波長選択、柔軟性を持つOLEDモジュールの採用など、主要問題について、技術を開発し続けていると述べた。

 

LG Displayは、国家課題としてUHD(3840×2160)解像度、透過率40%、曲率半径80Rを持つ77型透明フレキシブルOLEDを世界で初めて開発したことがある。

UBI Research、OLED封止、TFEが主流

■ 全てのエッジタイプとフルスクリーンタイプのフレキシブルOLEDにTFEを採用する見込み

■ プラズマCVD(PECVD)装置、封止装置市場全体の62%を占有

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED封止アニュアルレポート』は、OLED封止技術の中で、薄膜封止(Thin Film Encapsulation:TFE)が2021年にOLEDパネル全体の約70%に採用され、主要封止技術になると予想した。

 

最近のOLEDディスプレイは、エッジタイプからベゼルを最小限にしてフルスクリーンを実現することがトレンドになり、フレキシブルOLEDがフルスクリーンの実現に最適なディスプレイに選ばれている。そのため、韓国のSamsung DisplayとLG Displayを始めとする中国パネルメーカーもリジットではなく、フレキシブルOLED量産ラインへの投資に注力している状況である。

フレキシブルOLEDは、薄くて曲げられる特性を持つため、ガラスを使用するフリット封止は適合しなくなり、TFEやハイブリッド封止(Hybrid Encapsulation)を採用しなければならない。

TFEは薄い有機物と無機物を積層して形成する構造を持っており、開発初期には11層積層構造で、複雑な工程と歩留まり率が低いという欠点があったが、現在は3層積層構造を開発し、生産性、歩留まり率、コストが大きく改善され、多くのフレキシブルOLEDに採用されている。

<TFEの開発履歴、「2017 OLED封止アニュアルレポート」>

一部のフレキシブルOLEDには、バリアフィルムを使用するハイブリッド封止も採用されているが、バリアフィルムの価格が高く、比較的に厚みがあるため、最近は全てTFEを採用している傾向がある。

 

UBI Researchチャン・ヒョンジュン先任研究員は「TFE封止は、エッジタイプとフルスクリーンタイプのフレキシブルOLEDパネルに引き続き採用されることになりそうで、関連装置と材料市場も成長し続ける」と明らかにした。

 

今回のレポートでは、TFEの主要装置は無機物を形成するプラズマCVDと有機物を形成するインクジェットプリンターで、特にプラズマCVDは、TFEだけでなく、ハイブリッド封止の無機膜を形成する際にも用いられる。そのため、プラズマCVD市場は、2017年から2021年まで68億2,000万米ドル規模の市場になり、封止装置市場全体の約62%を占有すると予想した。

<プラズマCVD装置市場規模、2017、「2017 OLED封止アニュアルレポート」>

本レポートは、封止の開発履歴、動向、主要パネルメーカーの動向を始めとする封止関連主要装置と材料市場をテーマにしている。