投稿

着実に増加していたOLEDスマートフォン発売製品、2022年上半期には停滞している

2019年137台、2020年166台、2021年225台と着実に増加していたOLEDスマートフォンの発売製品が2022年上半期には110台に止まった。 業界の状況がこのまま続けば、2022年には2021年と似ていたり、少し少ない数のOLEDスマートフォンが発売されるものと見られる。

2022年上半期に発売されたスマートフォンは大部分が中国製品だった。 中国製品が98個、占有率89%を占め、韓国が9個、日本が2個、インドが1個を発売した。

サイズ別では6.6インチ台製品が34種で最も多く、6.4インチ台製品が31個、6.7インチ台製品が21個で後に続いた。 サイズが最も大きい製品はVivoの「X Fold」で8.03インチフォルダブル製品であり、フォルダブルを除いた中ではVivoの「X Note」が7.0インチで最も大きかった。 サイズが最も小さい製品はSonyの「Xperia 10 IV」で6.0インチだった。

デザイン別では102種がパンチホールモデルであり、narrow bezelが4種、notchが2種、UPCが2種発売された。 UPC(Under Panel Camera)が適用されたスマートフォンはZTEの「Axon 40 Ultra’」と「Nubia Red Magic 7 Pro」等2種だった。

解像度別では300ppi台製品が51台、400ppi台製品が50台、500ppi以上の製品が9台発売され、300ppi以下の製品は発売されなかった。 解像度が最も高い製品はSonyの「‘Xpeia 1 IV」で解像度は643ppiだった。

上半期に発売されたフォルダブルフォンはVivoの「X Fold」、Honorの「Magic V」、Huaweiの「Mate Xs2」など3種であり、3種ともパンチホールデザインが適用された。 「Mate Xs2」の解像度は424ppiで上半期に発売されたOLEDスマートフォンの平均より10ppiが高かった反面、「X Fold」と「Magic V」は上半期に発売されたOLEDスマートフォンの中で解像度が最も低い1、2位の製品だった。

世界初のFoldableスマートフォンのタイトル、誰がつかみ取るか

先日17日に中国ZTEは「AXON M」を公開した。AXON Mは2枚の5.2型HD LCDをヒンジで結合し、消費者に更なる利便性を提供した。

<ZTEのAXON M、参考:ZTEの公式ウェブサイト>

ZTEの公式ウェブサイトによると、AXON Mは角度を自由に調整しながら折りたたみ可能で、テーブルの上に立てておき、2人同時に使用できる。

 

米国ITメディアシーネットはAXON Mについて、一つの画面は動画を再生し、もう一つの画面は電子メールを確認したりフェイスブックを利用するなど、二つのアプリを同時に操作できるため、便利であると評価した。

今まで日本のソニーや京セラなどの様々なセットメーカーで、同様な形状を持つスマートフォンを発売したことがある。しかし、ヒンジ部分とディスプレイの耐久性、バッテリー消耗、専用アプリが用意されていないなどの問題あり、市場からほとんど注目を集めなかった。

 

ZTEはスマートフォンの耐久性を向上させるために米国Corningの第5世代Gorilla Glassを搭載した。しかし、AXON MはIn-Folding方式(2つのディスプレイを内側に向けて折りたたむ方式)に比べ、耐久性の弱いOut-Folding方式(2つのディスプレイを外側に向けて折りたたむ方式)が採用され、耐久性に関する疑問が続くと見られる。

 

また、AXON Mは大画面ディスプレイなどバッテリーの消耗に影響する要素が増えたにもかかわらず、バッテリーの容量は3,810mAhしかない。6月にZTEが発売したZTE nubia N2には5.5型HD LCDと5,000mAhのバッテリーが搭載されたことに鑑みると、AXON Mのバッテリー容量が不足していると感じる消費者が多くなると見込まれる。

 

AXON Mはヒンジの角度を広げると6.75型の大画面になるが、中央に隙間があるため、完璧なFoldableスマートフォンとは言えない。最近、大画面に対する消費者のニーズが日増しに増加し、折りたたんだり広げたりすることができるFoldableスマートフォンの開発が加速している。

 

米国ロサンゼルスで開催されたSID 2017で、台湾AU Optronicsと中国BOEは、現在開発中のFoldableディスプレイを公開した。2社ともに1枚のフレキシブルOLEDを機械的な方式でFoldingしたが、サイズとFolding方式は多少異なる(Au Optronicsは5型in-Folding方式、BOEは5.5型out-Folding方式) 。

<AU Optronicsの5型Foldable OLED(左)とBOEの5.5型Foldable OLED(右)>

さらに、20日にSamsung Electronicsは特許庁に多関節ヒンジを用いて片方が曲がる形状の「フレキシブル電子装置」の特許を出願し、Galaxy Note8の発売懇談会でSamsung Electronicsのゴ・ドンジン社長は 「来年の無線事業部のロードマップにFoldableスマートフォンが含まれている」と述べた。

 

このようなZTEの動向を始めとし、本当の意味でFoldableスマートフォンの開発と市場をめぐるの先取り競争はさらに激しくなると見込まれる。

 

一方、UBI Researchは2016年に発刊した「Key issue and Market Analysis for Foldable OLED」レポートで、Foldable OLEDは2019年から本格的な量産を開始すると予想した。