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ディスプレイ バックプレイン 用 TFT の新たな動き

解説 :占部哲夫( UBI Research )
聞き手:服部 寿( 分析工房 )
分析工房のホームページ:https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ

内容
・Backplane の種類
・High mobility TFT 開発
・ 従来の IGZO TFT との違い
・従来の IGZO TFT の高移動度化
・IGZO 高移動度化のメリット
・Mobility と Stability のトレード・オフ
・OLED 画素回路への適用
・LTPO 代替 IGZO 画素回路
・SID2023 での High mobility Oxide TFT 関連発表

Apple、「Apple Watch Series 4」にバッテリーの持続時間を延ばすLTPO TFTを採用

Appleが現地時間9月12日、米カリフォルニア州にあるアップルパーク(Apple Park)内スティーブ・ジョブズ・シアター(Steve Jobs Theatre)で、以前より大きくなった画面にヘルスケア機能を強化したApple Watch Series 4を発表した。

<Apple watch series 4 Source : Apple.com>

Appleは今回の発表で、Apple Watch Series 4にLTPOという新しい技術を導入することで、電力効率を向上させたと明かし、注目を浴びた 。

LTPOはLow Temperature Polycrystalline Oxideの略語で、電荷移動度が優れたpoly-Siと低電力駆動が容易なIGZOの利点だけを活かしたTFTの一種である。LTPO TFTは漏れ電流が少なく、オン・オフの特性が良いため、消費電力は下がり、バッテリーの持続時間は延びる。

<Apple의 LTPO 관련 특허>

また、AppleはApple Watch 4の本体サイズを40mmと44mmに拡大し、ベゼルを小さくすることで 前モデルに比べ、ディスプレイの表示エリアを35%と32%に広げており、画面解像度も44mmモデルは368×448ピクセル、40mmモデルは324×394ピクセルに増加したと説明した。Apple Watch 4のディスプレイはLG Display製のプラスチックOLEDで、最大輝度は1,000 nitである。

Apple Watch Series 4の価格は、GPSモデルは399米ドルから、セルラーモデルは499米ドルからとなる。予約注文は9月14日から受け付けを開始しており、発売は9月21日を予定している。

2022年のOLED材料および部品の市場規模、 370億米ドルの見込み

UBI Researchが発刊した『2018 OLED材料および部品産業レポート』と「Market Track」では、OLED材料および部品市場全体が2022年まで年平均29%で成長し、370億米ドルに達すると見込まれた。

<OLED材料および部品市場展望>

本レポートに記載されているOLED材料および部品市場全体の予測は、パネルメーカーによる供給可能量を基準とし、OLEDに採用される全ての材料および部品を含んだ数値である。

 

2017年のOLED材料および部品市場全体は97億9,400万米ドルと集計され、2018年には35%成長した132億6,400万米ドルになる見込みだ。

 

主な成長要因としては、Samsung DisplayとLG Display、中国のパネルメーカーにおける第6世代フレキシブルOLED量産ラインの生産能力拡大が挙げられる。

 

UBI Researchは「Samsung Displayは第1四半期に量産ラインの稼働率が落ちたものの、第2四半期から正常化に向かっており、LG Displayと中国のパネルメーカーも今年中に本格的な量産を目指している。特にSamsung DisplayのA4とLG DisplayのE5・E6、BOEのB7ラインが正常稼働するかどうかが、2018年材料および部品市場全体の成長に大きな影響を与えるとみられる」と明らかにした。

 

今回発行される『2018 OLED材料および部品産業レポート』では、基板用ガラスとキャリアガラス、PI、TFT用有機材料などを始めとするモバイルと大面積OLEDに採用される20種類の主要な材料および部品の市場展望と産業動向、重要事項について取り上げている。また、「Market Track」では、各パネルメーカーの購入額と購入量について展望している。

OLEDモバイル機器用AOI装置市場、2021年まで23億3,000万米ドル規模まで拡大期待

中小型OLED検査に使用されるAOI(Automated Optical Inspection、自動光学検査)装置は、製品に光を照射し、反射される光量の差から欠陥の有無を確認する非接触検査装置である。AOI装置は繰り返されるパターンの比較によってその差を認知し、パターン不良を検出できるのみならず、Maskの異物とLLO(Laser Lift Off)工程の前後に基板の異物も検出できる。

 

そのため、AOI装置はTFTパターン検査とMaskの異物検査、OLED画素検査、封止検査、LLO前後の基板検査など、全てのOLED工程で使用されている。

 

AOI装置を製造する主要メーカーは、HB Technology、DIT、HIMS、LG PRIが代表的である。HB Technology、DIT、LG PRIはOLED工程で使用されるほぼ全てのAOI装置を製造しており、HIMSはMaskの異物検査用AOIを主に製造している。

 

最近UBI Researchが発刊した『2017 Inspection and Measuring Equipment Report for OLED Mobile Device』では、OLED装置市場全体において、検査測定装置市場は2017年から2021年まで総計66億3,000万米ドル(約7兆3,000億ウォン)規模に達すると予想されている。特にAOI装置は23億3,000万米ドルまで拡大すると見込まれる。

 

工程別に見ると、TFT工程で使用されるAOI装置市場は13億6,000万米ドルで、最大規模となる見込みで、次にOLED画素工程用AOI装置市場は4億3,000万米ドル、封止用AOI装置市場は3億9,000万米ドル、セル工程市場は1億6,000万米ドルになると分析される。

 

UBI Researchのユン・デジョン研究員は「OLED工程でAOI装置を介して不良を検出・リペアすると歩留まり率が向上し、欠陥製品の追加工程を抑えることで品質コストを削減できるという面において、AOI装置の付加価値を見つけることができる」と述べ、「AOI装置が技術的に進歩しつつ、パネルメーカーもAOI装置を積極的に導入し、検査項目を強化する傾向にあるため、AOI市場規模の拡大が期待される」と明らかにした。

<2017~2021年、OLEDモバイル機器用AOI装置市場の展望>

2017年から2021年までOLEDモバイル機器用検査測定装置市場規模、 66億3,000万米ドルになると期待

モバイル機器のパネル問題による不便を感じる消費者が増加し、最近各パネルメーカー は検査測定の強化に取り組んでいる。

 

検査測定は製品の品質や性能の改善のみならず、顧客満足度を向上することで、ブランドイメージを高めることができる。また、各工程において異常の有無をリアルタイムで点検できるため、工程の安定化による生産性と歩留まり率の向上も実現できると予想される。

 

UBI Researchが発刊した『2017 Inspection and Measuring Equipment Report for OLED Mobile Device』では、OLED装置市場全体における検査測定装置市場規模は、2017年から2021年まで総額66億3,000万米ドル(約7兆3,000億ウォン)になると予想されている。2018年には14億5,000万米ドル(約1兆6,000億ウォン)規模のOLED検査測定装置に対する投資が行われる予定で、2019年には16億米ドル(約1兆8,000億ウォン)の最大規模の投資が行われると予想されている。

 

イ・チュンフン代表によると、韓国のSamsung DisplayはA5の第6世代フレキシブルOLEDラインに対する投資を実施中で、LG DisplayはOLEDの売上高を増加するために大規模投資を行うと発表し、BOEとCSOTなどの中国のOLEDパネルメーカーも、OLEDラインへの投資に積極的に取り組んでいるため、検査測定装置の需要は続くと予想している。

 

本レポートには、2017年から2021年までの検査測定装置市場を様々な観点から分類し、予後を予測した内容が記述されている。2017年から2021年まで全体市場において、基板とTFTに導入される検査測定装置は50.6%と最も大きな割合を占め、セル検査測定装置は29.7%、OLED画素検査測定装置は12.7%、封止検査測定装置は7%を占めると見込んだ。また、検査測定項目別に分類された装置市場は、パターン検査が33.1%、リペア装置が21.3%、点灯検査が16.4%の順になると予想した。

 

最後に検査測定装置の中で最も主要なAOI(Automated Optical Inspection、自動光学検査)装置とレーザーリペア装置は、同期間に23億3,000万米ドルと14億1,000万米ドルになるとの見通しを示した。

<2017~2021年、OLEDモバイル機器用検査測定装置の展望>

【iMiD 2017】JOLED、プリント方式を採用したOLEDの開発動向と未来ロードマップを発表

先日18日から19日までの二日間、韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催された「IMID 2017 Business Forum」で、日本JOLEDの最高技術責任者(CTO)荒井俊明氏は、JOLEDのプリント技術と今後のロードマップなどについて発表を行った。

<JOLEDの最高技術責任者(CTO)荒井俊明氏>

荒井俊明氏は、現在220ppi程度で安定的なJetting(噴射)技術を確保したことを明らかにし、第8.5世代で300ppi以上の高解像度OLEDを開発しているものの、Jettingの正確度と安定性などの重要な問題があると述べた。また、プリント方式のOLEDに採用されるTG-TAOS(Top Gate-Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)TFTを紹介し、低価格ながら優れた性能を発揮するため、OLEDのコスト削減に貢献できると説明した。

 

続いて、JOLEDの未来戦略を紹介し、韓国企業がリードしている小型と大型OLEDではなく、200ppi以上のタブレット用やモニター用中型OLEDを優先して取り組むことを明らかにした。JOLEDはOLEDパネルメーカーの中で唯一、2017年にプリント工程で21.6型4K RGB OLEDを公開し、試験的な出荷も実施した。

<プリント方式を採用したJOLEDの21.6型4K OLED>

日本経済新聞によると、JOLEDは本格的にプリント方式を採用したOLEDを量産するために、1,000億円規模の投資を打診していることが明らかになった。また、荒井俊明氏は今年の4月からプリント工程で製造したOLEDの試をセットメーカーに提供し始めたと述べ、2018年下半期の量産開始を目指していると明らかにして発表を終えた。

AUO、Touch Taiwan2017で、スマートウォッチ用丸型OLEDとフォルダブル(foldable)OLED展示

AUOは、20日に開催されたTouch Taiwan2017で、スマートウォッチ丸型OLED3種(1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ)と折れるOLEDを公開した。

 

AUOの1.2インチと1.4インチ丸型OLEDは、326ppiを有し、既存の量産製品に比べ、消費電力を30%も減らした。また、AUOは、丸型OLED2種が明るい太陽光の下でもディスプレー画面が正確に見えるように、明るさ調節モード(brightness increase mode)を内蔵し、屋外視認性を向上させた。

 

子供用スマートウォッチをターゲットにした1.3インチOLEDは軽くて、節電モードと直観的なタッチインターフェースを搭載し、ユーザビリティを強化した。

 

AUOは、折ったり、くるくると丸めてつなぐ2つの形態の5インチフレキシブル( flexible)OLEDを展示した。5インチフレキシブルOLED2種には、プラスチック基板と内製で開発した構造(special structural layer)が適用された。

<AUO, 5インチフォルダブルOLEDタッチパネル>

折れる5インチフォルダブルOLEDには独自に開発した柔軟なタッチスクリーンセンサーが内蔵されている。AUOは、「折れる部分の曲率半径が4mm以下である場合にも、優れた画質を提供する。」と言った。

 

5インチローラブル(rollable)OLEDについて、AUOは、「パネルの厚さがわずか0.1mmで、重さは5gである。」と言いながら、「4mmのローリング(rolling)半径を持つこの製品は、広色域を提供する。」と説明した。

 

一方、SID2017でAUOは、フォールデイング時、引張や圧縮強度に耐えるように、 TFT(薄膜トランジスター 、thin film transistor)とTFE(薄膜封止、thin film encapsulation)を中立軸(neutral axis)に位置させる構造を適用したと発表したことがある。

LG Display、OLED TV開発で日本ディスプレイ学会から「業績賞」を受賞

韓国LG Displayは、東京NHK技術研究所で開催された第24回有機EL討論会で、大型OLED TV生産を実現したWRGBの優れた技術力と大型OLED TV市場を開拓した功績が認められ、海外企業としては初めて「業績賞」を受賞したと16日に明らかにした。

LG DisplayがCES 2017で公開した55型の透明OLED、参考:LG Display

有機EL討論会は、東京大学と九州大学、ソニー、ジャパンディスプライ、JOLEDなど、OLEDに関わる日本の主要業界と学界の専門家が集まり、芸術、応用研究、実用化策を発表・討論する学会である。

 

有機EL討論会によると、LG Displayは、大型OLED TV生産を実現した技術力と大型OLED TV市場を開拓した功績が認められ、海外企業として初の業績賞を受賞した。

 

LG Displayが業績を認められたWRGB技術とは、TFT(Thin Film Transistor)基板の上に、赤(R)・緑(G)・青(B)の有機物を水平に配列するRGB方式ではなく、各々の有機物を垂直に積み上げ、白(W)素子を加え、4つが一つのサブピクセルを構成する方式である。

 

LG Displayは、この技術の採用で、2013年1月に世界初のOLED TVパネルを量産すると同時に大型OLED TV市場を開拓した。

 

LG Displayは、今回の受賞について「フラットパネルディスプレイを主導している日本で、大型OLEDパネルを生産しているLG Displayの技術力が認められたのは、非常に大きな意味を持つ」と強調した。

 

LG Display OLED TV開発グループのオ・チャンホ専務は、今回の受賞について「LG Displayが業界最高の専門家から、OLED技術力を認められたのは、大変喜ばしいことた。今後独自のOLED製品を開発し、ディスプレイ産業の発展に貢献できるように、努力を続ける」と述べた。

 

LG DisplayはSID 2017で、65型UHD壁紙OLEDパネルにおいて、優れた画質を実現した上で、更に応用範囲とデザイン面でもディスプレイの新しい可能性を開いた革新的な製品として高く評価され、今年のディスプレイ賞(Display of the Year)を受賞したことがある。

UBI Research、OLED製造用装置市場レポート発刊

■ 今後5年間、全体OLED装置市場規模は849億米ドルになる見通し

■ 韓国と中国パネルメーカーによる装置への投資規模は全体の90%を占有

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED製造装置アニュアルレポート』は、全体OLED装置市場規模は、2017年から2021年の二年間で、総849億米ドル(約93兆ウォン)になると見通した。2017年にはOLED装置へ164億米ドル(約18兆ウォン)規模の投資を行うという。

OLED装置市場を分析するために、装置を工程別にTFT、OLED、封止(Encapsulation)、セル(Cell)、モジュールの五つに分類した。各工程別の物流装置と検査装置を含む投資費用を計算し、タッチパネル関連装置は市場分析から除外した。

 

UBI Researchチャン・ヒョンジュン先任研究員は、OLED産業をリードしている韓国パネルメーカーによる継続的な投資を中国の後発パネルメーカーによる大規模投資から、韓国と中国がOLED装置市場をリードすると見込んだ。

本レポートで、国家別OLED装置市場は、2017年から2021年まで中国が全体の48%、韓国が全体の42%を占め、この二国がOLED装置市場をリードすると予想される。韓国と中国は2017年と2018年に、328億米ドル(約36兆ウォン)の大規模投資を行うと予想される。

韓国では、Samsung Displayが、自社のギャラクシーシリーズと米国Appleに採用する中小型OLEDラインへの投資を拡大し、LG Displayは、大型OLEDラインと中小型OLEDラインへ同時に投資している。中国では、BOEとCSOTがOLEDラインへ積極的な投資を行うと見込まれており、特にBOEは2017年から中小型OLEDラインへ毎年3万枚以上投資すると予想される。

<左) 国家別OLED装置市場占有率, 右) 工程別OLED装置市場占有率>

2017年から2021年まで工程別OLED装置の市場占有率は、TFT装置が45%、OLED画素形成装置が17%、封止(Encapsulation)装置とセル装置が各々13%、モバイル装置が12%になると見込んだ。今後フレキシブルOLEDに対する需要は大きく増加すると見られており、セル装置とモジュール装置の市場占有率は、全体の25%まで拡大し、一層重要なると予想される。

モバイル機器用OLED材料および部品市場、急成長を迎える

OLED製造に必要な材料および部品には、基板、TFT、OLED、封止、タッチスクリーン、カバーウィンドウ、Drive ICなどがある。韓国Samsung ElectronicsのスマートフォンGalaxyがリードしていたモバイル機器用OLED市場に米国Appleと中国メーカーが参入することで、Samsung Displayを始めとする中国ディスプレイメーカーによる第6世代装置への投資が急増している。

 

同時にOLED製造に必須な材料および部品の市場も急成長を迎えている。UBI Researchによると、モバイル機器用OLED材料および部品の市場規模は、2017年に87億2,000万米ドルとなり、2021年には382億米ドルまで拡大すると予想される。

 

国家別市場では、韓国の同市場は2017年に82億7,000万米ドルとなり、市場占有率94.9%を占めているが、2021年には中国の市場が22.3%まで増加し、韓国の市場は72.2%まで減少すると予想される。

[OLED summit 2016] LG Display、必ず開発すべきのpOLEDのcore technology発表

21日(現地時間)、アメリカのサンディエゴで開催されたOLED summit 2016でLG Displayのイム・ジュス部長は『Going forward with pOLED & future challenges』というテーマでpOLEDで必ず開発すべきの5つのcore technologyとnext pOLEDについて発表した。

pOLEDの5つのcore technologyとしてdream picture qualityとdesign freedom、process simplication、cost innovation、a diversity of pOLED productsを挙げた。

Dream picture qualityではハイレゾリューションでのHDRとBT-2020の適用を、design freedomではlow stress TFTとmetal meshなどの新規TSP sensorの開発、flexible window coverの耐久性の向上を核心課題として発表した。

また、process simplicationのための低温工程とタッチ一体化のようなpanelのlayerを減少させる工程の開発とこれを通してcost innovationが必要ということを強調した。最後にVRとPC用のモニター、車両用などdiversity of pOLED productsのための低電力のために材料の開発(燐光ブルー、TADFブルーなど)、開口率を高めるためのpixel designの変更を提案した。

pOLEDの新しいチャンスとしてfoldableとautomotive、VR機器に適用を挙げ、next pOLEDとしてtransparent displayを言及した。

今回のLG Displayの発表は前回のIMID 2016でのSamsung Displayの発表とすごく似ていて、pOLED (flexible OLED)に対する両社の開発方向とロードマップが一致していることと分析される。

特にmobile機器用のAMOLED panelでBT2020の適用はSamsung Displayで今年初めて言及したことに続いてLG Displayでも言及して、モバイル機器のBT2020の適用がもう一つの核心イシューになることが予想される。

LG Displayのイム・ジュス部長

LG Displayの発表内容、OLED Summit 2016

Samsung Displayの発表内容、IMID 2016