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小型OLED 市場の現状と今後

解説 :占部哲夫( UBI Research )
聞き手:服部 寿( 分析工房 )
UBIリサーチ:https://www.bunsekik.com/ubiリサーチ

内容
・小型OLEDの製品
・小型OLEDの製品の売上高推移
・メーカ別の小型OLEDの製品の出荷数・売上高推移
・2024年のiPhone16のDisplay 予測
・小型OLEDの応用商品別出荷数・売上高予測
・小型OLEDの国別出荷数・売上高比予測
・Smartphone & Foldable phone 用OLED %の実績と展望
・出版されたUBI Research の調査レポート

着実に増加していたOLEDスマートフォン発売製品、2022年上半期には停滞している

2019年137台、2020年166台、2021年225台と着実に増加していたOLEDスマートフォンの発売製品が2022年上半期には110台に止まった。 業界の状況がこのまま続けば、2022年には2021年と似ていたり、少し少ない数のOLEDスマートフォンが発売されるものと見られる。

2022年上半期に発売されたスマートフォンは大部分が中国製品だった。 中国製品が98個、占有率89%を占め、韓国が9個、日本が2個、インドが1個を発売した。

サイズ別では6.6インチ台製品が34種で最も多く、6.4インチ台製品が31個、6.7インチ台製品が21個で後に続いた。 サイズが最も大きい製品はVivoの「X Fold」で8.03インチフォルダブル製品であり、フォルダブルを除いた中ではVivoの「X Note」が7.0インチで最も大きかった。 サイズが最も小さい製品はSonyの「Xperia 10 IV」で6.0インチだった。

デザイン別では102種がパンチホールモデルであり、narrow bezelが4種、notchが2種、UPCが2種発売された。 UPC(Under Panel Camera)が適用されたスマートフォンはZTEの「Axon 40 Ultra’」と「Nubia Red Magic 7 Pro」等2種だった。

解像度別では300ppi台製品が51台、400ppi台製品が50台、500ppi以上の製品が9台発売され、300ppi以下の製品は発売されなかった。 解像度が最も高い製品はSonyの「‘Xpeia 1 IV」で解像度は643ppiだった。

上半期に発売されたフォルダブルフォンはVivoの「X Fold」、Honorの「Magic V」、Huaweiの「Mate Xs2」など3種であり、3種ともパンチホールデザインが適用された。 「Mate Xs2」の解像度は424ppiで上半期に発売されたOLEDスマートフォンの平均より10ppiが高かった反面、「X Fold」と「Magic V」は上半期に発売されたOLEDスマートフォンの中で解像度が最も低い1、2位の製品だった。

ベゼルレスからフルスクリーンへ、フルスクリーンスマートフォン時代到来

スマートフォンのディスプレイ領域が広がっている。
ディスプレイ領域(Display area:D.A)は、スマートフォンサイズに’対するディスプレイサイズを表すものである。IMID 2016ビジネスフォーラムで韓国Samsung Display朴・ウォンサン首席は「D.Aはスマートフォンの携帯性を向上するためにサイズの限界を超えられる鍵になる。これからはD.Aを90%以上に拡大するフルスクリーンスマートフォンが発売され、スマートフォン市場の主役になる」と述べた。

<参考:Samsung Displayが発表したイメージファイル>

従来スマートフォンのD.Aは約60~70%程度だった。

しかし、2016年に韓国Samsung ElectronicsはフレキシブルAMOLEDを採用したGalaxy S7 EdgeとNote 7を発売し、D.Aを75%以上まで拡大した。中国では、ZTEがD.Aを75.2%にしたNubia Z11を、XiaomiがD.Aを83.6%にしたMi Mixを発売するなどD.Aの拡大に取り組み始めた。

 

2017年に韓国LG ElectronicsはLG G6に18:9割合の‘Full Vision 5.7型 QHD+ Display’を 採用し、 D.Aを80.4%まで拡大した。前モデルであるG5に比べディスプレイのサイズは0.4inch向上したが、ベゼルは左右1mmずつ縮まった。D.Aは約10%拡大となった。

また、2017年4月に発売したGalaxy S8と発売予定のiPhone S8(仮称)は、ホームボタンを無くし、左右・上下ベゼルを大きく減らすことができるためD.Aは91%以上に拡大すると見込まれている。

 

このようにD.Aを最大化したフルスクリーンスマートフォンは、ハイ

<ディスプレイタイプ別スマートフォン市場占有率、 出所:UBI Research>

エンドスマートフォン市場のトレンドになると見られており、フルスクリーンスマートフォン市場をリードするのはフレキシブルAMOLEDと予想される。

 

フレキシブルAMOLEDはプラスチック基板を使用し、柔軟性を高めると同時に多くのモジュールを効率的にスマートフォンに取り付けることができるためフルスクリーンの実現に適している。

 

 

UBI Researchは、昨年10年に発刊した『Key issue and Market Analysis for Foldable OLED』で、左右ベゼルと上下ベゼルを減らした形のフルスクリーンAMOLEDタイプスマートフォンは、2017年に市場占有率約17%となり、2020年には約60%まで拡大、ベゼルレスタイプOLEDパネルの市場占有率を越えると見通した。

Flexible AMOLED panelのマーケット2020年、約10億台の規模で成長

UBI産業リサーチで00日発刊した『Foldableの実現のために核心イッシュとマーケット分析報告書』によると2020年flexible AMOLED panel (smart watch向けを含む)が約10億台の規模で成長することと分析された。

報告書ではSamsung Elec.でEdge band design差別化でflexible AMOLED smartphoneのマーケットに成功的にマーケット進入し、現在、様々なset企業からも適用中でedge typeのflexible AMOLED smartphoneのマーケットが2017年に多く増加することと見込んだ。特にSamsung Elecのこれから発売するhigh-endのモデル全てにflexible AMOLED panelの適用が予想され、Appleのflexible AMOLED panelが適用されたiPhoneが2017年から発売することと予想されて、flexible AMOLED panelのマーケットは年平均70%に成長、2020年約US$ 40,000 millionの規模になると見込んだ。

また、2017年にはflexible AMOLED panelを適用したsmartphoneでfoldable smartphoneとdual edgeの変形されたモデルが発売されると予想される。

UBI産業リサーチ関係者によると『新たなtypeの固定型flexibleのスマートフォンと一緒にfoldableのスマートフォンが2017年発売する可能性が高く、特にfoldable smartphoneはマーケットの反応を確認するための目的が多くと予想される。』と述べた。

一方、報告書ではfoldable applicationの実現のために各パート別(substrate ~ cover window)核心イッシュと現状況、主要開発の動向を扱って、諸企業からtruly flexible AMOLED panelに対する開発方向を予測できると期待されている。

有機ELスマートフォンの大幅成長… 2016年第2四半期のパネル出荷量72%上昇

OLED Smartphone Galaxy Note7(出典 = Samsung)

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

 

世界市場で有機ELスマートフォン市場が際立って成長している。2016年第2四半期のグローバルスマートフォン用有機ELパネルの出荷量は、前年同期比72%増えたことが分かった。

UBIリサーチの調査によると、第2四半期、世界に出荷されたスマートフォン用有機ELパネルは8800万で、これは、2015年第2四半期5120万枚より72%上昇した数値である。

有機ELスマートフォン市場の急成長を主導するのは、韓国と中国の主要スマートフォンメーカーである。

有機ELスマートフォン市場の代表走者であるサムスン電子は、有機ELスマートフォン製品を拡大している。同社は最近、Galaxy Noteシリーズでは初めてのフレキシブル有機ELパネルが搭載されたGalaxy Note 7を発表した。

サムスンだけでなく、中国のスマートフォンメーカーも有機ELの採用を増やし、この市場の成長をリードしている。

特に、Huawei社のスマートフォン事業の成長が有機EL市場に少なからぬ影響を与えている。市場調査会社IDCによると、今年上半期、世界のスマートフォン販売量の増加は3%に過ぎない。しかし、多数の有機ELスマートフォン製品を保有しているHuawei社の今年上半期のスマートフォン販売量は、前年同期比25%増加した。

一方、UBIリサーチによると、2016年第2四半期のグローバルスマートフォン用有機ELパネル市場の総売上高は31億6000万ドルで、前年同期に比べて約27%上昇した。

スマートフォン用有機EL出荷量、2016年の3億枚から2019年には10億枚を突破

サムスン電子のflexible 有機EL搭載、Smartphone Galaxy Note 7

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

 

グローバルsmartphone用有機ELパネルの出荷量が、2016年史上初めて3億枚を超え、2019年には10億を超えるとの見込みである。

16日、UBIリサーチは2016年のスマートフォン用に該当する4インチ〜6インチの有機ELパネルの世界出荷量が、2015年比で約27%増の3億1,880万枚になるものと予想した。続いて2017年5億530万枚、2018年9億250万枚、2019年には11億7,020万枚を経て、2020年には13億7900万枚に達すると予測した。

UBIリサーチは、特にスマートフォン市場でflexible 有機ELの急成長が全体のスマートフォン有機EL出荷量の急増を主導するものと見込んでいる。

UBIリサーチの調査によると、スマートフォン用有機ELのうち、rigidタイプの出荷量は2016年全体のスマートフォン用有機EL出荷量の78%という圧倒的なシェアを占める見込みである。しかし、2018年にはflexibleが56%を占め、rigidタイプを超えるものと予想される。

さらに2019年にはflexibleが62.3%、2020年には67%まで割合が高くなり、スマートフォン有機EL市場の確かな主流として定着するものと予測される。

一方、別の市場調査会社であるIHSも、2016年スマートフォン用有機ELパネルの出荷量が初めて3億枚を超えると予測した。IHSは、今年のスマートフォン有機EL出荷量は3億6688万枚、2019年6億6366万枚と見ており、UBIリサーチとは多少の差を見せた。

Galaxy SからS7までの解像度、10倍増加… 「Galaxy S8は4K UHDが有力」

Galaxy S ~ Galaxy S7 (Source = UBI Research ‘Analysis Report of Galaxy S Series’)

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

2010年3月、サムスン電子で初のGalaxy Sが発売されて以来、6年間で合計9タイプのGalaxy Sシリーズがリリースされたが、画面サイズは1.5インチ大きくなっており、解像度は約10倍増加したことが分かった。

UBIリサーチが最近発刊した「Galaxy SシリーズのAMOLED特性分析報告書」によると、「Galaxy S」から「Galaxy S7 Edge」に至るまで、このシリーズに装着されたAMOLEDパネルは、4インチから5.5インチに、1.5インチが増えた解像度は480×800 WVGAから1440×2560 QHDと、9.6倍も増加した。

Galaxy Sシリーズに搭載されてきたAMOLEDの変化の推移を見ると、2017年にリリースされる「Galaxy S8」は、5インチの中・後半台になると予想され、解像度はUHD 4K(800ppi)になると予想される。

2010年3月Galaxy Sの初期モデルが4インチ画面で発売されて以来、毎年増加しており、S7とS7 Edgeは、それぞれ5.1インチ、5.5インチで発売され、初期のSに比べて約30%以上も画面サイズが増加している。

サムスン電子は6インチ台のスマートフォンも発売したが、2015年に6インチ台の製品は消え、5インチ台の画面サイズがサムスン電子全スマートフォン製品の71%を占めるようになった。

Galaxy Sシリーズの解像度の変化の推移(出典:Galaxy S SeriesのAMOLED特性分析レポート)

これまでサムスン電子では、Galaxy SのWVGAを皮切りに、S3はHD、S4とS5はFHDを経て、S6とS7は、QHDまで製品の発売が行われた。

Galaxy Sシリーズは、S3のHD解像度を除いては、現在の解像度の開発サイクルが2年ごとに次の解像度に移っている。

このような傾向のままでいくと、2017年にリリースされるGalaxy S8は、5インチ代の半ばから後半の画面サイズでUHD 4K解像度を備えるものであると期待できる。

UBIリサーチの関係者は、「最近、サムスンディスプレイがサンフランシスコで開催された「SID 2016」にVR用に展示したUHD 4Kの806ppiを備えた5.5インチAMOLEDは、輝度がS7と同等レベル」とし、「生産歩留まりの改善などを考慮すると、このディスプレイは来年に発売されるGalaxy S8に採用されるものと予測される」と説明した。