青色OLEDはOLED TVに使用されるのか

Samsung DisplayはLCD TVに続く次世代ディスプレイ技術として、青色OLED+QDCF(以下「青色OLED」)を選定し、開発に乗り出した。

青色OLEDはOLEDから発光された青色光がQDCF(Quantum Dot Color Filter)を通り抜け、赤色と緑色を表現する技術である(b)。OLED TVに採用しているWRGB OLEDは、白色光がカラーフィルターを通り抜けてRGB色を実現する方式である(a)。

UBI Researchが先日18日に発刊した『2018 OLED発光材料産業レポート』では、Samsung Displayが開発を開始した青色OLEDが、TV用OLEDパネルになれるかを予想した。青色OLED+QDCFの開発方向性と要求性能(効率と寿命)について分析を行い、特に青色OLEDの主要な材料である青色発光材料の現況と開発進捗状況(蛍光・りん光・TADF)を取り上げている。

Samsung Displayの青色OLEDは前面発光方式であるため、TFT方向に光を出す背面発光方式に比べて開口率が約70%増加し、従来のWRGB OLEDより8Kの解像度と高輝度の実現が容易である。また、色再現率の高いQD材料をカラーフィルターとして採用し、2012年に国際電気通信連合会(International Telecommunication Union、ITU)が制定したUHDの色域規格BT.2020に近づけると予想される。

今後プレミアムTV市場において、8KとBT.2020はディスプレイの必須条件で、WRGB OLEDも8KとBT.2020を実現するために積極的に開発を行っている。青色OLEDがWRGB OLEDがリードしているプレミアムTV市場で、どのような影響を与えるかのに期待が集まる。他にも、Soluble OLED材料とNear IR(近赤外線)材料など、新規材料の技術開発動向と重要事項を取り上げている。