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LGとSonyの実績向上に貢献したOLED TV

先日7日に韓国ソウルにあるCOEXで開催された「OLED/ディスプレイセミナー」で、ソ・ヒョンチョル理事は、OLED TVがLG Electronicsにおける2017年第3四半期営業利益率9.9%を引き上げたと述べた。特にOLED TVが3,000米ドル以下になり、需要が急増したと説明し、現在OLED TVを量産しているSonyとLG Electronicsが今後もプレミアムTV市場をリードすると予想した。

 

特にソ理事は、Sonyが12年ぶりにプレミアムTV市場で1位を記録したと説明し、Sonyの株価が2013年比445%上昇した原動力の一つがOLED TVだったと説明した。続いて「Sonyは55型と65型TVに注力することで収益構造を改善し始めた。2017年にはOLED TVをロンチングし、安定的なTV事業構造を構築した」と評価した。

 

またLG Displayの第10世代OLEDラインへの投資が予想より早まるとの見通しを明らかにした。ソ理事は来年に開催される平昌オリンピックとロシアワールドカップによる大型OLED TVのニーズも増えつつあり、Sonyからの要請も予想されるため、OLEDラインへの投資は加速する見込みであることを明かした。

 

ソ理事はOLED TVパネルにおける歩留まり率の向上で、コスト削減の加速化が実現できると述べ、「55型LCDパネルの生産コストは232米ドルで、十分な歩留まりに達していいるため、コスト改善が容易ではないが、55型OLEDパネルの生産コストは現在の545米ドルから、歩留まり率の向上によって、378米ドルまで下がる可能性があり、価格競争力が一層激しくなる」と予想した。

 

最後にLG DisplayのE4-2ラインが2018年にフル稼働し、OLED TVパネルの販売量は290万台に達する見込みで、パネル事業の黒字転換によって、2019年にはOLED TV事業の営業利益率が17.3%になると予想した。

<LG DisplayのOLED TV戦略、参考:Shinhaninvest>

LG Display、照明事業の本格化に向け OLED照明ブランド「Luflex」ロンチング及び世界最大規模生産ライン稼働開始

LG Displayが新成長動力として集中的に展開しているOLED照明事業が本格化を迎える。LG Displayは7日、世界最大規模のOLED照明生産ラインを稼働することを公式に発表し、OLED照明ブランド「Luflex」を披露した。

<LG Displayの照明ブランド「Luflex」、参考:LG Display>

LG DisplayはOLED照明の本来の価値に焦点を当てた代表ブランド「Luflex」を公開した。「Luflex」は光、光彩を示す「Lux」と折りたたんだり曲げたりできるOLEDの構造的特徴と無限の活用可能性を示す「Flexibility」を合成した表現である。LG DisplayはOLED照明の優秀さを感性的に伝えられる「Luflex」で、市場における影響力を拡大し、OLED照明を代表するNo.1ブランドに成長させる方針だ。

 

最近本格的に量産を開始したLG Displayの龜尾(Gumi)工場の第5世代OLED照明生産ライン(1100㎜×1250㎜)は世界最大規模で、既存の月4,000枚規模の第2世代生産ライン(370㎜×470㎜)と比較し、約30倍以上多く生産できる。LG Displayは1万5,000枚で量産を開始し、徐々に生産量を増やしていく計画で、大量生産による品質向上と価格競争力確保を同時に図り、市場占有率拡大が加速すると見込んだ。

<LG Displayの第5世代OLED Lighting工場全景、Source: LG Display>

LG Display OLED照明事業担当のパク・ソンス常務は「Luflexブランドのロンチングと世界最大規模の生産ラインによる量産開始は、LG Displayが持っている独自のOLED技術と市場に対する自信を基に行われたことである」と述べ、「新しいブランドでOLED照明の無限な価値を積極的に訴求する一方、OLED照明市場を先導していく」と強調した。

 

OLED照明は有機物による自発光の特性を活用する製品で、電力消費と発熱が少なく、環境にやさしい自然光に近い。また、薄くて軽いという構造的特性で、透明やフレキシブルを実現するなど、デザインの自由度が非常に優れており、未来価値が高い。

 

LG DisplayはOLED照明の光源を提供するB2B企業として、今後照明器具メーカー、自動車部品を生産する電装品メーカーなど、様々な顧客企業と共同で、広告やマーケティングにも先駆ける予定である。

 

最近LG Displayが見せてきた限界を乗り越える革新的なデザインのOLED照明作品を接してきた市場における期待が一層高まった状況であるため、照明事業の本格化は意義は極めて大きい。デザインの自由度のみならず、環境にやさしくて優秀な品質を持っているOLED照明は、世界有数自動車ブランドから尾灯の光源としてラブコールを受けており、高級ショップでの差別化されたインテリア要素としても脚光を浴び始めた。LG Displayは自動車用照明を始めとする一般照明市場へ次第に拡大していく計画である。

 

一方、UBI Researchが発刊した「2017 OLED Lighting Annual Report」では、世界OLED照明パネル市場は2020年から大きく成長し、2021年には約19億米ドル規模に達すると予想されている。

変わらない熱気あふれる中国のIT産業、その中心にあるOLED

最近中小型OLED市場をリードしている韓国Samsung Displayと大型OLED市場をリードしている韓国LG Displayによる新規投資がいつ、どこで、どのような規模で行われるかに関する情報が、ディスプレイ産業の主要ニュースとなっている。特に、政府からの支援を受け、本格的にフレキシブルOLEDラインを建設している中国のパネルメーカーと韓国の技術格差がいつになったら解消されるのかに大勢の関心が集まっている。

 

今年で19回を迎えるHi-Tech Fairは、中国IT産業にどれほど関心が集まっているかが分かる代表的なイベントである。11月16日から19日まで、中国深川で開催されるHi-Tech Fairでは、IT産業関連のほぼ全分野における展示が行われる。IT産業で重要性が高まっているディスプレイと通信は、他の分野と連携しながら発展を続けている。

 

9つの展示ホールでスマートシティ、ロボット、航空、通信、家電、ゲームなどIT関連の様々な産業における最近技術を体験することができる。その中の第1ホールでは、中国の大型パネルメーカーであるVisionoxが最も目を引き、多くの来場者が中国のディスプレイパネル技術を見るために集まっていた。

 

最近スマートフォンディスプレイのトレンドとなったGalaxy Edgeシリーズを代表する曲面(Curved)デザインとベゼルを最小限に抑えることで大画面を実現するベゼルレスデザインは、現在Samsung Displayがほぼ単独供給している。Visionoxは今回の展示で、フレキシブルパネルを採用した8Rの曲面デザインとリジッドパネルを採用したベゼルレスデザインのスマートフォンを公開した。

 

関係者によると、今回公開された曲面ディスプレイは2018年の初めに発売するスマートフォンに採用する計画で、中国スマートフォンメーカーと供給を協議している。また、今後FordableとRollableアプリケーションの実現を目指して開発に取り組んでいる多彩な形状のフレキシブルディスプレイも展示された。

他には、中国でOLEDを採用しVR機器を製造・販売する代表企業RoyoleがVR機器‘Noon’とともにフレキシブルセンサーなどを展示した。また、映像で0.01mmの超薄型フレキシブルディスプレイを公開し、ディスプレイ技術の開発が今後も続いていくというメッセージを伝えた。

 

他のブースでも自動車やロボットを始めとする各種電子機器に様々な形状と機能を持つディスプレイパネルが採用されていることが確認できた。特にOLEDは優れたデザイン、薄いパネル、高解像度など、技術的な利点を生かすことで、適用可能な範囲が広いため、今後のIT産業において、その重要性はますます高まっていくと見られる。

次第に領域を拡大しているOLED照明

OLED照明が次第に採用可能領域を拡大していることで、OLED照明市場の開花への期待感が高まっている。特にLG Displayは最近OLED照明の生産ラインを稼働する準備を整え、顧客企業向けのマーケティング活動を積極的に展開しており、OLED照明市場が本格的に拡大するかに注目が集まっている。

 

LG Displayは最近韓国ソウル淸潭洞にあるbaskin robbins BROWNにOLED照明を納品したことを始め、明洞にあるコスメショップIOPEに‘Transparent Connections’が採用されたOLED照明を納品したことを伝えた。LG DisplayはOLED照明の厚さが0.88mmと非常に薄いため、審美的効果が高く、発熱が少なくて化粧品などの展示商品には影響を与えないと説明した。

<IOPEのショップで使用されているOLED照明、参考:lgoledlight.com>

今までのOLED照明市場は、モバイル機器とTVに積極的に採用されているOLEDディスプレイ市場に比べ、成長が遅れていた。しかし、OLED照明は薄くて軽く、柔らかいパネルを実現できることから、次世代照明として注目を集めつつ、そのような特性を活かし、室内照明に限らず、自動車用照明や展示用照明など、様々な分野に広く採用されている。

 

最近はIKEAが7つのOLEDパネルが採用された照明器具‘Vitsand’を発売したことを明らかにし、Mercedes-Benzは2018年型Benz S class CoupeとCabrioletのバックランプ(後退灯)にOLED照明を採用するなど、次第にOLED照明の地位が高まっている。.

 

UBI Researchが発刊した『2017 OLED Lighting Annual Report』では、OLED照明パネルの世界市場規模が2020年から大きく成長し、2021年には約19億米ドルに達すると予想している。

2017年から2021年までOLEDモバイル機器用検査測定装置市場規模、 66億3,000万米ドルになると期待

モバイル機器のパネル問題による不便を感じる消費者が増加し、最近各パネルメーカー は検査測定の強化に取り組んでいる。

 

検査測定は製品の品質や性能の改善のみならず、顧客満足度を向上することで、ブランドイメージを高めることができる。また、各工程において異常の有無をリアルタイムで点検できるため、工程の安定化による生産性と歩留まり率の向上も実現できると予想される。

 

UBI Researchが発刊した『2017 Inspection and Measuring Equipment Report for OLED Mobile Device』では、OLED装置市場全体における検査測定装置市場規模は、2017年から2021年まで総額66億3,000万米ドル(約7兆3,000億ウォン)になると予想されている。2018年には14億5,000万米ドル(約1兆6,000億ウォン)規模のOLED検査測定装置に対する投資が行われる予定で、2019年には16億米ドル(約1兆8,000億ウォン)の最大規模の投資が行われると予想されている。

 

イ・チュンフン代表によると、韓国のSamsung DisplayはA5の第6世代フレキシブルOLEDラインに対する投資を実施中で、LG DisplayはOLEDの売上高を増加するために大規模投資を行うと発表し、BOEとCSOTなどの中国のOLEDパネルメーカーも、OLEDラインへの投資に積極的に取り組んでいるため、検査測定装置の需要は続くと予想している。

 

本レポートには、2017年から2021年までの検査測定装置市場を様々な観点から分類し、予後を予測した内容が記述されている。2017年から2021年まで全体市場において、基板とTFTに導入される検査測定装置は50.6%と最も大きな割合を占め、セル検査測定装置は29.7%、OLED画素検査測定装置は12.7%、封止検査測定装置は7%を占めると見込んだ。また、検査測定項目別に分類された装置市場は、パターン検査が33.1%、リペア装置が21.3%、点灯検査が16.4%の順になると予想した。

 

最後に検査測定装置の中で最も主要なAOI(Automated Optical Inspection、自動光学検査)装置とレーザーリペア装置は、同期間に23億3,000万米ドルと14億1,000万米ドルになるとの見通しを示した。

<2017~2021年、OLEDモバイル機器用検査測定装置の展望>

LG Display、OLED TVのプリミアム市場を席巻

韓国LG Displayにおける10月のOLED TVパネルの販売量が、韓国LG Electronics、日本ソニー、オランダPhilipsなど、主要グローバル顧客企業による販売量急増を追い風に、前年同月比2倍以上増加した。

 

LG DisplayにおけるOLED TVパネルの販売量は、10月を基準に初めて20万台を突破し、11月には販売計画が21万台を超えるなど、年末まで販売量が増加し続けている。

 

LG Displayは今年初めてOLEDTVを発売したソニーによるOLED TV販売が好調を見せたことで、北米プリミアムTV市場(55型と65型TV)において、OLED TVセットの販売数量と金額の全てが74%という圧倒的な占有率を達成した(9月NPD北米集計基準)。

 

北米ではソニーによる9月の販売量が前月に比べ2.1倍成長し、ヨーロッパではPhilipsによる第3四半期の販売量が前四半期比べ5.9倍急増した。OLED TVの本家であるLG Electronicsの販売量も、北米とヨーロッパを通じて9月の一カ月間に、前月比1.5倍急成長するなど、主要顧客企業によるOLED TVの販売量が急増した(9月NPD北米、GFKヨーロッパ/CIS14カ国集計基準)。

 

特に7月末にはLG Displayが未来ディスプレイ市場をリードするために、投資の中心をOLEDへ移動すると宣言してから3カ月も経過していない間に、グローバルOLED TVの販売量が急成長しているため、OLEDがプリミアムTV市場の主流として迅速に位置付けている。

 

このような動きは9月に開催されたIFA展示会で、グローバルTVメーカー13社がOLED TVをプリミアムTVラインアップの前面に押し出して以降、消費者の需要が急増し、年末までの需要はもちろん、来年の物量まで増やしてほしいという顧客企業からの注文が相次いでいる。

 

これによってLG DisplayのOLEDTV販売量は、今年150万台規模を予想していた市場調査機関の展望値を越える170万台以上を記録すると予想されており、来年にも270万台以上が販売されると見込まれている。

 

LG Displayは下半期に本格的な稼働を開始した坡州(パジュ)E4-2ラインの稼働率を最大化し、急増する顧客の需要に対応するという方針である。

 

LG Displayのハン・サンボム副会長は「OLEDはプリミアムTV市場の主流として迅速に位置づけており、当社の生産能力増加とともに成長し続けている」と述べた。

 

このようにOLEDへの関心が高まる中、LG Displayは最近中国とヨーロッパで「OLED Day」のイベントを開催し、OLEDの優秀性を積極的に知らせた。また、中国の8大主要都市にOLED体験館を設け、OLEDの可能性と未来技術を消費者に直接体験させ、OLED技術を継続して広めている。

LG Display、2018年までOLEDの売上高比率2倍に拡大

韓国LG Displayは25日に行われた2017年7~9月期(第3四半期)の決算カンファレンスコールで、2018年までOLEDの売上高比率を10%から2倍の20%に引き上げることを明らかにした。

 

LG Display の キム・サンドン 常務は「大型OLEDの生産能力拡大によって、OLED TVの出荷量が増加しており、壁紙(Wall Paper)とCSO(Crystal Sound OLED)などの新しいプレミアム製品が良い反響を得ている。LCD TVとの違いが認められている」と説明した。

 

これにより「2017年OLED TVパネルの出荷量は170万台になると予想している」とし、「出荷量は2018年に250万~280万台、2020年には650万台以上に達すると期待している」と述べた。LG Displayは「OLEDパネルの収益性を確保するために経済に関わる活動の規模を拡大している」と説明した。同時に「材料費と諸費を削減するために中国にOLEDパネル工場を設立し、効率的なラインと規模の経済、エコシステムの導入拡大などで、コストを削減できる」と付け加えた。

 

2017年10~12月期(第4四半期)の出荷面積は「年末及び来年の春節などシーズン対応の影響によって1桁台の伸びを示し、販売価格は製品やサイズ別需給状況によって多少違いはあるものの、全体的に下落傾向にある。この傾向は徐々に弱まる」と予想した。
モバイル用ディスプレイについては、現在「LCDからPOLEDへと変わっている。LCDパネルの売上高は総売上高の30%を示しているが、売上高は2019年の投資終了時点から本格的に増加する」と説明した。

 

続いて「LG Displayは未来に対する長期的な計画として、今後OLEDを中心とする投資を進めていく中で、困難な市場環境が続くという保守的な見込みから、LCDならではの特性を持つ製品による収益性の最大化やOLED事業拡大による収益性改善のために努力を続ける」と付け加えた。

 

LG Displayは販売価格の下落傾向にも関わらず、2017年第3四半期基準の売上高は6兆9,731億ウォン、営業利益は5,860億ウォンで、営業利益は22四半期連続の黒字を達成した。売上高はOLED TV製品を拡大するなどプレミアム製品の強化やシーズンによる中小型モバイル製品の出荷量増加などの影響から、前四半期の6兆6,289億ウォンに比べ5%、前年同期の6兆7,238億ウォンに比べ4%増加した。
2017年第3四半期の売上高基準の製品別販売比率は、TV用パネル40%、モバイル用パネル27%,、ノートパソコン及びタブレットPC用パネル17%、モニター用パネル16%となった。

セットメーカーによって異なる個性と特長を浮き彫りにしたOLED TV

韓国LG Electronicsは先日11日に、韓国国内でLG OLED TVの販売量が1カ月間で初めて1万台を超え、急速なペースで大衆化を迎えていることを明らかにした。また、2017年にはOLED TV陣営に加勢したソニーが大反響を呼びながらプレミアムTV市場に占める割合を拡大しつつある。このようにOLED TVは優れた画質とともにコスト削減による価格競争力の向上で、プレミアムTV市場を先導している。

 

現在OLED TVは、韓国のLG Display、日本のソニー、東芝、パナソニックなどで量産されている。OLED TVを量産中の全てのセットメーカーがLG DisplayのOLEDを採用しているが、メーカーによって異なる個性と特長が浮き彫りになったOLED TVを量産している。

 

LG ElectronicsはまずSignature TVであるOLED W7の特長として、OLEDならではのリアルな画質と壁紙(Wall paper)のデザインを挙げた。自発光素子のOLEDを採用し、無限大に近いコントラスト比と自然に近い豊富な色の表現を実現、Dolby Vision HDRとHDR10を採用し、リアルな画質を提供したと述べた。また、厚さ4.6mmの薄いパネルで、まるで映画館のスクリーンを見ているような経験を提供し、パネル以外の全ての部品をイノベーションステージというスペースに収納し、完璧な壁紙(Wall Paper)のデザインを完成したと説明した。

<LG ElectronicsのOLED TV W7、参考:LG Electronics>

ソニーは4K BRAVIA OLED TV A1Eシリーズの特長として、サウンド、画質、シンプルなデザインを強調した。先日CES 2017で大きな注目を集めたTV画面が振動しながら発音する「Acoustic Surface」を採用し、一層向上した没入感を提供できると述べた。また「X1 Extreme Processor」というHDRチップを搭載することで、OLED TVの画質をさらに向上し、ケーブルなどを裏側のスタンドに収納し、シンプルなデザインを実現したことを明らかにした。

<ソニーによる4K BRAVIA OLED TV A1EのAcoustic Surface、参考: ソニー>

続いて、東芝はREGZA X910の特長として、DCI-P3カバー率約100%の高い色再現率と800nit以上の高輝度を挙げた。色再現率の向上で自然な色彩を表現し、輝度の向上で明部と暗部をさらに豊富な階調で表現することができた。また、HDRの復元機能を強化し、鮮明で臨場感あふれる高画質の映像を実現したと明らかにした。

<東芝のREGZA X910、参考:東芝>

最後にパナソニックは完全なる黒の表現と豊富な色表現力を実現したと説明した。特にパナソニックの高画質技術の「ヘキサクロマドライブ プラス(Hexa Chroma Drive Plus)」を採用し、LCD TVでは実現が難しかった高コントラスト比と暗部に潜んでいた色彩まで表現し、映像の制作者が意図している映像の完成をありのまま再現したと強調した。

<パナソニックの「ヘキサクロマドライブ プラス」技術の比較、参考:パナソニック>

このようにOLED TVのセットメーカーは独自な個性と特長を浮き彫りにしたOLED TVを紹介している。先に記した4社のみならず、ドイツのLOEWEやデンマークのB&Oなども、OLED TVを既に量産している、もしくは量産開始を目指して準備を進めているなど、OLED TVの発売が続くと予想される。セットメーカーならではの独自の技術力に基づき、どのような個性と特長が強調されたOLED TVを量産するかに注目が集まる。

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)が選んだ「OLEDディスプレイ」

最近、第4次産業革命をリードしている仮想現実と拡張現実機器にOLEDディスプレイを採用することで、LCDと比べ応答速度が速く、多彩な色と高いコントラスト比の実現が可能になり、利用者は 現実感のある映像を体験できるようになった。

 

仮想・拡張現実用OLEDディスプレイは、ゲーム、 広告、教育など全産業分野において、幅広く活用されており、関連出願も活発に行われていると見られる。
韓国特許庁によると、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)用OLEDの出願件数は毎年、増加傾向にあり、特にこの3年間の関連出願が大幅に増加したことが分かった。

<仮想・拡張現実用OLEDディスプレイの出願動向、参考:特許庁>

最近の出願件数を年度別に見ると、2014年240件、2015年263件、2016年439件と、2014年を基点に仮想・拡張現実用OLEDディスプレイ技術に関する出願件数が急増した。

 

仮想・拡張現実OLEDディスプレイ分野に関する出願件数が最近増加したのは、仮想・拡張現実機器を本格的に普及するための先決問題となる解像度、応答速度、活用性、フィット感、価格など、様々な条件が求められている中、OLEDディスプレイはリアルな映像が実現できるだけではなく、更にフレキシブル設計が容易という利点から、従来のLCDと比べてそのニーズに応えることができるためだと考えられる。

次に、2020年頃に仮想・拡張現実の市場規模は、約800億ドルまで大幅に拡大する見込みで、仮想・拡張現実機器に適したOLEDディスプレイは、フレキシブル、ローラーブル、ベンダブル、ストレッチャブルディスプレイなどと様々な形で開発されることから、仮想・拡張現実用OLEDディスプレイ技術に関する出願件数は、今後も増え続けると見られる。
この5年間(2007年~2016年)の特許出願の内訳を出願者別に見ると、大手企業774件(60%)、中堅・中小企業142件(11%)、大学‧研究機関72件(6%)、個人70件(5%)、外国人237件(18%)という調査結果が出た。

 

主要出願メーカー別には、LG Electronics 465件、Samsung Electronics2 16件、Microsoft 51件、Samsung Display 29件、SK Planet 20件、Qualcomm 17件、LG Display 17件順に集計され、仮想・拡張現実用OLEDディスプレイ関連技術が韓国国内企業によってリードされていることが分かる。

 

仮想・拡張現実用OLEDディスプレイの応用分野別出願現況を見ると、個人向けエンターテイメント(ゲーム、テーマパーク、体験館)426件、防衛(戦争シミュレーション、武器開発、戦闘機操縦)169件、広告141件、医療(3次元シミュレーション、仮想内視鏡、模擬手術)131件、ヘルスケア123件、映画117件順となり、仮想・拡張現実用OLED技術は、ゲームや防衛産業分野で最も多く活用されていると考えられる。

特許庁のキム・ジョンチャンディスプレイ機器審査チーム長は「TVや携帯電話などの個人用製品を中心に進歩したOLEDディスプレイは、優れた映像を提供する技術力に基づき、仮想・拡張現実だけではなく、新たな産業分野へと活用領域が拡張すると見られる。また、OLEDディスプレイの寿命延長と使用温度範囲の拡大など、性能向上に向けた技術に関する出願件数が増加すると予想される」と語った。

特許庁はOLEDディスプレイ分野における特許競争力を高めるために、産業界と共同で「IP Together」を定期的に開催してきた。今後は「改正特許法説明会」などを通じ、関連情報を継続的に提供していく予定である。

 

UBI Researchが発刊した『2017 AR/VR用ディスプレイ市場レポート』では、AR/VR用OLEDディスプレイの出荷量は、2017年に260万個になり、AR/VR用ディスプレイタイプ別の出荷量全体の52%を占め、2021年には5,200万個になり、同市場全体の80%を占めると予想されている。

<AR/VR用ディスプレイタイプ別の出荷量展望、参考:UBI Research>

Cynora、TADFはOLED機器の高解像度の実現とパネルのコスト削減に貢献

9月22日に韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催された「Global Materials Tech Fair 2017」で、ドイツCynoraの韓国パートナー企業であるEM Indexのコ・チャンフン代表は、現在Cynoraが開発中のBlue TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence)の開発動向について発表した。

 

<EM Indexのコ・チャンフン代表>

 

一般的に青色発光材料は、赤色と緑色に比べ寿命と効率が低い。そのため、モバイル機器用OLEDパネルでは青色の画素サイズを他の画素より大きくし、TV用パネルでは青色発光層を2回積層している。このような青色発光材料の限界を突破するために開発を進めている材料が、青色TADFである。

 

コ・チャンフン代表は「青色TADFの採用によって寿命と効率が改善し、画素サイズを大きくする必要がないため、高解像度を実現しやすい。モバイル機器においては高解像度を実現できると同時に電力消費を削減でき、TVにおいては青色発光層を1層形成するだけなので、パネルのコスト削減に優れている」と強調した。

 

続いて、最近Samsung Venture InvestmentとLG Displayによる2,500万ユーロ規模の投資は、青色TADFが注目されているということを証明すると説明した。

 

主要OLEDパネルメーカーが求める青色TADFの効率、寿命、色の純度に近づいていると明らかにし、2017年末には要件を満たすことができると予想した。

<Cynoraにおける青色TADF開発の進捗状況>

 

最後に、2018年末まで緑色TADFを開発し、2019年末まで赤色TADFを開発するという今後のロードマップを紹介し、TADFがOLED製品の高解像度の実現とパネルのコスト削減に大きく貢献すると付け加えた。

<CynoraにおけるTADF製品の開発ロードマップ>