OLED製造装置の動向とレポート紹介

「2020年OLED製造装置レポート」に関するQ&A
1. QD-Displayの開発状況と製造装置は、現在どのような状況でしょうか?
2. OLED関連の製造装置企業が今後の市場に対応するための戦略は、どのような方向に向かうでしょうか?
3.日本でこの報告書を読んでいただきたい企業や部門はどうような方々で、どんなことが理解できるようになるのでしょうか?

「2020年OLED製造装置レポート」は、販売は分析工房が行い、電子メールによりUBIリサーチから納品します。購入の申し込みやお問い合わせは、分析工房のホームページからお願いいたします。

OLED市場が急成長から調整期に突入

サムスン電子とアップルをはじめとするスマートフォンメーカーがフラッグシップモデルにOLEDの使用量を増やすに沿って急成長していたOLED市場の成長にブレーキがかかった。

毎年3四半期は新型iPhoneの発売により、スマートフォン用OLED実績が最も良いシーズンである。UBIリサーチ(www.ubiresearch.com)のディスプレイマーケットトラックによると、今年第3四半期には1億1300万台が出荷されて前四半期670万台に比べて2633万台が増加し、30.4%の成長を見せた。しかし、この数値は錯視現象によるものである。理由は、新型コロナのせいで第1四半期と第2四半期の業績が以前に比べて非常に悪かったからである。今年第3四半期の出荷量を昨年第3四半期と比較してみると、17.9%が減少した数値である。2018年第3四半期よりも出荷量が少ない。

第3四半期にスマートフォン用OLED出荷量が減少したのは、新型コロナ19に華為制裁が加えられたためである。サムスンディスプレイとBOEの華為向け出荷量が急減したことが、第3四半期の業績を悪化させた。

華為の制裁によって、サムスン電子とOppo、Vivoなどの企業が反射利益を得るという分析もたくさんありますが、サムスン電子は現在中国で市場を失っており、OppoとVivoのブランド力は華為に及ばないので、華為が占有した中国内の高価なスマートフォン市場を代替することは厳しい状況だと思われる。したがって、OLEDを主に使用して来た華為のスマートフォンが市場から消えるされて、サムスンディスプレイとBOEの出荷も期待より減るしかない。

3億台市場を突破しOLEDを大量購入すると期待していた華為のスマートフォンの生産支障によって、スマートフォン用OLED市場は当分の間、成長が鈍化すると予想される。その結果、中国でのOLED市場は深刻な供給過剰の事態を苦しむだろう 。

QNED 商品化一歩近づいた

今回の報告書は、サムスンディスプレイがQNEDに関連して出願した特許の中で、2020年10月2週目まで公開された94件を精密分析した内容で構成されている。上半期には41件の QNED 特許を分析した。追加で確保された特許では、驚くほどの技術的な進歩が確認された。

Backplaneは7T2C TFTであり、nano-rod LEDを配置するためのoscillatorとリペア用トランスジストが一緒に配置されていると見られる。 QNED回路はモバイル機器用OLEDに使用されるTFTと同様の構造で構成されていた。QNEDも電流駆動素子であるため正確な制御が必要と思われる。大型OLEDは3T1C構造を使用している。

今回追加で確認された内容の中で最も目立つ内容は整列用トランジスタ(oscillator)が内蔵されている点である。Nano-rod LEDはインクの状態でパネルにプリントされ、パネルに印加される電界によって遺伝泳動力で整列される。この時、整列波形に基づいてnano-rod LEDの配置数と画素収率が決定される。Oscillatorは、これまでのディスプレイには使用されなかった技術である。

QNEDに関連して専門家の間で懸念していたのは収率である。画素内に10〜20個程度配置されるように見えるnano-rod LEDはすべて電気的に接続されているので、nano-rod LED自体の欠陥や整列不良によって画素のショートが発生することができる。サムスンディスプレイはこの点を解決するために、シリアル/パラレル混合の接続配線構造と、配列されているnano-rod LEDに問題が発生した場合にすぐに解決することができるリペアトランジストを配置した。Backplane製造技術は以前に予想していた構造よりもはるかに複雑であるが、事業性に直接関連する歩留まりを確保することができる技術が内蔵されていることが確認された。

このレポートには、nano-rod LEDインクの溶媒に関連する特許を収録した。Nano-rod LEDを分散させるために必要な条件と噴射された後、整列がよくなるためには粘度の調節が重要な技術である。サムスンディスプレイはプロセスの中で溶媒の粘度を変えることができる画期的な技術を使用していた。

加えて、インクジェット装置の構成について詳細に説明した。インクジェット装置はnano-rod LEDインクを噴射するユニットと噴射されたインクの位置と量を検査するモジュール、配置されたnano-rod LEDの数をセンシングするユニットで構成されていた。また、インクジェット装置は各工程で評価された結果を分析して、再びインクジェットユニットにフィードバックし、インクの粘度や量、インクジェットヘッドの位置などが変更できる技術で構成されていた。

サムスンディスプレイはQNED特許を2016年から出願し始めた。技術開発期間は4年に過ぎないが、2019年までに出願された特許として確認された技術水準は2021年に量産設備を投資しても構わない位のレベルまえ至っていると予想される。

ディスプレイの専門家であれば、本報告書で分析した内容のみでもQNED技術の完成度が量産に近づいていることを知ることができるだろう。

2021年にリリースされるサムスン電子のフォルダブルスマートフォン、タッチペン搭載とUTG厚異なりますが

劉備リサーチが最近発刊した「2020 OLED部品素材報告書」によると、2021年にリリースされるサムスン電子の次世代フォルダブルスマートフォンは、ペン機能が搭載されると予想される。

9月に発売したサムスン電子の「Galaxy Z Fold2」にペンの機能が追加されることと期待を集めたが、ペンの機能をサポートするために必要な素材であるデジタイザの柔軟性の問題とカバーウィンドウ素材であるultra thin glass(UTG)の薄さのために、最終的にペンの機能は追加されなかった。

ペン機能を追加するために、最近、サムスンディスプレイは、デジタイザを必要としないactive electrostatic solution(AES)方式を適用とUTGの厚さの変化を考慮しているものと思われる。

まず、「Galaxy Note」シリーズには、OLEDパネル下部にデジタイザがあるelectro-magnetic resonance(EMR)方式が使用されている。 EMR方式は、タッチ感度が良く、ペンに電池を内蔵していなくてもされるが、金属材料であるデジタイザの柔軟性の問題が原因でフォルダブル機器には適用をできずにいる。

EMR方式を開発している企業が、特別なソリューションを提供していない以上AES方式が次期見るダブル機器用のペンに適用される可能性が高く、この場合Y-OCTAのセンサーピッチがより密に形成されるか、またはTouch ICがより複雑に設計することができる。

AES方式は、LGディスプレーとBOEもフォルダブル機器に適用するために開発中である。

また、UTGの厚さも変化が予想される。現在商用化されている30 um厚のUTGは、柔軟性が良いフィルムのような特性のためにタッチペンで圧力を加えると跡が残り、タッチ感度にも影響を与えることができる。これを解決するために、サムスンディスプレイは、ガラス加工メーカーと共同して、60 um厚さ以上のUTGを開発している。

厚さが厚くなるほどUTGの柔軟性は低下するので、現在開発中のUTGは折る部分が薄く加工され、ガラスと同じ屈折率を持つ材料で充填するコンセプトが適用されるものと予想される。また、将来的にはUTGにPETなどの保護フィルムなしで強化工程の後に、追加のコーティング工程が追加される可能性もある。

劉備リサーチの「2020 OLED部品素材レポート」には、これらのサムスンディスプレイのフォルダブルOLED予想変化をロードマップに作成し、関連する素材の動向を分析した。レポートによると、サムスン電子のフォルダブル機器用ペン適用は2021年に見られ、今後のフォルダブル機器用カバーウィンドウ市場はUTG素材が2025年までに78%水準で市場をリードすることが期待される。

2020年第2四半期の発光材料市場は2.3億ドル規模

UBIリサーチが発刊した”2020年3四半期発光材料のマーケットトラック”によれば2020年第2四半期の発光材料市場が2.3億ドルで集計された。前四半期により30%、2019年第2四半期により24%減少した数値である。

第2四半期発光材料市場の減少はサムソンディスプレイのパネル出荷減少と在庫物量が重要原因で分析出来る。

まず、サムソンディスプレイの第2四半期パネル実績の中、中国向けは第1四半期により27%増加したがサムソン電子のGalaxy S20シリーズ販売量の不振に拠ってパネル生産量の減少と6月から量産を始めたGalaxy Note20用のパネル物量が20万台以下にとどまりして発光材料の使用量もその分縮んだ。

また第1四半期には新型コロナウイルスによって材料の受給を懸念した中国パネル企業の過剰注文により在庫物量は増加したが、在庫物量を消費するほど稼働率が高くならなかった点も市場の減少中の一因になった。

ただ、下半期にはサムソンディスプレイとLGディスプレイのApple向けパネル量増加とLGディスプレイ広州ラインの稼働等によって発光材料市場の拡大が期待される。

2020年Apple向けにサムソンディスプレイは8,000万台、LGディスプレイは2,000万台程度のパネル供給が予想され、7月から稼働に始めたLGディスプレイの広州ラインも発光材料使用量の拡大に寄与する見通した。

2020年の発光材料市場は14.1億ドル規模で2019年により10%増加されると見通している。サムソンディスプレイの発光材料仕入れ額が全体中の50%以上を所有されると予想される中で、LGディスプレイが20%、BOEが10%中盤程度で後ろを続くと予想される。

LPKFのレーザーガラス加工技術、UTGより厚いガラスも折り畳む。

今年下半期に発売されるサムスン電子の「Galaxy Z Fold2」にはSペンが適用されるという期待があったが、結果的には年を引き渡すことになった。

現在、三星電子の「Galaxy Z Filp」に適用されているカバーウィンドウ素材であるUTGは30 um厚さで、商用化されている一般のカバーガラスの厚さの300 umより1/10水準に薄い。 フォルダブルフォンに薄い厚さのUTGを使用して柔軟性の確保が可能だったが、フィルムのような特性によってSペンを適用するには耐久性に欠けるという問題が発生した。

これを保安するためにはUTGの厚さをさらに厚くして柔軟性も持つ技術が必要となると見られる。 ガラスの折れる部分を加工して厚い厚さでも柔軟性を確保する方式が代表的だ。

最近、ドイツのハイテク会社であるLPKFで開発して特許を出願したLIDE(Laser induced deep etching)技術が良い例になるものと予想される。 この技術はレーザーを利用した微細領域で形質の変更と化学的処理をして2段階の工程で、微細な亀裂なく30 umから900 umまでさまざまな厚さのガラスを加工することができると知られている。

LPKFはカバーウインドウガラスが折れる部分をレーザーで微細加工してガラスに柔軟性を付与して、微細パターンに反射率マッチングが可能なポリマーを使用してパターンが見えないように設計が可能だと説明している。

LPKFでLIDE関連別ブランドのVitrionのユーチューブの映像(https://youtu.be/Vh3rU4LRHaw)を見ると、500 um厚さを持ったカバーガラスをパターニングして1 mmの曲率半径を確保したことを確認することができる。

<LPKFのフォルダーブルOLED用カバーガラス、Source: LPKF>

こうしたガラス加工技術により、今後は現在よりも厚いカバーガラスがフォルダーブルフォンに適用され、Sペンもサポートできるかどうかの帰趨が注目される。

サムソンディスプレイ、A3ラインをY-OCTA製造が可能なラインに交換

モバイルに装着されるtouch panel技術はuser interface機能を遂行するために重要な技術である。 Flexible OLEDディスプレイのtouch技術は、外付け方式(Add-on type)から内蔵型方式(on cell type)へと変化している。

薄膜袋(TFE、thin film encapsulation)の上にtouch sensorが形成される内蔵型方式は、 各パネルメーカー別にY-OCTA(YOUM on-cell touch AMOLED)、ToE(touch on encapsulation)またはFMLOC(flexible multi-layer on cell touch)などの多様な名称で呼ばれる。 内蔵型方式は外装型方式と違って、別途のベースフィルムがなく封止層の上部に直接にtouch sensorが形成される。 このため内装型は外装型より工程難易度が高いが、OLEDパネルの厚さを薄く製作するのが有利で、工程コストも削減される効果がある。

最近、OLEDを利用したモバイルにこのような内蔵型方式のtouch技術を適用するため、各ディスプレイメーカーはライン改造の作業が段階的に進められている。 内蔵型方式のtouch 技術を適用するためには、4つのmask stepが追加されることになる。 工程stepの増加に対応する方法としては、増加される工程分の新規装備を追加で設置して対応する案、既存設備で共用で対応する案の2つがある。

サムソンディスプレイは既存のA3ライン(湯井)で内蔵型方式のtouch技術を使うため、既存の露光器を活用することを決め105K capacityのTFT生産ラインの改造作業を段階的に進めている。 既存工程のflow上では1500×1800mm2のmother glassでback plane工程が行われ、このglassをhalf-cuttingした1500x900m m2のglassをOLED工程で行うことになるが、half cuttingされたglassを再びback plane装備で工程するためにはcuttingされた2枚を連結して処理するjig製作方式を適用することになる。 改造後はA3 lineの生産capacityの減少が発生するだろう。 現在改造対象のA3 lineの105KはLTPS工程からLTPO工程に変更され、Y-OCTA工程と兼ねるようになる。 この場合LTPSからLTPOに変更して3つのmask stepが増え、Y-OCTAのために追加4つのmask stepが増加する。 Total 7つのmask stepが増加した結果で、A3 lineは改造後、従来の105K 生産capacityが概ね75K水準に減少すると 見られる。

中国のBOEも、B7とB11で内蔵型のtouch工程を追加構成中だ。 BOEは内蔵型方式のtouch工程を追加する案で、露光装備などを追加購入して処理する方式で進められている。 この場合生産capaの大きな変動はないものと見られる。

<Production capacity comparing with before/after modifying at SDC A3 line>

QNED構造と製造技術に関する分析報告書の発行

UBIリサーチ(jp.ubiresearch.com)がサムスンディスプレイのQNED(quantum dot nanorod LED)公開特許41件を分析した「QNED構造と製造技術に関する分析報告書」を出版した。

本報告書に記載された内容は公開された特許41件中QNED製造に使用されるものと判断される完成度の高い技術を選別して、定性分析し構成した。

公開特許を分析した結果、QNED構造はTFTと画素、QD(quantum dot)-CF(color filter)で形成されていた。公開された特許でTFTの構造はすべて2Tr(transistor)に描かれていたが、電流駆動用TFTは少なくとも3つ必要であるため3Tr1C構造を使用と推定される。画素はnanorod LEDと電極、光効率を増大させるための光学構造で構成されていた。

これまで画素の電極構造は長方形であることが知られていたが、公開された特許を分析した結果、電極構造は円形であると推定される。特定の特許で円形電極に非対称波形を印加するとnanorod LEDの配列方向と整列特性が良くなった。 Nanorod LED配置電極と駆動は、同じ電極を使用していると判断される。

QNED製造に使用されるnanorod LEDはGaNで製作され、青色光を出すLEDであり、サイズが<1um x10umである。Nanorod LED配置の効果を高め、工程不良を減らすためにnanorod LEDの表面は絶縁膜と素子配向基で処理されているものと思われる。

Molecular Glasses、OLEDの寿命を向上させたOLEDIQ™材料特許登録

Molecular Glassesは、米国特許庁に「OLED devices with improved lifetime using non-crystallizable molecular glass mixture hosts」の特許を登録した。(特許番号U.S.10,593,886 B2)

<OLEDIQ™材料を適用して改善されたOLEDデバイスの寿命、Source:molecularglasses.com>

Molecular Glassesの今回の特許は非結晶性分子ガラスの混合物ホストを利用してOLEDの寿命を改善させた。OLEDの基本構造であるカソードとアノード、その間に配置された発光層、カソードと発光層の間に配置された電荷輸送層を含まれており、発光層は、ホスト材料とエミッタ(emitter)を含んでいる。

ホスト材料は、正孔輸送能力や電子輸送能力、ambipolar capabilitiesを含む高エントロピーアモルファス分子ガラスの混合物を含み、 ambipolar capabilitiesは正孔輸送能力および電子輸送能力を含んでいる。

Molecular GlassのCEO兼創設者であるMike Molaire氏は「OLEDIQ™材料は、非晶質の溶解性小分子としてドーパントエミッタの凝集を防止し、OLEDデバイスの寿命と信頼性を大幅に向上することができる」とし、「これは青色OLEDの効率と長寿命を実現させることができる理想的なプラットフォームになるだろう」と述べた。続いて、「OLEDIQ™材料は、従来の真空蒸着工程だけでなく、材料の変形なしにインクジェット工程にもすぐに適用することができる」と紹介した。

FlexiGoの「Foldy-200」、フォルダブルOLED信頼性確保の主要機器

最近、ディスプレイ業界で最大の話題はフォルダブルOLEDだ。フォルダブルOLEDの最大の課題は折り畳み耐久性であり、関連企業は20万回以上の折り畳み耐久性を備えた製品を開発するために努力している。

折りたたみ試験は通常のフォルダブル素材の一部を固定板に固定し、他の一部は回転板に固定させて機械的に回転運動をする方式が代表的である。しかし、この方法はフォルダブル素材と回転板の軸が異なるため、回転運動時のフォルダブル素材が素材本来の回転パスではなく、回転板の回転経路に沿って行くように誘導されてフォルダブル素材に引張力が作用する可能性がある。これによりフォルダブル素材の正確な折りたたみ耐久性を評価することは難しことがある。

特に、FlexiGoで最近開発された「Foldy-200」は、チャンバー内の温度と湿度を変えてフォルダブル素材の正確な折りたたみ耐久性を試験することができるように設計された。また、チャンバーガラスを丸い形に製作して、内部と外部に熱線を設置して、高湿度で水滴などがチャンバーガラスでフォルダブル材料に落ちる問題を事前にブロックした。

「Foldy-200」は、17インチサイズ以下のフォルダブル素材を希望曲率半径の下での折りたたみとアウト折り畳み試験が可能である。また、micro&macro visionとsurface profiling、colorimeterなどの自動検査設備が搭載され、既存の折り畳み試験にかかっていた時間が大幅に減少することが期待される。