CYNORA、TADFの実用化に向けLG Displayとの共同開発契約延長を発表

TADFを開発する企業CYNORAはLG Displayと共同開発契約を延長したことを発表した。この二社は、2年間深青色(Deep blue)TADFを共同開発しており、今回の契約延長でTADFの実用化に向けて協力を続ける予定である。

現在、CYNORAが開発している最新の深青色TADFの性能は、8月に開催されたIMID 2018で公開されたことがある。当時の説明によると、CIEyは0.13、EQEは20%(1000 nits基準)、LT97は15時間(700 nits基準)となる。

 

さらに、CYNORAは照明アプリケーション用淡青色(Sky blue)TADFとディスプレイ用緑色TADFも開発するという。CYNORAのGildas Sorin最高経営責任者(CEO)は「現在、CYNORAはOLED TV用深青色TADFの開発に集中している」と述べ、「今まで深青色TADFを開発しながら積み重ねてきたノウハウを活用し、照明アプリケーション用淡青色TADFとOLEDディスプレイ用緑色TADFを開発していく」と明かした。

車載用OLEDディスプレイの黄金時代が訪れる

コネクテッドカーのディスプレイは、様々な情報を提供し利便性を図るため、段々大きくなっている。一般自動車に採用されるディスプレイには、クラスターとCID(Center Information Display)、RSE(Rear Seat Entertainment)、RMD(Room Mirror Display)がある。コネクテッドカーは、センターフェイシア(Center Fascia)に多くあるボダンがディスプレイになり、サイドミラーの代わりとしてカメラを用いたディスプレイがドアに取り付けられる。来年から発売開始されるAudiの電気自動車e-tronには、サイドビューディスプレイが搭載される。

 

UBI Researchイ・チュンフン代表によると、自動車メーカーがOLEDメーカーに積極的にアピールし、ディスプレイにOLEDを採用しようとする理由は、デザインと視認性、厚さなど、OLEDにしか持っていない多くの特長があるからである。

 

サイドビューカメラはドアに取り付けられるため、運転者の視線には広い視野角が必要となる。特に、夜間走行時に物体の形を確実に識別するには、正確な黒色をディスプレイに表示しなければならない。また、高速走行している自動車のミラーに映る画面は、速度によって瞬時に変わるため、応答速度が速いOLEDの採用が必須となる。気温が低い冬に、応答速度が遅いLCDを採用することはできない。それだけではなく、運転者の利便性を最大化するコックピット(cockpit)ディスプレイをダッシュボードに取り付けるためには、フレキシブルOLEDを採用しなければならない。

<BenzのF015 cockpit displayとAudiのe-tron side view display>

Audiは今年初めてAMOLEDを、後席用のリモートコントロールユニットディスプレイに採用し、新たなOLED応用市場を開拓した。Audiは全てSamsung Display製リジッドOLEDを採用する。

 

一方、TV用OLED市場のトップとなるLG Displayは、RGB OLEDを2段に積層したフレキシブルOLEDで、クラスター用ディスプレイとCID市場での成功を目指している。車載用ディスプレイの供給メーカーであり、市場シェア2位を占めるVisteonは、LG DisplayのpOLEDで、クラスター市場を迎える準備を行っている。12.3型pOLEDはLTPS基板から製造され、スマートフォン用OLEDよりOLED工程が複雑なため、モジュールを含むパネル価格は55型WRGB OLEDと同水準になり、少量でも超高価なプレミアム市場を創出できる。

<Visteonの12.3型pOLED>

 

UBI Researchが発行した『車載用OLEDディスプレイレポート』によると、Samsung DisplayとLG Displayがリードする車載用OLEDディスプレイ市場は、2023年に5億4,000万規模に成長すると予想される。

【IMID 2018】青色TADFとHyperfluorescence、効率と寿命の二兎を得られるのか

8月29日に韓国釜山のBEXCOで開催されたIMID 2018で、Kyuluxの安達淳治CEO(最高経営責任者)は、既存の蛍光材料ホストとドーパントにTADFドーパントを添加するHyperfluorescenceの性能を公開した。

安達淳治氏が公開した黄色Hyperfluorescenceの色度図は(0.49, 0.50)、半値幅は76 nm、1,000 nitを基準にするEQEは15.7%、1000 nitを基準にするLT50は62,000時間で、緑色Hyperfluorescenceの色度図は(0.28, 0.65)、半値幅は31 nm、1000 nitを基準にするEQEは20.6%、1,000 nitを基準にするLT50は48,000時間である。

さらに現在、安達淳治氏は開発中の青色Hyperfluorescenceの性能も公開したが、最大発光波長は470 nm、1000 nitを基準にするEQEは22%、750 nitを基準にするLT50は100時間であることを明かした。特に、2018年上半期から青色Hyperfluorescenceの性能が急速に高まっていると述べ、今後さらに向上すると期待を示した。

続いて行われた発表で、CYNORAのDr. Georgios Liaptsis氏は、現在開発中の深青色(Deep blue)を説明し、波長は460 nm、CIEyは0.15以内でなければならないと強調した。淡青色(Sky blue)に近づくと寿命が長くなる特徴があるが、CYNORAは深青色でも淡青色の寿命を確保できるように研究を進めていると説明しながら、性能を公開した。

現在、全てのOLEDアプリケーションの青色には、蛍光青色が用いられている。青色TADFや青色Hyperfluorescenceが実用化され、既存の蛍光青色よりさらに改善した効率と寿命を確保できるか注目が集まる。

Samsung ElectronicsがプレミアムTV市場のシェアを確保するためには?

先日28日にUBI Researchが開催した「上半期セミナー」で、イ・チュンフン代表は2018プレミアムTV市場における重要事項と展望について発表を行った。

イ代表は、60型以上のTVに対する需要について、「2016年の1,200万台から2021年には3,300万台まで拡大することになる」と言い、「第10.5世代への投資が増え、パネルの価格が下がるからだ」と付け加えた。

2018年にはパネルの価格が下落するに伴い、TVの価格も下がる見込みだ。Samsung Electronicsの場合、2018年第1四半期のTV出荷量は970万台で、前年同期比4%の減少となり、Samsung ElectronicsのVisual Display(VD)事業部の営業利益は4%台に留まった。LG ElectronicsのHome Entertainment(HE)事業部の営業利益と比較しても10%低い。

イ代表は「Samsung Electronicsは売上高の減少にも関わらず、営業利益の拡大を優先するために、65型以上の超大型製品のプロモーションに集中すると考えられる」と語った。

現在、Samsung Electronicsは、プレミアムTV市場におけるシェアを高めるために、QD-OLEDをTVパネルとして利用する計画を持っている。QD-OLEDは、青色OLEDを発光材料に用いて、その光が量子ドットカラーフィルタ(Quantum Dot Color Filter、QDCF)を通り抜け、赤色と緑色を実現する技術である。

イ代表はQD-OLEDの成功要因に、65型以上の8K OLEDパネルの生産などを挙げる一方で、LG Displayの第10.5世代OLEDへの早期投資によるプレミアムTV市場飽和が脅威になると説明した。

UBI Researchが発行した『2018 OLED発光材料産業レポート』によると、QD-OLEDは前面発光方式であるため、TFTの方向に光が放出される背面発光方式と比べ、開口率が約70%増加し、既存のWRGB OLEDより8K解像度と高輝度を実現することが容易である。また、色再現率の高いQD材料をカラーフィルターとして採用することで、UHDの色域規格BT.2020に近づけると予想される。

<既存のWRGB OLED(左)とQD-OLED(右)構造、参考:UBI Research>

UBI ResearchはOLED TVの売上高について、年平均約30%で増加し、2022年には約57億米ドル規模まで拡大すると予測した。

OLED材料メーカー、中国市場に注目する理由は

最近OLED材料メーカーが中国にR&Dセンターを設立することを検討している。関連業界によると、LG Chemは中国成都にOLED材料テックセンター(Tech Center)を設立することが知られている。先日20日には、Merckも上海にOLED Technology Center Chinaを設立すると発表した。

Merck関係者は「OLED Technology Center Chinaの設立で、中国メーカーと緊密に協力することができ、製品の発売時期が早まると期待している」と明らかにした。また「このセンターは上海にあるため、中国メーカーと理想的なソリューションを作り出せる共同作業スペースとして活用される」と述べた。

このようなOLED材料メーカーの動きは、拡大が続く中国市場を攻略するためだと考えられる。中国に拠点を置くと、中国市場に特化した戦略の展開や供給メーカーの確保が有利になる。UBI Researchは、中国のOLED市場は売上高を基準に年平均75%で成長しているという。これは現在最大規模の韓国市場と比較して4倍以上早い。

また、6月に発行した『2018 OLED発光材料産業レポート』では、「韓国のOLED発光材料市場が、年平均21%で成長していることに対し、中国のOLED発光材料市場は年平均69%で成長し、2022年には16億1,000万米ドルに達する見込みだ」と説明した。この規模はOLED発光材料市場全体の約38%程度である。

国別発光材料市場の展望、参考:UBI Research

Foldable OLEDの実用化目前、解決すべき技術課題とは

最近、スマートフォンの携帯性はそのままに、従来のスマートフォンより大画面と高解像度を提供できるFoldableスマートフォンが注目されている。Foldableスマートフォンは、折りたたむとスマートフォン、広げるとタブレットPCになるというコンセプトで、Samsung Electronicsに次いで、HUAWEIも今年中にFoldableディスプレイを搭載したスマートフォンの発売を目指している。

UBI Researchのイ・チュンフン代表は「理想的なFoldableディスプレイは、折りたたまれる部分の曲率半径が1R以下で、30万回以上繰り返して折りたたんだり広げたりしても、問題が生じない信頼性が求められる」とし、「それを実現するためには、ディスプレイの材料と構造に多くの変化が必要だ」と明らかにした。

21日に発刊した『2018 OLED材料および部品レポート』には、曲率半径1RのFoldable OLEDディスプレイの開発に向けた重要事項と開発動向が、厚み減少と信頼性を確保できる構造変化、代替材料開発に分類して記載されている。

<曲率半径によるOLEDパネルの厚み変化、2018 OLED材料および部品レポート、発行元:UBI Research>

他にも、モバイル機器用リジッドOLEDとフレキシブルOLED、TV用大面積OLEDに採用されている主要な材料および部品の現況と開発動向、市場展望を取り上げている。また、関連材料および部品メーカーによる今後の開発方向と事業戦略策定、技術や市場トレンド分析の参考になる情報がまとめられている。

超高解像度を実現できるFMM、国産化の動きは加速するのか

Fine Metal Mask(以下、FMM)は、画素とRGB有機物を蒸着する役割を担うため、OLEDの解像度と歩留まりを決定する要素となるが、現在のFMMは蒸着工程の際に熱膨張が起こったり、重さによるシャドー現象(Shadow Effect)が発生する限界にぶつかっている。

FMMは、日立金属製圧延インバーが大日本印刷(DNP)でエッチング工程を経て製造された完成品として、高い価格で全量輸入されている。

そのため、韓国国内外の関連業界はレーザー加工など、様々な方式でFMMの開発に総力を挙げているが、まだR&Dの段階に留まっている状況だ。

先日9日に韓国順天大学新素材工学科のパク・ヨンバン教授研究チームは、電鑄インバー製造技術の開発に成功したことを明らかにした。これは、電気メッキを施して陰極に付着した金属を剥離した後、FMMを製造する技術である。

<電鑄インバー製造技術による熱膨張曲線と微細組織、参考:順天大学>

この技術によって、インバーは板として製造することができ、また、パターン化された陰極の形状をそのまま複製することもできる。さらに、FMMの厚さを今の半分位の7 um程度まで抑えられ、超高画質を実現することができると研究チームは説明した。

パク教授は「電鑄インバーに対する日本の研究レベルは、私達の研究チームと同等レベルに追いつくところまできており、中国は大規模な資本を前面に出して開発に乗り出した」と言い、「韓国企業が国際競争力を先取りするためには、学界の積極的な支援が必要だ」と語った。

最後には「20年近く続けてきた研究で構築された全てのデータベースを論文に公開する決心がついた」ことも付け加えた。今まで全量を輸入に頼っていたFMMを国産化できるのかに注目が集まる。

青色OLED、WRGB OLEDの競争相手として急浮上

プレミアムTV市場でOLED TVの占有率が増加し続け、LCDとの価格差も次第に縮小していく傾向にあり、量子ドット技術を取り入れたLCD TV(QD-LCD TV)メーカーはプレミアムTV市場で苦戦している状況だ。

OLED TVは白色OLEDとカラーフィルターを用いたOLEDパネルを採用しており(以下、WRGB OLED)、唯一LG Displayが量産している。Samsung Displayは、プレミアムTV市場でWRGB OLEDに立ち向かうための技術の一つである青色OLED + QDCF(以下、青色OLED)を積極的に開発していると知られている。

UBI Researchは先日18日に発刊した『2018 OLED発光材料産業レポート』で、Samsung Displayが前面発光方式で青色OLED + QDCFを実現すると予想し、WRGBと比べて8K解像度とBT.2020を満足するにあたって有利になると分析した。

<青色OLEDの予想スタック構造、2段スタック構造(左)・3段スタック構造(右)2018 OLED発光材料産業レポート、UBI Research>

8KとBT.2020というTVのトレンドとSamsung Displayによる青色OLEDの開発に伴い、青色材料に関する開発も積極的に行われる見込みだ。現在、OLEDに採用されている青色材料は、蛍光物質として赤色と緑色に採用されているりん光物質より効率と寿命が低下している。青色りん光材料の開発も続いているが、材料の希少性と技術の壁があり、まだ量産には使われていない状況だ。大面積OLEDパネルには蛍光青色材料を2回以上積層することで、効率と寿命を向上させるスタック構造を導入しており、青色OLEDも2段スタック以上の構造を取り入れると予想される。

このような傾向から、青色発光材料市場も成長が続く見込みだ。2017年の青色材料(ホストとドーパント)の市場は7,000万米ドル規模に成長した。UBI Researchが発刊した『2018 AMOLED Emitting Material Market Track』によると、青色材料は2022年まで年平均32%で成長し、2億7,200万米ドル規模に達する予定だ。

<青色材料(ホストとドーパント)市場展望、2018 AMOLED Emitting Material Market Track>

青色OLEDはOLED TVに使用されるのか

Samsung DisplayはLCD TVに続く次世代ディスプレイ技術として、青色OLED+QDCF(以下「青色OLED」)を選定し、開発に乗り出した。

青色OLEDはOLEDから発光された青色光がQDCF(Quantum Dot Color Filter)を通り抜け、赤色と緑色を表現する技術である(b)。OLED TVに採用しているWRGB OLEDは、白色光がカラーフィルターを通り抜けてRGB色を実現する方式である(a)。

UBI Researchが先日18日に発刊した『2018 OLED発光材料産業レポート』では、Samsung Displayが開発を開始した青色OLEDが、TV用OLEDパネルになれるかを予想した。青色OLED+QDCFの開発方向性と要求性能(効率と寿命)について分析を行い、特に青色OLEDの主要な材料である青色発光材料の現況と開発進捗状況(蛍光・りん光・TADF)を取り上げている。

Samsung Displayの青色OLEDは前面発光方式であるため、TFT方向に光を出す背面発光方式に比べて開口率が約70%増加し、従来のWRGB OLEDより8Kの解像度と高輝度の実現が容易である。また、色再現率の高いQD材料をカラーフィルターとして採用し、2012年に国際電気通信連合会(International Telecommunication Union、ITU)が制定したUHDの色域規格BT.2020に近づけると予想される。

今後プレミアムTV市場において、8KとBT.2020はディスプレイの必須条件で、WRGB OLEDも8KとBT.2020を実現するために積極的に開発を行っている。青色OLEDがWRGB OLEDがリードしているプレミアムTV市場で、どのような影響を与えるかのに期待が集まる。他にも、Soluble OLED材料とNear IR(近赤外線)材料など、新規材料の技術開発動向と重要事項を取り上げている。

出光興産、中国成都市にOLED材料専門子会社を設立

出光興産は最近のニュースリリースで、中国四川省成都高新技術産業開発区(Chengdu Hi-tech Industrial Development Zone)政府と基本合意に至り、現地法人を設立することを知らせた。

 

出光興産によると、最近中国政府が展開しているディスプレイ産業振興政策を背景に、OLED製造設備への投資が加速し、OLED材料に対する需要拡大に備え、材料の供給体制と技術支援を強化することを明らかにした。

 

中国で設立する子会社の名前は出光電子材料(中国)有限公司で、出光興産が約13億円の資本金を100%出資するという。

 

出光興産は2019年度中に工場を完成させ、OLED材料の生産を開始する計画である。