LG Display 大型OLEDの黒字転化、中小型は?

2018年10月24日に行われた2018年7~9月(第3四半期)の決算カンファレンスコールで、LG Displayは大型OLEDが黒字転換したと発表した。最近、OLED TVの販売により、唯一のTVパネル供給メーカーであるLG Displayは売上の増加を達成してきたが、減価償却などで赤字を記録し、今年の第3四半期に黒字転換した。これは、LG Displayを始めとするディスプレイ産業にポジティブな影響を与え、今後追加投資を続けるLG Displayにも有利な状況になると期待される。

第3四半期にはLCDも全般的にパネルの販売価格が上昇するなど、有利な状況が続き、売上高は前四半期比9%増加した6兆1,000億ウォン、営業利益は1,401億ウォンを記録した。しかし、相変わらずディスプレイ産業の流れが変化していると言い、LG Displayは引き続き保守的な観点から今後の戦略を続けていくことを強調し、高付加価値製品とOLEDの収益性改善に集中すると語った。

第3四半期の出荷面積は前四半期比5%増加したが、小型パネルの出荷が遅れたことで、面積あたりの販売価格にはポジティブな影響を与えていないことが確認されており、中長期投資の実行とLCDファブ(Fab)のOLEDへの転換計画などにより、純有利子負債は小幅増加し、キャッシュフローは減少した。

今後、パネルの販売価格が今の上昇を維持することは難しいと考えられ、さらにサイズよって異なると予想される。また最近、産業における重要事項の一つであるiPhone向けパネルの供給については、「モバイル製品の需給問題が解決され、出荷が正常化する」と述べ、2018年末にはiPhone向けにパネル供給が行われることが予想できる。

LCDファブのOLEDへの転換については、まだ規模と時期を明かしていないが、最近の展示やカンファレンスなどで確認された供給計画の規模から推察すると、年内に順次確定し、計画を策定すると期待される。また、E6-1とE6-2ファブの減価償却について言及し、2019年にE6-2の量産を目指していると説明した。

日本初のフレキシブルOLED登場

過去のディプレイ産業で最強国であった日本は、ブラウン管とPDP、LCDの時代を経て徐々に下向きになり、OLED産業では中国に次いで3位の生産国となった。現在、AMOLEDを生産している日本メーカーには、SonyとJOLEDがある。両社とも特殊モニター用OLEDを約月500~1,000個生産している。JDIはフレキシブルOLEDを開発しているが、まだ商品化には至っていない。

製品の生産に消極的だった日本の製造環境で、Sharpがスマートフォン用OLED市場に果敢に挑戦状を叩きつけた。堺工場の第4.5世代試験生産装置でフレキシブルOLEDの生産を開始し、Softbank向けAQUOS zeroモデルに採用する予定である。

この製品はCEATEC2018のSharpブースで展示された。6.2型QHD+のデュアルエッジタイプである。関係者によると、まだ販売開始はしていない。

 

他にも、Sharpは開発中のフレキシブルOLEDを2種展示した。

 

スマートカーのルームミラーとサイドミラーはOLEDに変わる

CEATEC JAPAN 2018が先週幕張メッセで開催された。IoTと先端センシング技術を中心に多くの日本企業が製品を展示した。日本の電子産業が大型ハードウェアから次第に小型先端部品産業とソフトウェア産業へ変化していることが見て取れた。

今回の展示会では、自律走行可能なスマートカーの核心技術も紹介された。Kyoceraは自動車の安全を強化するために、先端センシング技術を画像処理技術を用いて、死角による様々な事故を事前に予測・防止できるコックピット(cockpit)技術を紹介した。

 

また、車載用ディスプレイ事業では、クラスターとCID、ルームミラーディスプレイ、サイドビューディスプレイ搭載の次世代コンセプトカーを展示した。

 

高速走行時に瞬時に変わる外部の状況を映してくれる、ルームミラーディスプレイとサイドビューディスプレイにLCDが採用されると、応答速度が遅くなり、周りの車の位置が実際の位置より遠くに表示され、運転者が車線を変更する時に事故が発生する可能性がある。特に、夜間のコントラスト比が低いLCDでは、物体の形を確実に識別することができない。

それに対し、OLEDは高速な応答速度と高いコントラスト比を持っていることから、将来の自動車のルームミラーとサイドビューミラー市場を完全に掌握すると予想される。

 

【ICEL 2018】次世代発光材料で注目を集めているTADF

 

モニターと仮想現実機器に次いで、自動車のサイドミラーにOLEDを採用するなど、OLEDがスマートとTVにとどまらず、その領域をさらに拡大している。様々な環境の新しいOLEDアプリケーションの数が多くなるほど、利用者を満足させるための技術開発も必須になってくる。

 

済州国際コンベンションセンターで10月15日から行われているICEL 2018で、多くの講演者はOLED市場のさらなる成長に伴い、OLEDの性能向上に向けた材料開発が必須であると説明し、その代案となる材料にTADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence)挙げた。

 

まず、Samsung Displayのファン・ソクファン首席研究員は、OLEDパネルと材料市場の継続的成長について言及し、新しい蒸着工程用発光材料の一つとしてTADFが良い代案になれることを明かした。

 

 

ファン首席研究員によると、青色蛍光材料の効率は現在ほぼ飽和状態にあり、TADFを採用することで、理論上は100%の発光効率を実現できる。その上、高価な希土類金属を使用しなくてもいいという利点がある。実際にOLEDに採用するためには、材料の安定性向上とボロン(ホウ素)材料などを利用した色純度の改善、高い三重項エネルギーを有するホストの開発などが先行課題となる。

次に、TADFを開発している代表的企業CYNORAは、現在開発が進んでいる深青色TADFの性能を公開した。

CYNORAは深青色TADFの発光効率と色純度が、顧客企業に求められる水準に達していると言い、現在は寿命向上に向けた技術開発を最終目標に取り組んでいると伝えた。また、このようなノウハウを基に、緑色と赤色TADFの開発を急ぐ考えを示す一方、緑色TADFは一部の顧客企業にサンプル提供を行ったことを明かした。

 

他に、MerckもTADFに関するポスター発表を行い、TADFが青色蛍光材料を代替できる、最強の発光材料であることを見せつけた。青色TADFがOLED市場にいち早く参入し、OLEDの性能を一層アップさせられるのかに、OLED関連企業と研究機関の注目が集まっている。

【ICEL 2018】OLED TV性能向上に向けたLG Displayの挑戦課題は?

 

10月15日から韓国済州国際コンベンションセンターで開催されているICEL 2018で、LG Displayのユン・スヨン研究所長は、OLED TVの性能向上と値下げに向けた挑戦課題を発表した。

ユン研究所長は「2016年のOLED TV市場の将来展望と比較すると、2018年のOLED TV市場の将来展望は、さらにポジティブに変化している」と言い、「2013年にLG Electronicsが唯一だったOLED TVセットメーカーは、2016年に10社、2018年に15社へと次第に増えるなど、多くのTVセットメーカーがOLEDを選択している」と明かした。

 

続いて、OLED TVは既に発展を遂げているが、今後さらなる発展を目指さなければならないと促し、挑戦課題として輝度と色再現率の改善、8K解像度の開発、寿命向上などの性能向上と値下げを強調した。

 

CYNORA、TADFの実用化に向けLG Displayとの共同開発契約延長を発表

TADFを開発する企業CYNORAはLG Displayと共同開発契約を延長したことを発表した。この二社は、2年間深青色(Deep blue)TADFを共同開発しており、今回の契約延長でTADFの実用化に向けて協力を続ける予定である。

現在、CYNORAが開発している最新の深青色TADFの性能は、8月に開催されたIMID 2018で公開されたことがある。当時の説明によると、CIEyは0.13、EQEは20%(1000 nits基準)、LT97は15時間(700 nits基準)となる。

 

さらに、CYNORAは照明アプリケーション用淡青色(Sky blue)TADFとディスプレイ用緑色TADFも開発するという。CYNORAのGildas Sorin最高経営責任者(CEO)は「現在、CYNORAはOLED TV用深青色TADFの開発に集中している」と述べ、「今まで深青色TADFを開発しながら積み重ねてきたノウハウを活用し、照明アプリケーション用淡青色TADFとOLEDディスプレイ用緑色TADFを開発していく」と明かした。

車載用OLEDディスプレイの黄金時代が訪れる

コネクテッドカーのディスプレイは、様々な情報を提供し利便性を図るため、段々大きくなっている。一般自動車に採用されるディスプレイには、クラスターとCID(Center Information Display)、RSE(Rear Seat Entertainment)、RMD(Room Mirror Display)がある。コネクテッドカーは、センターフェイシア(Center Fascia)に多くあるボダンがディスプレイになり、サイドミラーの代わりとしてカメラを用いたディスプレイがドアに取り付けられる。来年から発売開始されるAudiの電気自動車e-tronには、サイドビューディスプレイが搭載される。

 

UBI Researchイ・チュンフン代表によると、自動車メーカーがOLEDメーカーに積極的にアピールし、ディスプレイにOLEDを採用しようとする理由は、デザインと視認性、厚さなど、OLEDにしか持っていない多くの特長があるからである。

 

サイドビューカメラはドアに取り付けられるため、運転者の視線には広い視野角が必要となる。特に、夜間走行時に物体の形を確実に識別するには、正確な黒色をディスプレイに表示しなければならない。また、高速走行している自動車のミラーに映る画面は、速度によって瞬時に変わるため、応答速度が速いOLEDの採用が必須となる。気温が低い冬に、応答速度が遅いLCDを採用することはできない。それだけではなく、運転者の利便性を最大化するコックピット(cockpit)ディスプレイをダッシュボードに取り付けるためには、フレキシブルOLEDを採用しなければならない。

<BenzのF015 cockpit displayとAudiのe-tron side view display>

Audiは今年初めてAMOLEDを、後席用のリモートコントロールユニットディスプレイに採用し、新たなOLED応用市場を開拓した。Audiは全てSamsung Display製リジッドOLEDを採用する。

 

一方、TV用OLED市場のトップとなるLG Displayは、RGB OLEDを2段に積層したフレキシブルOLEDで、クラスター用ディスプレイとCID市場での成功を目指している。車載用ディスプレイの供給メーカーであり、市場シェア2位を占めるVisteonは、LG DisplayのpOLEDで、クラスター市場を迎える準備を行っている。12.3型pOLEDはLTPS基板から製造され、スマートフォン用OLEDよりOLED工程が複雑なため、モジュールを含むパネル価格は55型WRGB OLEDと同水準になり、少量でも超高価なプレミアム市場を創出できる。

<Visteonの12.3型pOLED>

 

UBI Researchが発行した『車載用OLEDディスプレイレポート』によると、Samsung DisplayとLG Displayがリードする車載用OLEDディスプレイ市場は、2023年に5億4,000万規模に成長すると予想される。

【2018SID】フルスクリーンにさらに一歩近づいたSamsung DisplayのOLED技術

ロサンゼルスで開催中の2018SIDでは、スマートフォン前面にスピーカーがない新概念のOLEDが公開された。

Samsung Displayの新作「Sound on display」は、スマートフォンの上部にあったスピーカーを無くし、パネルの裏面に電気信号を振動に転換する圧電アクチュエータ(Piezo-electric Actuator)を取り付けたものだ。アクチュエータがOLEDパネルを振動させ、音を発生するメカニズムである。LG Displayが販売している「Crystal sound OLED」と同じ方式だ。

この技術を用いると、スマートフォン前面からスピーカーを無くすことができ、ディスプレイの面積が大きくなる。最近のホームボタンがディスプレイに内蔵される傾向とともに、スピーカーも内蔵される方向で、OLEDはさらなる進化を続けるとみられる。

Foldableスマートフォン、タブレットPC市場を飲み込めるのか

「Foldableスマートフォンが発売を開始、本格的な実用化が進んだら、高価なタブレットPC市場は消滅してしまう可能性がある」

先日26日に韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催された「OLED最新技術動向セミナー」で、UBI Researchイ・チュンフン代表は、最近話題になっているFoldableスマートフォンについて、このような発言をした。

イ・チュンフン代表は「Foldableスマートフォンは7.2型ディスプレイが半分に折りたたまれ、5.2型ディスプレイとして実現できると見込まれる」とし、「さらに外側には、時間やその他情報が確認できるバー型ディスプレイが追加される」と述べた。

また「Foldableスマートフォンは、停滞されているスマートフォン市場を活性化させるモメンタムを提供するだけでなく、ディスプレイ画面のサイズ拡大による、パネルの数量不足を改善するための新規投資機会も提供できるというポジティブな側面がある」と分析した。

一方、「Foldableスマートフォンが発売され、実用化を迎える場合、高価なタブレットPC市場が消滅してしまう可能性がある」と述べ、「Foldableスマートフォンは現在Appleが先駆けているタブレットPC市場を飲み込める」と説明した。

続いてFoldableスマートフォンは、一般のスマートフォンに比べて画面が大きいため、4Kの実現も可能になると予測した。現在、QHD解像度に留まっているOLEDスマートフォンは、マスクと配線の広さ、エクスポージャーの問題によって、5年内に実現することは難しいと考えられる一方、Foldableスマートフォンは、このような問題から自由であると伝えた。

最後に、Foldableスマートフォンが市場における成長要因として、価格に対する消費者の負担軽減と専用アプリケーションやコンテンツの開発、動画配信(ストリーミング)など、データを転送するための5G通信技術の急速な定着を挙げた。

イ・チュンフン代表は、Foldableスマートフォン用OLEDの出荷量について、2018年に10万台、2022年には283万台に達すると予測した。

<Foldableスマートフォン用OLEDパネルの出荷量展望、参考:Q2’18 OLED panel market track @UBI Research>

マイクロLED TV、OLED TVより価格競争力はあるか

「マイクロLEDは、今後60型と70型以上のTVに採用されるにあたり、予めOLEDなど他のディスプレイと比較して価格競争力をどのように高めていくかを考えなければならない」

先日26日に韓国ソウルにあるコンベンションセンターコエックスで開催されたUBI Research主催の「OLED最新技術動向セミナー」で、順天郷大学ムン・ダイキュ教授は、マイクロLED技術について説明する際、このような発言をした。

ムン教授は「マイクロLEDは、1,000ppi以上の高解像度ディスプレイを実現できる技術として注目を集めている」と言い、「LEDウェハーからフォトリソグラフィ工程を経て、マイクロLEDを個別に製造できるため、基板のサイズと形状に影響を受けないという点と輝度と寿命、低電力など、従来のLEDが持つ利点をそのまま活用できる」と説明した。

また、ウェアラブル機器のように消費電力が非常に重要な分野では、マイクロLEDの利点が有利に作用すると予測し、他にも業務用ディスプレイやデジタルウォールなど、超大型ディスプレイ分野で、ノーベゼルディスプレイを実現できるため、比較的に参入が容易な領域になると見通した。

しかし、最近話題になっているマイクロLED TVの量産について、ムン教授は「4Kを実現するためには、10 umサイズのLEDチップが2,480万個必要だが、現在実用化されている4型ウェハーからだと、4Kパネルを2回しか生産できない」と説明し、「量産性の側面においては、マイクロLEDはLCDとOLEDに比べて価格競争力があるかという疑問を持っている」と明らかにした。

さらに、マイクロLEDのTFTやピクセルの均一度を取り上げ、「TFTの均一度は、現在OLEDにも採用されている補償回路で対応できるが、もしカラーの不均衡問題が生じたら、どう解決するかを考慮すべきだ」と述べた。

マイクロLED TVは先日のCES 2018でSamsung Electronicが披露したTVで、当時多くの注目を集めたが、実用化に関しては意見が食い違った。特にLG Displayのカン・インビョン最高技術責任者(CTO)は「4KマイクロLED TVを実現するためには、約2,500万個のLEDが必要だが、LEDが1個あたり1ウォンだとしても2,500万ウォンで、回路と基板まで含めると相当高価になってしまう」と語ったことがある。